ジャンク Marshall The Guv’norを修理/ポット全固着 発信音で使用不可

トップ画像

 Marshall The Guv’nor(韓国製)のジャンクを購入しました。これを修理して、普通に使えるようにしたいです。ハードオフで11,000円とまあまあの値段だったので、直ってくれないと困ります。

 ということで今回は、ジャンクのMarshall The Guv’norの修理過程などについて書いてみたいと思います。

外観・症状

キズとサビが結構ある

天面
 フットスイッチのワッシャーがサビていて、細かなキズもたくさんあります。
 
右側面
 右側面にはキズがたくさんあって、塗装が剥がれたところがサビています。前側の方では、塗装の内側にサビが出ているようで、ボコボコと膨らんでいるところがあります。
 
背面
 背面にあるインプット/アウトプット/LOOPジャックのナットとワッシャーがサビています。細かなキズもたくさんあります。
 
左側面
 左側面にもキズとサビがあります。特に、前側の塗装の剥がれた個所のサビが酷いです。
 
底面
 底面に貼られたスポンジは劣化して、ボロボロと崩れて落ちてきます。
 

症状をチェック

商品説明

商品説明
 商品説明には「9Vアダプター使って音出ました。ガリ、ノイズありませんが、GAINのツマミが固すぎるためジャンク」とありました。

 しかし…
 

 >GAIN、BASS、MIDDLE、LEVELのツマミが固着していて、全く回りません。回るのは、TREBLEだけです。おそらく、お店でチェックした後で、店頭に置かれているうちに固着してしまったのではないかと思います。
 

音出しチェック


 DCジャックに電源を繋ぎ、ギターとアンプを繋いでアンプのボリュームを上げてみると、発信音が出てしまいました。

 そして、フットスイッチを押すと、電源は入りました。しかし、エフェクト音が出ません。回路が故障しているのか、それともGAINとLEVELのツマミが小さい値で固着しているためなのか…。

 とにかく、ポテンショメーターを修理または交換する必要があるようです。
 

9V角電池での駆動は?

電池スナップ
 まず、電池スナップはサビもなく、キレイです。
 
9V角電池を入れる
 そして、9V角電池を入れ、インプットジャックにフォーンプラグを挿して、
 
9V角電池で電源オン
 フットスイッチを押すと、ちゃんと電源オンにできました。

 

修理

分解

底面のネジを外す
 底面にある4本のネジを外します。
 
カバーが外れた
 カバーが外れました。
 
インプット/アウトプットジャックのナットを外す
 インプット/アウトプット/LOOPジャックのナット(14㎜)を外します。
 
ノブを引き抜く
 ノブを引き抜きます。ちょっと力を入れれば、抜けます。
 
フットスイッチのナットを外す
 フットスイッチのナット(14㎜)を外します。

 これで、
 
内部のアルミフレームが外れた
 内部のアルミフレームを外すことができました。 
 
フットスイッチのギザギザワッシャー
 フットスイッチのギザギザワッシャーが落ちてきたので、失くさないようにします。
 
アルミフレームの収まり方
 アルミフレームは、こんな感じで内部に収まってました。
 
ポテンショメーターの基板
 ポテンショメーターの基板は、このようにアルミフレームにナットで固定されています。
 

ポテンショメーターにMETAL CONTACTを吹く

METAL CONTACT
 とりあえず、ポテンショメーターにELECTRO-HARMONIXの接点復活剤、METAL CONTACTを吹いてみます(20年以上前に買ったのが、まだ残ってます)。ギター/ベースのポッド、エフェクターのコントロール部やジャックなどのクリーニングに最適とのことです。
 
