古いノートPCの2.5インチSSD/HDDを、より高速で大容量の最新SSDに換装する作業を行う際や、余ったSSD/HDDの活用などに便利なのが2.5インチSSD/HDDの用外付けケースです。
そこで今回は、2.5インチ用のSSD/HDD用外付けケースの選び方のポイントを解説したうえで、ECサイトなどで入手できる製品の中からピックアップしたおすすめを紹介したいと思います。
目次
古いHDDを最新SSDに換装しよう!!(高速化・大容量化が図れます)
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2.5インチ用のSSD/HDD用外付けケースの選び方の前に、最新SSDに換装する主なメリットを紹介します。
SSDに換装すると転送速度が4倍以上になる
写真左が2.5インチHDD、右が2.5インチSSD
ある程度古いノートPCだと、内蔵ストレージは通常、2.5インチのHDD(ハードディスクドライブ)となっています。これは転送速度がかなり遅いんですよね。
これを最新の2.5インチSSDに交換すると、転送速度は高速化(4倍以上)されます。転送速度が上がれば当然、Windowsの起動時間も短縮(3割以上)されるので、かなり快適になります。
SSDに換装すれば空き容量を増やせる
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ある程度古いノートPCの内蔵2.5インチHDDの容量は、今となってはかなり少ないです(500GBなど。当時はこれでもよかったのです)。
そして、最新の2.5インチSSDには1TBや2TBなどの大容量のものがあるので、これに換装すれば空き容量をかなり増やすことができます。容量に余裕ができて、データを(あちこち分散せずに)1か所にまとめて保存できるようになると、管理が楽になります。
なので、古いノートPCを使っているユーザーは、最新の2.5インチSSDに換装することをおすすめします。ちなみに、2.5インチSSDのおすすめ製品を以下の記事で紹介していますので参照してみてください。
HDDとSSDの違いは、上記以外にもあります。まとめると、次のようになります。
2.5インチSSD/HDD用外付けケースの選び方
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ここからは、2.5インチSSD/HDD用の外付けケースを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
USBのバージョンと形状を確認
USBのバージョンは、SSDならUSB 3.2 Gen2に、搭載するのがHDDならUSB 3.2 Gen1で十分
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2.5インチSSD/HDD用の外付けケースには一般的に、USB 3.2 Gen2(信号速度10Gbps、データ転送速度1,000MB/s、理論値、以下同)に対応しているものと、USB 3.2 Gen1(5Gbps、500MB/s)までしか対応していないものがあります。
外付けケースに搭載するのがHDDの場合、HDDの転送速度は速くても220MB/sくらいなので、USB 3.2 Gen1で十分に対応できます。
しかし、搭載するのがSSDの場合は、転送速度が550MB/sくらいのものもあるので、USB 3.2 Gen1ではボトルネックになってしまいます。なので、この場合は、USB 3.2 Gen2に対応した外付けケースを選ぶのが良いでしょう。また、USB 3.2 Gen2に対応した製品は、USB 3.2 Gen1にも対応(下位互換)しているので、こちらにしておけば間違いないですね。
現在、一般的に使用されているUSBのバージョンには、2.0、3.0、3.1、3.2があり、3.1と3.2にはGen1とGen2があって、さらに名称変更だけされて転送速度は変わらないなど、非常にややこしいのですが、まとめると次のようになります。
USB2.0 | |||||
USB 3.0 | USB 3.1 Gen1 | USB 3.2 Gen1 | |||
USB 3.1 Gen2 | USB 3.2 Gen2 | ||||
USB 3.2 Gen2×2 |
USB Type-Cポートを採用した製品も(小さくて、向きを気にせず接続できる)
左がUSB-Cポートを、右がmicroUSB-B(3.2)ポートを採用した製品
製品の中には、ポートが新しい形状となったUSB Type-C(USB-C)を採用しているものもあるので、この点も確認しましょう。
USB-Cは、従来のmicroUSB Type-B(3.2)(microUSB-B〔3.2〕)よりもサイズが小さくなっています。また、USB-Cは上下左右が対照の形状であるため、向きを気にせずに接続できます(従来のUSBは「向きが逆で差し直し」ということがよくありましたが、USB-Cでは解消!)。
