M.2 SSD用ヒートシンクおすすめ15選/両面実装にも適応

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GLOTRENDS PS5 ヒートシンク、M.2 SSDヒートシンク (3mm厚み)、サーマルシリコンパッド付き、2280 M.2 PCIe NVME SSDにサポート、M.2冷却フィン ヒートシンク、合金アルミニウム製のM.2 SSDクーラー、導熱接着シート付き
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サンワサプライ M.2 SSD用ヒートシンク TK-HM5S
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 自作PCユーザーに広く愛用されているM.2 SSDですが、転送速度が速いために発熱もハンパないですよね。なので、ヒートシンクでの冷却がほぼ必須と言ってもいいでしょう。

 というわけで今回は、M.2 SSD用のヒートシンクを購入する際に確認しておきたいポイントを説明しつつ、ECサイトなどで販売されている製品の中からピックアップしたおすすめを紹介したいと思います。

M.2 SSDとは

 まずは、M.2 SSDそのものについて簡単に見ていきます。

SSDとは、フラッシュメモリを用いたストレージ


Crucial(クルーシャル) P1シリーズ 500GB 3D NAND NVMe PCIe M.2 SSD CT500P1SSD8
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 SSDは「Solid State Drive」(ソリッドステートドライブ)の略です。「ソリッドステート」は、直訳すると「固体状態」で、この場合は固体を利用した電子回路・装置のことを指しています(空間を利用する「真空管」に対して用いられます)。また、可動する個所のない装置の意味としても用いられます。

 そして、SSDではフラッシュメモリを用いて、ストレージ(データの保存場所)を構成しています。「フラッシュメモリ」とは、電力が供給されていなくてもデータの保持が可能な(不揮発性の)半導体メモリのことです。

SSDのメリット・デメリット(HDDとの比較)

Western Digital ウエスタンデジタル 内蔵SSD 1TB WD Black SN770 ゲーム向け PCIe Gen4 M.2-2280 NVMe WDS100T3X0E-EC【国内正規代理店品】
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TOSHIBA 東芝 3.5
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 SSDには、もちろんメリットはあるのですが、デメリットがないわけではありません。これについて、HDD(ハードディスクドライブ)と比較すると次のようになります。

HDD
 回転するプラッタ(円盤状の記録用部品)の表面を、ヘッドを動かしてデータの書き込み/読み込みをします。
メリット……3.5インチでは10TBや12TBなど大容量のものがあり、容量あたりの価格が安い
デメリット……速度は遅く消費電力も大きく、回転する機構のために振動・衝撃に弱い

SSD
 前述のようにフラッシュメモリを用いており、物理的に動く部分はありません。
メリット……スピードが非常に速く消費電力も少ない。回転部品がないため振動・衝撃に強い
デメリット……容量あたりの価格が高く容量が比較的小さい(2.5インチで、最大でも8TB程度)。

 上記のようなことを考慮すると、SSDにOSやソフトをインスールすると、起動や動作が速くなって快適になるでしょう。また、ムービーなど容量の大きなデータの保管場所としては少し心許なく感じますが、一時的な作業スペースとしてSSDに保存しておく、という使い方なら良いのではないでしょうか。

SSDのフォームファクタは2.5インチ、M.2、mSATA


キオクシア KIOXIA 内蔵 SSD 480GB 2.5インチ 7mm SATA 国産BiCS FLASH搭載 3年保証 EXCERIA SSD-CK480S/N 【国内正規代理店品】
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Samsung 980 1TB PCIe Gen 3.0 ×4 NVMe M.2 最大 3,500MB/秒 内蔵 SSD MZ-V8V1T0B/EC 国内正規保証品
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キングストンテクノロジー Kingston SSD KC600 256GB mSATA 3D TLC NAND採用 SKC600MS/256G 正規代理店保証品 5年保証
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 SSDのフォームファクタには、写真の上から順に2.5インチ、M.2、mSATA(Mini SATA)があります。見ての通り、M.2とmSATAはコンパクトサイズなのが特徴。

 そして後述するように、M.2 SSDにはPCIe/NVMe接続、SATA3.0接続のものがあります。

M.2 SSDでPCIe/NVMe接続のものは発熱がスゴイ!