ポテンショメーターにMETAL CONTACTを吹く
 5つのポテンショメーターの穴に、METAL CONTACTを少量だけ吹いてみました。

 しかし、
 
ポテンショメーターのシャフトは回らない
 固着していシャフトは、全く回りません。

 これは、ポテンショメーターを分解・清掃するしかなさそうです。
 

ポテンショメーターを取り外す

ポテンショメーターのナットを外す
 ポテンショメーターのナット(10㎜)を外します。
 
ポテンショメーターの基板が外れた
 ポテンショメーターの基板が外れました。
 
セッティングしてフラックスを塗布
 裏返してセッティングして、ポテンショメーターのハンダにフラックス(HOZAN H-722)を塗布します。
 
ハンダを吸い取る
 ハンダゴテとハンダ吸い取り線で、ハンダを除去します。
 
取り外したポテンショメーター
取り外したポテンショメーターの表記
 ポテンショメーターが外れました。左からLEVEL(B100KΩ)、TREBLE(B10KΩ)、MIDDLE(A10KΩ)、BASS(A10KΩ)、GAIN(B100KΩ)です。
 

ポテンショメーターの分解・クリーニングに挑戦

ポテンショメーターのアップ
 これはLEVEL(B100KΩ)のポテンショメーターです。

 ツメが4つあるので、
 
ポテンショメーターのツメを広げる
 マイナスドライバーで広げます。これでカバーを外すことができます。
 
ポテンショメーターのカバーが外れた
 カバーを外した状態。回転する樹脂パーツの固定の仕方に驚きました。樹脂パーツを貫通するシャフトの端が開いた状態になっていて、これで樹脂パーツを固定しています。これでは分解するが困難で、分解できたとしても元に戻すのはかなり難しいです。予想外の構造でした。

 しかし、「たとえ分解できなくても、シャフトの固着さえ解消できれば、そこにグリスを流し込んで復活させられるかもしれない」などなどいろいろ考えて、
 
クイックドライクリーナー
 とりあえず、クイックドライクリーナーを吹いてみることにします。
 
クイックドライクリーナーを吹く
 シャフトの受けに入るような感じで吹いてみました。

 これで15分くらい置いたのですが、
 
クイックドライクリーナーを吹いてもシャフトは回らない
 シャフトは固着したままで、全く回りません。

 ここで血迷って、
 
クイックドライクリーナーを小瓶に入れる
クイックドライクリーナーにドブ漬け
 小瓶にクイックドライクリーナーを入れて、ポテンショメーターをドブ漬けしてしまいました。

※結論から言うと、これは効果がありません。真似しないでください。
 
ネジ山の汚れが落ちた
 90分くらい経って取り出してみると、ネジ山の汚れが少し柔らかくなって取れるようになりました。

 これで「いけるかもしれない!!」と勘違いして、
 
全てのポテンショメーターをクイックドライクリーナーにドブ漬け
ドブ漬けして一晩置く
 ポテンショメーターを全部(固着していなかったTREBLEも含む)、クイックドライクリーナーにドブ漬けしてしまいました。これで一晩、放置です。

※繰り返しますが、これは効果がありません。真似しないでください。
 

ナットとワッシャーのサビを取る

 待っている間に、他の作業をします。
 
ナットとワッシャーのサビ
 改めて見てみると、けっこうサビてますね。

 これを取るために、
 
ネジザウルスリキッド
 ネジザウルスリキッドを使います。
 
ナットとワッシャーをネジザウルスリキッドに漬ける
 ネジザウルスリキッドは透明なのですが、これにサビたナットとワッシャーを漬けると、液はすぐに紫色に変わりました。

 このまま30分くらい放置。
 
サビ取り後のナットとワッシャー
 これくらいキレイになりました。ピカピカではなく、ザラザラが残っていますが、外装にそれなりにキズがあるので、これくらいが丁度良いように思います。
 

底面のスポンジを交換

 前述のように、
 
底面
 底面に貼られたスポンジは劣化して、ボロボロと崩れて落ちてきます。
 
底面のスポンジを剥がす
 これは剥がしてしまいます。
 
底面のスポンジがなくなった
 けっこうすんなりと剥がれてくれました。

 それでも、少しだけ両面テープの糊が残っていたので、
 
シリコンオフ
 シリコンオフを使って除去します。キムワイプに吹き付けて拭きました。
 
シリコンオフで全体をキレイにした
 ついでに、外装を全体的にキレイにしました。

 そして、
 
両面テープとカットしたスポンジシート
スポンジシートを底面に貼り付けた
 余っていたスポンジシートを適当な大きさにカットして、両面テープで貼り付けました。底面を固定するネジの頭が床面に着かないよう、両面テープは厚めのものにしました。
 