なお基本的には、USB 3.2 Gen1に対応している製品はmicroUSB-B(3.2)ポートを採用し、USB 3.2 Gen2に対応している製品はUSB-Cポートを採用している場合が多いようです(USB 3.2 Gen1でUSB-Cポートを採用しているものもあります)。
UASPモード対応で実行速度を高める
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UASP(USB Attached SCSI Protocol)はUSBの拡張仕様のひとつで、ストレージ(SSDやHDDなど)とのデータ転送を効率化し、実効速度を高める技術です。
UASPを利用するにはデバイスとOSの両方が対応している必要があります。OSについては、最近のものなら対応しています。なので、外付けケースの方でUASP対応製品を選べば、転送速度の向上を享受することができます。
アルミボディは放熱性に優れ、樹脂製ボディは軽さ・耐衝撃性に優れる
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外付けケース内のSSD/HDDから生じた熱は、ボディを経由して外部に放出されます。これを考慮して、ボディの素材に放熱性に優れたアルミを採用している製品もあります。なので、大きなデータの書き込み・読み込みを頻繁に行うといった場合には、ボディがアルミの製品を選ぶと良いでしょう。
一方で、ボディの素材に樹脂(ABSやポリカーボネート)を採用した製品もあります。もちろん「ボディが樹脂性だから、熱で中のSSD/HDDがすぐに壊れる」ということはありませんし、樹脂には“軽くて丈夫”というメリットがあります。なので、持ち運びの際の軽さと耐衝撃性を重視するなら、どちらか言うと樹脂性ボディの製品が適しています(あくまで、どちらかと言えばです…)。
省電力のためにスリープモード搭載の製品も
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PCに接続した外付けケースに、ずっとアクセスし続けてデータを読み書きする、ということはあまりないですよね。大抵は、接続だけはしておいて、データを開いたり保存したりするときにだけアクセスすることになるかと思います。すると、アクセスしてないのに、外付けケース内のドライブがONの状態になる時間帯が発生しています。これだと、電気が無駄になって、エコではなくなってしまいます。
こうしたことを考慮して、製品の中には一定時間アクセスしないとスリープモードに移行する機能が搭載されたものもあります。なので、この点も確認しておきましょう(当サスするのが2.5インチSSDの場合、SSDはもともと省電力なので、そこまで気にする必要はないかもしれません)。
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2.5インチSSD/HDD用の外付けケースは、基本的に別途電源ケーブルはなく、USBケーブルを通じてPCから電源を取る仕様となっています。なので、PCの電源をONにすれば外付けケースの電源もONになり、PCの電源をOFFにすれば外付けケースの電源もOFFになります。
スペックの最大容量の記載は参考程度に
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2.5インチSSD/HDD用の外付けケースのスペックに「6TBまでのSSD/HDDに対応」といった記載がされているものがありますが、これは「記載されている容量を超えるドライブには非対応」ということでありません。記載されている容量は一般的に、メーカーがテストした時点では、それが市場に出回っているSSD/HDDの最大容量だったというだけです。規格としては、より大容量のSSD/HDDでも認識するはずなので、スペックにある容量の記載は参考程度に捉えておいてもよいと言えます。
【USB 3.2 Gen2対応】2.5インチSSD/HDD用外付けケース おすすめランキング
それではここから、おすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。まずは、USB 3.2 Gen2(1,000MB/s)に対応している製品を紹介し、その後にUSB 3.2 Gen1(500MB/s)対応の製品の紹介と続きます。
USB 3.2 Gen2対応の2.5インチ外付けケースにSSDを搭載して、高速転送を実現しましょう。なお、前述のように、USB 3.1 Gen2に対応した製品は基本的にUSB-Cポートとなっています。
第1位:UGREEN 70499(アルミ)
放熱性に優れたアルミボディ、スライド式で工具不要の簡単脱着、UASPモード対応、自動スリープ機能搭載、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属