Western Digital ウエスタンデジタル 内蔵SSD 1TB WD Black SN770 ゲーム向け PCIe Gen4 M.2-2280 NVMe WDS100T3X0E-EC【国内正規代理店品】
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 上記のように、M.2 SSDにはPCIe/NVMe接続とSATA3.0接続のものがあり、PCIe/NVMeの方が速度に優れます。

 たとえば、M.2 SSDのスペック上のシーケンシャル(連続)の速度を見てみると、SATA3.0はリード560MB/s・ライト510MB/sなどで、PCIe4.0×4/NVMeはリード7,000MB/s・ライト5,000MB/sなど、PCIe5.0×4/NVMeはリード12,400MB/s・ライト11,800MB/sなどです。

※「MB/s」は、「1秒間に何メガバイト」ということ。

 そして、スピードが速い分、PCIe/NVMe接続のM.2 SSDは、スゴく発熱します

「PCIe」と「NVMe」について
PCIe
 まず、「PCI」は、「Peripheral Component Interconnect」の略で、CPUと周辺機器(ペリフェラル)との間をつなぐ通信を行うバスアーキテクチャのひとつ。この帯域幅を拡張したのが、「PCIe(PCI Express)」になります。

 なお、現在主流のPCIeのリビジョンは「4.0」、「5.0」です。1レーンあたりの転送速度は「4.0」は「16GT/s」、「5.0」は「32GT/s」というように高速になっていきます。

※「T/s」は「Transfer/second」の略で、「1秒間にデータを何個転送するか」ということ。たとえば「32GT/s」は「1秒間にデータを32ギガ個転送する」ということになる。

 また、PCIeは複数のレーンを束ねて高速化することができます。これを4レーン束ねたのが「×4」と表記されているもの。ちなみに、グラフィックボードではさらに高速な「×16」が採用されています。

NVMe
 「NVM」は「Non-Volatile Memory」で、日本語訳は「不揮発性メモリ」です。前述の「フラッシュメモリ」(電力供給がなくてもデータ保持が可能)は、これに含まれます。この「NVM」を「PCIe」バスを介してPCと高速接続するプロトコルが「NVMe(NVM Express)」です。

ヒートシンクでサーマルスロットリングを防いで、高速転送を維持

長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンク SS-M2S-HS01
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 PCIe/NVMe接続のM.2 SSDには通常、サーマルスロットリングが搭載されています。これは、温度が上がり過ぎた場合に、性能を落として製品の破損を防ぐ技術のこと。なので、負荷がかかって高温になると転送速度が低下してしまいます。

 これを回避して、高負荷時でも本来の性能を発揮するためには、ヒートシンクを装着するなどの冷却対策が必要というわけです。

M.2 SSD用ヒートシンクの選び方

 ここからは、M.2 SSD用ヒートシンクの選び方を見ていきましょう。

設置スペースに合った高さの製品にする


オウルテック M.2 2280 SSD用 ヒートシンク 熱伝導シート 固定用シリコンゴムセット EXTREME COOL M2 レッド OWL-SSDHS03PS
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GLOTRENDS PCにサポートするM.2 SSDヒートシンク (10mm厚み)、サーマルシリコンパッド付き、2280 M.2 PCIe 4.0/3.0 NVME SSDにぴったりなM.2冷却フィン ヒートシンク、熱暴走対策の合金アルミニウム製のM.2 SSDクーラー、導熱接着シート付き
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 M.2 SSD用ヒートシンクの製品は、物理サイズType 2280対応のものが一般的で(下記の補足も参照)、長さと幅はどれもほとんど同じ。しかし、高さはそれぞれ違っていて、低いものだと3㎜のものもありますし、10㎜以上ある製品もあります。

 高さがある方が表面積が広くなるので、冷却性能としては優れます。ただし高さがあると、設置するスペースによっては他のパーツ等と干渉してうまく収まらないことも…。ですので、設置する予定のスペースを確認して、それに合う高さの製品を選ぶことが大切です。

 なお、マザーボードによってはM.2スロットのすぐ近くにコンデンサなどがあり、それと干渉することもあり得るので、その点も確認しましょう。

M.2 SSDの物理サイズは「Type 2280」が一般的
WD SSD 内蔵SSD M.2 512GB WD Black / PCIe Gen3 NVMe 8Gbs / 5年保証 / WDS512G1X0C
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MagiDeal PCI - E NGFF M。2 SSD 2242 2260 2280 Mキーx4 NG PCIe gen3 x4アダプタカード
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 M.2 SSDのスペックにある「Type 2280」といった表記は、物理サイズの規格です。「Type 2280」の場合、幅が22㎜で長さが80㎜という意味。これ以外には、幅は同じく22㎜で、長さ60㎜の「Type 2260」、長さ42㎜の「Type 2242」、長さ30㎜の「Type 2230」があります。