外装のサビを転換

 前述のように、外装にはけっこうなサビがあります。
 
右手前のサビ
右サイドのサビ
右奥のサビ
左手前のサビ
 このサビたちを、
 
サビ転換剤
 赤サビ転換防錆剤を使って、黒サビに転換します。
 
サビ転換剤を右奥に塗布
左前にサビ転換剤を塗布
 赤サビに塗布して、15分くらい乾燥させて、2回目も塗布しました。
 
右手前のサビを黒サビに転換
右サイドのサビを黒サビに転換
左サイドのサビを黒サビに転換
左手前のサビを黒サビに転換
 ちゃんと黒くなりました。ただ、ちょっと濡れたような光沢が出てしまいます。それでも、赤サビよりはマシかなという感じです。
 

ポテンショメーターの樹脂パーツを外そうとするも…

 ポテンショメーターをクイックドライクリーナーにドブ漬けして、一晩が経ちました。

 しかし、
 
ドブ漬けしてもシャフトは回らない
 シャフトは相変わらず回りません。

 なので、シャフトの端の開いた部分を戻して(閉じて)、シャフトから樹脂パーツを取り外してみることにします。
 
シャフトの端にドライバーを当てる
 シャフトの端にマイナスドライバーを当てて、力いっぱい押し込んでみました。少しは形が変わったようですが、樹脂パーツは固定されたままです。これを繰り返していたら、手が痛くなりました。
 
クランプで固定してシャフトの端をドライバーで叩く
 今度は、ポテンショメーターをクランプで固定して、マイナスドライバーを当ててハンマーで叩いてみました。それでも、シャフトの端の形はほとんど変わらず、樹脂パーツは外れませんでした。

 これは無理そうです。たとえ外れたとしても、再び取り付けて固定するも難しいです。なので、ポテンショメーターの修理は断念します。
 

新品のポテンショメーターに交換

 交換用のポテンショメーターを4つ購入しました。ちゃんと、LEVEL(B100KΩ)、TREBLE(B10KΩ)、MIDDLE(A10KΩ)、BASS(A10KΩ)、GAIN(B100KΩ)の値が同じものにしました。
 
交換用のポテンショメーターと比較
交換用のポテンショメーターは短い
交換用のポテンショメーターはカバー部と端子は同じ
 左が購入した新品で、右が元から付いていたものです。全く同じものは見つからなかったので、シャフトの長さが違います。シャフトの径、カバー部のサイズ、端子の長さとピッチは同じです。

 これで大丈夫かな…と思いつつ、
 
交換用のポテンショメーターを基板とアルミフレームに当ててみる
 基板とアルミフレームに当ててみると、なんとか行けそうな感じです!

 それでは、交換作業に入ります。
 
ポテンショメーターのツメにニッパーを当てる
ポテンショメーターのツメをカットした
 ポテンショメーターのツメが邪魔なので、カットしました。
 
ポテンショメーターの足を1つだけハンダ付け
 位置を固定して、とりあえず1個所だけハンダ付けします。

 この状態で、
 
仮組みでは問題なし
 仮組みして、シャフトにノブも付けてみました。特に問題はないようです。
 
残りのポテンショメーターをハンダ付け
 ハンダ付けを進めます。

 固着していなかったTREBLEも、交換してしまいます。近いうちにどうせ固着しそうだし、1つだけポテンショメーターのサイズが違うとアルミフレームへの取り付けに支障があるからです。
 
ポテンショメーターのハンダ付けが完了
 ポテンショメーターのハンダ付けが完了しました。
 

音出ししてみる

 この段階で、音出しをしてみます。
 


 発信音はなくなって、ちゃんと音が出ました。交換したポテンショメーターも、特に問題ないようです。良かった!
 