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ポディの素材に高い放熱性を実現するアルミを使用した外付けケースで、内部の温度上昇を軽減してくれます。内部には防振クッションがついており、耐久性も高く、大切なデータをしっかり保護してくれそう。ドライブの取付けに工具は不要で、アルミの部分をスライトさせて内部に装着するだけと簡単。また、角が丸くなったシルエットと控えめなロゴが、洗練された印象で良いのではないでしょうか。
高速転送を実現するUASPモードにも対応です。また、自動スリープ機能(3分間の未アクセス時)を搭載しています。ポートはUSB-Cで、USB-C to USB-Aケーブルが付属しています。
第2位:UGREEN 30727
スライド式の開閉で簡単脱着、衝撃に強いABS樹脂、UASPモード対応、自動スリープ機能搭載、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属
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ケースの素材には衝撃・擦り傷に強いABS素材を採用した製品。内部には防振クッションがあるので、もしケースを落下させてしまった場合でも、内蔵したSSD/HDDが壊れてしまうリスクを軽減してくれます。なお、ボディには通気孔はありません(通気孔に見えるのはデザイン)。ケースの開閉部はネジのないスライド式を採用していて、工具不要で2.5インチSSD/HDDを簡単に脱着が可能。
高速転送を実現するUASPモードにも対応です。また、自動スリープ機能(15分間の未アクセス時)を搭載しています。ポートはUSB-Cで、USB-C to USB-Aケーブルが付属しています。
第3位:ロジテック LGB-PBSUC
ロジテックツールを無償ダウンロード可能、大きく開閉するカバーで簡単装着、衝撃に強いABS樹脂、UASPモード対応、USB-Cポート、USB-A to USB-CケーブルとUSB-C to USB-Cケーブルが付属
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カバーが大きく開いて、そこにSSD/HDDを装着し、カバーを閉じるだけで使用できる製品です。カバーの素材は衝撃に強いABS樹脂で、付属する固定用クッションで中のドライブを守ります。
そして、同社のロジテックツール(フォルダミラーリングツール、ディスクデータイレイサ、ディスクフォーマッタ)を無償でダウンロードすることができるので、何かと便利に使えそうです。高速転送を実現するUASPモードにも対応です。ポートはUSB-Cで、USB-A to USB-CケーブルとUSB-C to USB-Cケーブルが付属しています。
第4位:玄人志向 GW2.5AM-SU3G2
カバーをスライドさせるだけで開く、衝撃に強いABS樹脂、UASPモード対応、USB-Cポート、USB-A to USB-CケーブルとUSB-C to USB-Cケーブルが付属
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カバーの端を押しながらスライドさせるだけで開くことができ、そこにSSD/HDDを装着する製品。ネジを使わないので、ドライバーなどのツールは不要となります。ケースの素材は、衝撃・擦り傷に強いABSです。
高速転送を実現するUASPモードにも対応です。ポートはUSB-Cで、USB-A to USB-CケーブルとUSB-C to USB-Cケーブルが付属しています。
第5位:ORICO 2139C3-G2
スケルトンボディで中身が見える、ケースをスライドするだけで装着可能、UASPモード対応、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属
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最大の特徴は、一目で分かるとおりのスケルトンボディ(素材はポリカーボネート樹脂)。ドライブを複数持っているユーザーの場合、中身が見えるので管理がしやすくなるのではないでしょうか。そして、内部基盤にレイアウトされたブルーのLEDインジケーターが映えます。
ドライブの取付けは、ケースをスライトさせてドライブを接続し、ケースを元に戻すだけ。工具不要で簡単です。高速転送を実現するUASPモードにも対応です。ポートはUSB-Cで、USB-C to USB-Aケーブルが付属しています。
第6位:Inateck FE2014
1,999円(税込)
ABSのボディと内部のスポンジで耐衝撃、UASPモード対応、自動スリープ機能搭載、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属
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ボディの素材はABS樹脂で、内部にはケースの固定 & 衝撃を吸収するスポンジが付いている製品。なので、持ち運びの際に誤って落下させても、内部のドライブが破損するリスクは少ないでしょう。ボディに通気孔があるように見えますが、実際にはなく、あくまでデザインです。