 このうち最も一般的なのが「Type 2280」で、今回紹介する製品もすべて「Type 2280」対応の製品になります。

両面を冷却するタイプの製品もある

M.2 2280mm SSD両面ヒートシンク、PC / PS5用サーマルシリコンパッド付きM.2 PCIE NVMe SSD (銀色)
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 M.2 SSD用ヒートシンクの中には、下側のアルミ板と、上側のヒートシンクでM.2 SSDを挟み込むタイプの製品があります。こうしたものは、M.2 SSDを両面から冷却することができるので、より高い効果が期待できますね。もちろん、両面にチップが搭載された(両面実装)M.2 SSDにも対応します。

 ただし、両面から挟み込む構造のため、製品の高さが大きくなりがちです。また、少しだけ取付けに手間がかかるので、この点を踏まえて選ぶようにしましょう。

取付方法で選ぶ

①熱伝導両面テープ
アイネックス M.2 SSD用ヒートシンク HM-21
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②耐熱絶縁テープ
長尾製作所 ファン付M.2SSD用ヒートシンク SS-M2S-HS03
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③シリコンゴムリング
monofive M.2 (2280) SSD用ヒートシンク 放熱板(黒) MF-RADI-A1B
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④金属クリップ/ブラケット
Aquacomputer kryoM.2 micro passive heat sink for M.2 2280 SSD
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 上の写真のように、ヒートシンクタイプをM.2 SSDへ取り付ける方法には主に、熱伝導両面テープ、耐熱絶縁テープ、シリコンゴムリング、クリップ/ブラケット、があります。

 熱伝導両面テープのものは、お手軽に取り付けることが可能。ただし、かなり強力に貼り付くので、もし外すことになった場合、M.2 SSDのラベルが損傷してしまい、中古で売却する際に査定に影響する可能性があります。ですので、外さないことを前提で考えるのが良いですね。

 その点、耐熱絶縁テープなら、外す際にM.2 SSDのラベルを損傷することはありません。なので、手放す場合でも、比較的良い状態で売却できるでしょう。ただし、取り付け・取り外しを何度も繰り返すと粘着力が弱くなるので、そうした使い方には不向きです。

 シリコンゴムリングと金属クリップ/ブラケットは、外す際にラベルを損傷せず、テープと違って取り付け・取り外しを何度も繰り返すことができます。パーツを取っ替え引っ替えする自作PCユーザーには、このタイプが向いているでしょう。

 よりシッカリと固定したいなら、金属クリップ/ブラケットの方が安心感が持てます。ただし、CPUクーラーなど他のパーツと干渉しないか要注意。干渉する場合は、シリコンゴムリングにするなどのくふうをすると良いですね。

ヒートシンクは何色でも実用上は同じ、なので好きなカラーを選ぶ

アイネックス AINEX M.2 SSD用ヒートシンク HM-21
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GLOTRENDS PS5 ヒートシンク、M.2 SSDヒートシンク (3mm厚み)、サーマルシリコンパッド付き、2280 M.2 PCIe NVME SSDにサポート、M.2冷却フィン ヒートシンク、合金アルミニウム製のM.2 SSDクーラー、導熱接着シート付き
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 ヒートシンクには通常、「アルマイト加工」が施されています。これは極々簡単に言うと、陽極(+極)で電解処理をして、表面を保護する酸化アルミニウム皮膜を生成する加工のこと。この加工によって表面が艶消しになり、熱(赤外線)の反射率が低下して、その代わりに吸収率が上がります。吸収率=放射率なので、アルマイト加工をした方がヒートシンクの放熱性能は高くなります。

 そして、ヒートシンクに施される「アルマイト加工」には、白色や黒色などカラーバリエーションがあります。厳密には、黒色にした方が吸収率(=放射率)が高いので放熱性能も高くなるのですが、この差が出てくるのは1,000℃以上くらいの高温になった場合。

 M.2 SSDの温度は、高負荷時でも70~80℃くらいなので、アルマイト加工が何色でも実用上はほぼ変わりありません。なのでカラーについては、見た目の好みで選んで良いでしょう

冷却ファンの有無で選ぶ

長尾製作所 ファン付M.2SSD用ヒートシンク SS-M2S-HS03
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 製品の中には、冷却ファンが付属しているものがあります。より強力に冷却したい場合は、そうした製品を選びましょう。ただし冷却ファンの分、寸法が大きくなるので、取り付けスペースが十分かを事前に確認する必要があります。