フラックスのクリーニング

フラックス洗浄剤
 フラックス洗浄剤を使います。
 
フラックス洗浄剤を塗布
 蓋についたブラシで塗布して、
 
フラックスをキムワイプで拭き取る
 キムワイプで拭き取りました。
 
フラックスがなくなった
 キレイになりました。
 

組み立て…問題が発覚!?

 「あとは、逆の手順で組み立てるだけ」と思いきや、そうはいきませんでした。

 なんと、
 
フットスイッチとLEDが天面の穴に収まらない
 フットスイッチとLEDの位置がズレていて、天面の穴に収まりません。

 どうやらこれは、交換したポテンショメーターが原因みたいです。
 
交換用のポテンショメーターは短い
 前述のように、交換したポテンショメーターは、元のものとシャフトの長さが違います。そして、前者はネジ山が切ってある部分が長くなっています。

 また、天面のポテンショメーター用の穴には、ネジ山が切ってある部分は径が太くて入りません。

 これにより、交換したポテンショメーターだと天面の穴に浅くしか入らず、そのためアルミフレームの位置がズレてしまい、それでフットスイッチとLEDが入らなくなった、ということです。
 

アルミフレームの穴を拡張→問題解決

 いろいろと考えた結果、
 
アルミフレーム
 アルミフレームのフットスイッチとLEDの穴(写真のいちばん下と、下から3番目の穴)を広げることにしました。
 
アルミフレームにドリルを当てる
 電動ドリルを当てて、
 
アルミフレームの穴を広げた
 フットスイッチとLEDの穴が広がりました(ちょっと曲がったけど)。

 そして、
 
フットスイッチとLEDが天面の穴に入った
 フットスイッチとLEDが天面の穴にちゃんと入りました。
 

ノブをクリーニング

 組み立てていると、
 
ノブが汚れている
 ノブが汚れていることに気づきました。
 
無水エタノール
 無水エタノールでクリーニングします。
 
ドロップ容器に入れた無水エタノールを綿棒に垂らす
 ドロップ容器に入れてあるので、これを綿棒に垂らして、
 
ノブをクリーニング
 クリーニングしました。
 
ノブがキレイになった
 ノブがキレイになりました。
 

ジャックをクリーニング

 METAL CONTACTを使います。
 
インプットジャックをクリーニング
 インプット/アウトプット/LOOPジャックは、METAL CONTACTを綿棒に付けてクリーニングしました。
 
DCジャックをクリーニング
 DCジャックは、METAL CONTACTをキムワイプに付けてクリーニングしました。
 

モデル名のロゴを修正

モデル名のロゴに欠けがある
 モデル名のロゴの「u」の文字が少し欠けているのが目に付きます。また、「e」の文字も少し欠けています。これらを修正します。
 
タミヤカラー X-2 ホワイト
 タミヤカラー X-2 ホワイトを使います。

 
uの文字を筆で修正
 まずは「u」の文字を筆で修正しました。

 しかし、
 
はみ出した
 はみ出してしまいました。この筆では太かったみたいです。

 なので、
 
紙を折った先で修正
 紙を折って、その尖った先で修正しました。でも、なかなか難しい…。
 
eの文字を修正
 同じようにして、「e」の文字を修正しました。
 
モデル名のロゴの修正が完了
 一応できました。あまりキレイには修正できませんでしたが…。でも、少し離れれば分からない程度だと思います(そう思いたい)。
 

完成

 完成しました。
 
完成 全体像
完成 天面下部
完成 天面上部
完成 右サイド
完成 背面
完成 左サイド
完成 前面
完成 底面

 

試奏


 交換した5つのポテンショメーターは、全て問題なく動作しているようです。

 音もなかなか良いのではないでしょうか。

 

おわりに

 以上のように、5つのポテンショメーター(固着して回らなかった4つと、回った1つ)を交換したことで、発信音もなくなって、普通に使えるようになりました。でも、今のところ出番があるかどうかはちょっと分かりません。とりあえず持っておいて、そのうち考えます(←結論の先送りが常套手段です)。

トップへ戻る