高速伝送を実現するUASPモードにも対応です。また、自動スリープ機能(5分間の未アクセス時)も搭載しています。ポートはUSB-Cで、USB-C to USB-Aケーブルが付属しています。
【USB 3.2 Gen1対応】2.5インチSSD/HDD用外付けケース おすすめランキング
続きまして、USB 3.2 Gen1(500MB/s)対応のおすすめをランキング形式で紹介していきたいと思います。
こちらは前述のように、SSD(550MB/sなど)ではボトルネックになってしまうので、主にHDD(速くても220MB/s程度)を入れて使用するのに適しています。
第1位:玄人志向 GW2.5-KRU3
ABS樹脂製、カバーはスライドするだけで開閉、ドライブ用クッションでガタつき軽減、UASPモード対応、microUSB-B(3.2) to USB-Aケーブルが付属
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ABS樹脂製で、カバーをスライドするだけのツールレスで開閉できる製品です。組み込んだドライブのガタつきを抑えるためのクッションも付属しています。
UASPモードにも対応し、高速転送が可能。ポートはmicroUSB-B(3.2)で、microUSB-B(3.2) to USB-Aケーブルが付属しています。
第2位:UGREEN MPA-6957303838486
スライドするだけで簡単に開閉、衝撃に強いABS樹脂、UASPモード対応、自動スリープ機能搭載、microUSB-B(3.2) to USB-Aケーブルが付属
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天板を指で押してスライドするだけで簡単に開閉できる構造で、内部のSATAコネクタにSSD/HDDをはめ込むだけですぐ使える製品です。ケースの素材には、丈夫なABS樹脂を使用していて、外部からの衝撃に強くなっています。また、本体内部に緩衝材として固めのスポンジが付いていて、衝撃を吸収してドライブを守ります。
高速転送を実現するUASPモードにも対応です。また、自動スリープ機能(15分間の未アクセス時)を搭載しています。ポートはmicroUSB-B(3.2)で、microUSB-B(3.2) to USB-Aケーブルケーブルが付属しています。
第3位:玄人志向 GW2.5OR-U3
カバーはスライドするだけで開閉、丈夫なABS樹脂でヘアライン加工、ドライブ厚を調整するクッションを2種類同梱、UASPモード対応、microUSB-B(3.2) to USB-Aケーブルが付属
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ケース表面はヘアライン加工が施されているので、アルミのようにも見えますが、そうではなくABS樹脂です。カバーはスライドするだけで開閉できる仕様で、ネジ止めすることなく、ドライブを簡単に脱着できます。また、内部でのガタつきを軽減するため、ドライブ厚を調整するクッションが2種類(7㎜、9㎜)同梱されているので、取り付けるドライブの厚みに合わせて選ぶことができます。
高速転送を実現するUASPモードにも対応です。ポートはmicroUSB-B(3.2)で、microUSB-B(3.2) to USB-Aケーブルが付属しています。
第4位:ineo 2580TypeA
アルミ製カバーとシリコンフレームで耐衝撃、ケーブル直付けでIP66の防塵防水仕様
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見た目で分かるとおり、堅牢性が特徴の外付けケース。カバーはアルミ製で、サイドを取り囲むようにレイアウトされたシリコンカバーが衝撃を吸収する構造となっていて、なんと150kgの荷重にも耐えられるとのことです(メーカー)。また、防塵・防水仕様となっていて、IP66(粉塵が内部に侵入しない。波浪、またはすべての方向から強いいきおいの水流を受けても有害な影響がない)に対応しています。これなら、かなり過酷な環境でも破損の心配をせずに使えそう。
ただし、こうした性能を実現するため、ドライブの取り付けには6本のネジを使用し、USBポートをなくすためにUSBケーブル(プラグはUSB-C)が直付けとなっていて交換は不可となっています。また、外形寸法も他の製品と比べると大きめですね。
おわりに
今回は、2.5インチSSD/HDDを組み込んでUSB接続の外付けとして使用できるケースを、USB 3.2 Gen1と同Gen2で分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
2.5インチ外付けケースがあると、PC間のデータ移行が容易になったり、外出時に持ち出してPC作業ができるようになったりなど、なかなか便利アイテムです。今回紹介した製品の中で気になるものがあったら是非入手して、PCライフをより快適なものにしてくださいね。