【H低め】M.2 SSD用ヒートシンク おすすめ製品

 ここからは、M.2 SSD用ヒートシンクのおすすめ製品を紹介していきます。まずは、H(height:高さ)が低めの製品を紹介し、その後にHが高めの製品と続きます。各製品には、高負荷時における冷却性能の目安も示しているので、参考にしてください(あくまで目安であり、冷却の程度は環境等によって変わります)。

 小型のPCケースを使用している場合などは、Hが低めのヒートシンクが干渉しにくくて良いですね。

※価格は2024年1月4日時点のものであり、変更されている場合があります。

GLOTRENDS M.2ヒートシンク

【高さ3㎜、冷却性能目安:-11℃】金属クリップとシリコンゴムリングの2つの取付方法が選べる


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 シンプルな波型フィンのヒートシンクですが、金属クリップとシリコンゴムリングが付属していて、2つの取付方法から選べるのが特徴。金属クリップは環境によってはCPUクーラーなどと干渉してしまうことがあるので、そのときはシリコンゴムリングにすることができます。

 付属している放熱シリコンパッドの厚さは1㎜ですが、以下の0.5㎜と1㎜のセット商品が別に入手可能です。

GLOTRENDS M.2 NVMe SSD 冷却用サーマルパッド、10パック2種類の厚さ0.5mm、1.0mm 熱伝導性シリコンパッド、2.0 W/mk熱伝導率
599円(税込)

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アイネックス HM-21

【高さ5.1㎜、冷却性能目安:-9℃】熱伝導両面テープで貼り付けるだけ、気軽に試せる低価格


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 フィンが波型の、シンプルなヒートシンク。その分、価格がかなり抑えられているので、M.2 SSD用のヒートシンクを試してみたいユーザーには、気軽に入手できて良いのではないでしょうか。

 取付方法もお手軽で、熱伝導両面テープで貼り付けるだけ。ただし、取り外す際にM.2 SSDのラベルが損傷しやすいので注意が必要です。

 ちなみに、熱伝導両面テープがイヤな場合は、以下の放熱シリコンパッド & シリコンゴムリングを使ってみてはいかがでしょう。

アイネックス M.2ヒートシンク用放熱シリコーンパッド HT-13A
612円(税込)

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長尾製作所 SS-M2S-HS01

【高さ6㎜、冷却性能目安:-14℃】U字型、1.5㎜厚のアルミ製、耐熱絶縁テープで取り付け


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 全体がU字型をしたヒートシンク。放熱性に優れた1.5㎜厚のアルミニウムと、熱伝導率が極めて高い「超低硬度放熱シリコンパッド」のコンビネーションによって、M.2 SSDの熱を効果的に抑えてくれます。放熱シリコンパッドは「超低硬度」とあるように、かなり柔らかいので、細かな凹凸にも密着し、熱を効率的に伝導してくれます。また、貼り付ける作業も比較的容易そうですね。

 取付けは、耐熱絶縁テープをヒートシンクとM.2 SSDを巻きつけるようにして行います。微粘着で再剥離可能なので、M.2 SSDのラベルを損傷しにくいとのことです。

長尾製作所 SS-M2S-HS01 耐熱絶縁テープで取付けているところ
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オウルテック EXTREME COOL M2 OWL-SSDHS03PS

【高さ3㎜、冷却性能目安:-9℃】形状はシンプル、“レッド”のカラーが個性的、コスパが優秀


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 シンプルな形状をした、波型フィンのヒートシンク。取り付けは、2つのシリコンゴムリングで、M.2 SSDにヒートシンクを留めるだけで。

 そして、ヒートシンクのカラーに“レッド”を採用しているのが珍しいですね。たとえば、PCの内部パーツをARGBのLEDでカラフルに発光させている場合に、このヒートシンクを取り付けると面白いのではないでしょうか。

サンワサプライ TK-HM5S

【高さ6㎜、冷却性能目安:-14℃】スリット形状に切り込みを入れた形状、低価格の製品


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 ヒートシンクに、スリット形状の切り込みが入った形状の製品。このスリットによって表面積が増えるので、その分、放熱性が向上します。取付けのための付属のシリコンゴムリングは3つで、よりしっかりとM.2 SSDにヒートシンクを密着させてくれます。

長尾製作所 SS-M2S-HS02

【高さ4.8㎜、冷却性能目安:-12℃】2.0㎜厚のアルミを採用したプレート型


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 放熱性に優れた2.0㎜厚のアルミニウムを採用したプレート型のヒートシンク。前出の「長尾製作所 SS-M2S-HS01」と同様、熱伝導率が極めて高く、柔らかくて細かな凹凸にも密着する「超低硬度放熱シリコンパッド」を採用し、効率的に熱をヒートシンクに逃がしてくれます。

 取付けは、一見するとサイドフレームでM.2 SSDを挟むようにも思えますが、そうではなく、前出の「長尾製作所 SS-M2S-HS01」と同様に、耐熱絶縁テープ(微粘着で再剥離可能)で巻きつけるようにして固定します。

 サイドフレームを取り外すことで、幅の寸法を少し小さくすることも可能。なので、マザーボード上のコンデンサなどが干渉する場合は、取り外すと良いかもしれません。

uxcell 銅製ヒートシンク グラフェン被覆

【高さ1.5㎜、冷却性能目安:-8℃】省スペースな薄型のモデル、熱伝導率の高い銅製


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 高さ105㎜という薄型の製品。省スペースなので他のパーツと干渉しにくくなりますし、空きスペースによりますが、ノートPCの増設用スロットに装着したM.2 SSDにも対応可能です。これだけ薄い製品はなかなかなく、貴重な存在と言えるでしょう。

 材質は、アルミよりも熱伝導率の高い銅で、グラフェン被覆により腐食しにくくなっています。

【H高め】M.2 SSD用ヒートシンク おすすめ製品

 続きまして、小型ヒートシンクでHが高めの製品を紹介したいと思います。

 高さがある製品は、その分表面積が広くなって高い冷却性能が期待できます。ただし、CPUクーラーやグラフィックボードなど他のパーツと干渉しないかを、あらかじめ十分に確認しておきましょう。

※価格は2024年1月4日時点のものであり、変更されている場合があります。

MHQJRH M.2 SSD 両面ヒートシンク

【高さ11㎜、冷却性能目安:-20℃】M.2 SSDを挟み込む両面ヒートシンク、カラバリが豊富


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 金属ブラケットとヒートシンクにより、M.2 SSDを両面から挟み込むようにして取り付ける製品(両面実装タイプに適応)。ネジ穴は縦長なので、M.2 SSDとシリコンパッドの厚みに合わせて最適な位置に調整が可能です。

 カラーバリエーションが豊富なのも特徴です。紹介しているのは銀色で、他にゴールド、パーブル、緑色、赤、青、黒もあります。

SGTKJSJS M.2ヒートシンク M2-3S

【高さ10㎜、冷却性能目安:-20℃】中央がT字形のヒートシンク、コスパの良いお手頃価格


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 M.2 SSDを、下側の金属ブラケットと上側のヒートシンクで挟み込み、両面から冷却する製品(両面実装タイプに適応)。ヒートシンクの中央部分はT字形になっているので、その分表面積が増えて、冷却性能が向上しています。また、M.2 SSDとシリコンパッドの厚みに合わせて、縦長のネジ穴の最適な位置で、ネジ止めができます。

 そして、価格がかなり低く抑えられているのが嬉しいですよね。「とりあえず購入して、冷却効果を試してみたい」という感じで入手しても後悔はないかもしれません。

Ineo M.2 SSD ヒートシンク M16

【高さ10㎜、冷却性能目安:-19℃】存在感のあるヒートシンクで強力冷却


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 ヒートシンクの中央部分が折れ曲がっていて、T字の形状をしています。これにより表面積を増やして、より強力に冷却できるようになっています。そこに丁度よい感じでメーカーロゴがプリントされていて、デザイン的にも悪くないのではないでしょうか。

 取付けには金属ブラケットで固定する方法を採用。そこに放熱シリコンパッドで挟んだM.2 SSDを置き(両面実装に適応)、ヒートシンクで蓋をするように4つの爪で「カチッ」と留めます。工具を使用することもなく、お手軽に取り付けられるのが良いですね。

Acidalie M.2 SSDヒートシンク

【高さ11㎜、冷却性能目安:-20℃】銅ヒートパイプで効率的に熱を伝える


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 M.2 SSDを、下側の金属ブラケットと上側のヒートシンクで挟み込み、両面から冷却する製品(両面実装タイプに適応)。特徴的なのは、ヒートシンのM.2 SSD側には銅のヒートパイプが組み込まれていること。これによってM.2 SSDからの熱を効率的にヒートシンクに伝えることができます。

 ヒートシンクにも工夫が施されており、ヒートパイプに接する部分が特に表面積が増えるような形状となっています。

EZDIY-FAB 3528 M2 SSD heatsink

【高さ12㎜、冷却性能目安:-18℃】アドレサブル RGBでイルミネーションを楽しめる


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 特徴は、何と言ってもヒートシンクにARGB(アドレサブルRGB)LEDが組み込まれていることですね。コネクタを各社マザーボードのARGB LEDヘッダーに差し込んで、イルミネーションユーティリティによって発光をコントロールすることができます。

 取付けは、M.2 SSDを下部の金属ブラケットと上部のヒートシンクによって挟み込み、サイドをネジ止めする仕様です(両面実装タイプに適応)。

 ただし、ARGBユニットがある分、ヒートシンクがエアーに触れる面積が少なくなり、冷却性能に影響が出る懸念も…。なのですが、PCケース内エアフローを見直して全体の冷却効果を高めるなどして、この製品の導入に挑戦してみるのも面白いかもしれません。

ineo M.2ヒートシンク C2600ファン

【高さ14㎜、冷却性能目安:-25℃】ヒートシンクにシロッコファンを搭載、純銅のヒートパイプを採用


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 大きな特徴は「シロッコファン」を搭載していること。シロッコファンとは、筒状の羽が回転して空気を吸い込み、ダクトから排気する、という構造のファンで、一般的なプロペラファンに比べてノイズが小さい、排気の方向をコントロールしやすいといったメリットがあります。ファンの仕様は外形寸法20×20㎜、回転数10,000rpmとなっています。このシロッコファンは、マザーボードに繋いで回転数のコントロールも可能となっています。

 そして、純銅のヒートパイプが採用されているのも特徴です。このヒートパイプの中の空間には銅粉が入っていて、これによってM.2 SSDで発生した熱を効率的にヒートシンクに伝えて、シロッコファンによって放熱する、という仕様になっています。

 取付けは、M.2 SSDを下部の金属ブラケットと上部のヒートシンクによって挟み込み、サイドをネジ止めする仕様です(両面実装タイプに適応)。

Thermalright TR-M.2 2280 Pro

【高さ11.7㎜、冷却性能目安:-20℃】ヒートシンクは独特の形状、デザイン的にも秀逸


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 面積を増やして冷却性能を向上させるため、ヒートシンクが独特の形状にカットされている製品(ヒートシンクは一見、プラスチック製に見えますが、ちゃんとアルミ製です)。先端の3層になっているカットの形状や、両端のギザギザなど、デザイン的にもなかなか優れている印象です。また、Φ8㎜のヒートパイプが組み込まれていて、M.2 SSDからの熱を即座にヒートシンクに伝えることができます。

 取付けは、M.2 SSDを下部の金属ブラケットと上部のヒートシンクによって挟み込み、サイドをネジ止めする仕様です(両面実装タイプに適応)。

Thermalright HR-09 2280

【高さ48㎜、冷却性能目安:-30℃】超大型で32枚の放熱フィン、ヒートパイプで効率的に熱を伝導 ※設置スペースに注意!!


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 高さが48㎜という、超大型のヒートシンク。放熱フィンは32枚で、そこにヒートパイプによってM.2 SSDから熱が伝えられて、効率的に排熱してくれます。近くに冷却用のファンを設置して風を当てれば、さらなる冷却が期待できるでしょう。

 取付けは、M.2 SSDを下部の金属ブラケットと上部のヒートシンクによって挟み込み、サイドをネジ止めする仕様です(両面実装タイプに適応)。

 ただし、これだけの大きさになると、設置スペースにかなりの制限が出てきます…。マザーボードにあるM.2 SSD用のスロットの位置が、たとえばPCIeスロットのすぐ隣にある場合などは、そこに装着したグラフィックボードと干渉することもあり得ますよね。なので、M.2 SSD用のスロットの周囲に大きなパーツがないことを予め確認してから導入するようにしたいですね。

【プラスα】M.2 SSDに適した冷却ファンのおすすめ

 以下の記事で、PCIスロットに取り付けるタイプの冷却ファンを紹介しています。これを組み合わせると、M.2 SSDのさらなる冷却にきっと役立ちますよ。

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おわりに

 今回は、M.2 SSD用のヒートシンクのおすすめ製品を、「H低め」と「H高め」で分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

 PCをパワーアップする度に増大していく熱。高温になりすぎると、PCがフリーズしたり、パーツが破損してしまうので、冷却はかかせません。今回紹介したヒートシンクを導入してM.2 SSDを冷却し、是非ともその圧倒的なパワーを余すことなく発揮させてくださいね。

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