



PCを使っていて、写真やムービーなどのデータがどんどん増えてしまった場合は、手持ちのSSDやHDDをケースに入れて外付けUSB接続にし、そこに保存する方法がお手軽です。
そこで今回は、ドライブケースを購入する際に確認したいポイントを説明したうえで、ECサイトなどで入手できる製品の中から、機能やコスパで比較したおすすめを紹介したいと思います。
ドライブケースの選び方
それでは早速、2.5/3.5インチSSD/HDD用のドライブケースを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
組み込むドライブのサイズ(3.5インチ/2.5インチ)で選ぶ
3.5インチ HDD用
出典:www.amazon.co.jp
3.5インチHDD(ハードディスクドライブ)を組み込むなら、上の写真のような3.5インチ対応のドライブケースを選ぶことになります。3.5インチHDDには14TBや16TBなど超大容量のものがあるので、たくさんのムービーデータなどの保存用としたい場合に適しているでしょう。
ただし、2.5インチと比べると外形寸法が大きくなるので、予め設置場所を考えておいたほうが良さそうです。
2.5インチ SSD/HDD用
出典:www.amazon.co.jp
2.5インチ SSD/HDDを組み込むなら、上の写真のような2.5インチ対応のドライブケースになります。最大容量としては、2.5インチSSDは4TB程度、2.5インチHDDは5TB程度で、ここまでの容量になると、いずれもかなり高価。それに最大容量は、前述の3.5インチHDDの方が大きくなります。
また、2.5インチ対応の製品は、USBバスパワーで動作するので、ACアダプタは不要。
なので、2.5インチの「外形寸法が小さい」、「ACアダプタが不要」というメリットを活かして、手軽に使いたい場合などには、2.5インチ対応の製品が適しているでしょう。
USBのバージョンと形状を確認
USBのバージョンは基本的にUSB 3.0/3.1
出典:www.amazon.co.jp
現在市販されているドライブケースは、ほとんどがUSB 3.0(信号速度5Gbps、データ転送速度500MB/s、理論値、以下同)対応です(ちなみに、USB 3.0はコネクタが青色)。
そして、新しいバージョンのUSB 3.1 Gen1と同Gen2もあります。前者はUSB 3.0が名称変更したもので、速度も同じ(5Gbps、500MB/s)。後者は速度アップが図られていて、より高速(10Gbps、1,000MB/s)となっています。ですので、たとえばSATA3.0(6Gbps、600MB/s)接続のSSDの場合、USB 3.0(5Gbps、500MB/s)だとボトルネックになりますが、USB 3.1 Gen2(10Gbps、1,000MB/s)ならボトルネックにならない、ということですね。
さらにUSB 3.2 Gen1、同Gen2、同Gen2×2も登場しています。USB 3.2 Gen1と同Gen2はUSB 3.1が名称変更したもの。同Gen2×2は速度が2倍(20Gbps、2,000MB/s)になったものです。
名称変更などがあって非常にややこしいのですが、まとめると次のようになります。
USB2.0 | |||||
USB 3.0 | USB 3.1 Gen1 | USB 3.2 Gen1 | |||
USB 3.1 Gen2 | USB 3.2 Gen2 | ||||
USB 3.2 Gen2×2 |
なお、製品のスペックでは「USB 3.1 Gen1(USB 3.0)」や「USB 3.1 Gen2」というように、「USB 3.1」を基本にして記載しているものが多いようです(USB 3.2 Gen2×2対応の製品がまだ出回っていないこともあります)。なので、当記事の後半で紹介する製品のスペックのところでは、それに倣うことにします。
USB Type-Cポートを採用した製品も(小さくて、向きを気にせず接続できる)
出典:www.ratocsystems.com
左がType-A、右がType-C
製品の中には、ポートが新しい形状となったUSB Type-Cを採用しているものもあるので、この点も確認しましょう。
USB Type-Cのコネクタは、従来のType-Aよりもサイズが小さくなっています。また、USB Type-Cは上下左右が対照の形状であるため、向きを気にせずに接続できます(Type-Aでは「向きが逆で差し直し」ということがよくありましたが、Type-Cでは解消!)。
UASP対応の製品で、さらなる高速体験を
出典:www.amazon.co.jp
UASP(USB Attached SCSI Protocol)はUSBの拡張仕様のひとつで、ストレージ(SSDやHDDなど)とのデータ転送を効率化し、実効速度を高める技術です。利用するには、OSとUSB機器の両方が対応している必要があります。
OSについては、Windowsは8以降、Macは10.8以降でサポートされています。なので、最近のPCとMacなら、対応するUSB機器を用意すれば利用可能に。ですので、UASP対応の製品にして、高速転送を体験してみるのも良いでしょう。
省電力機能を確認
出典:www.amazon.co.jp
ドライブケースに入れたSSDやHDDを使用する度に電源スイッチをONにしたり、PCをシャットダウンした際にいちいち電源スイッチをOFFにしたりするのは手間ですよね。かと言って、ずっと電源を入れっぱなしにはしたくないし…。
そうしたニーズに対応するため、ドライブケースには省電力機能(PCとの電源連動、一定時間経過するとHDDの回転が停止するモードなど)が搭載されています。ただし、製品によって機能の詳細が異なるので、この点を確認しておきたいですね。
放熱性を考慮するなら、金属ボディのケースに
出典:www.amazon.co.jp
製品の中には、組み込んだSSDやHDDから発せられる熱を効率よく放出できるよう、ボディ面に金属素材を採用している製品もあります。
ですので、長時間連続での使用や、通気性の悪い場所での使用などを想定していて、SSDやHDDの発熱が気になる場合は、こうした製品を選ぶと良いでしょう。
3.5インチ対応ドライブケース おすすめランキング
それではここから、おすすめ製品を発表していきたいと思います。まずは、3.5インチに対応している製品を紹介し、その後に2.5インチ対応の製品の紹介と続きます。
第1位:ロジテック LGB-EKU3
2,540円(税込)
放熱性に優れたアルミボディを採用、UASPに対応
出典:www.amazon.co.jp
アルミボディを採用し、優れた放熱性を実現。高速伝送を実現するUSB 3.1 Gen1(3.0)のUASPモードにも対応しています。
そして、ロジテックのオリジナルツール、フォーマットソフトの「Logitecディスクフォーマッタ」、HDDの中身を完全に削除する「Logitecディスクイレイサ」、バックアッフソフトの「Logitecミラーリングツール」が付属しているので、いろいろ役に立ちそうです。
第2位:玄人志向 GW3.5AM-SU3G2P
3,090円(税込)
3.1 Gen2(3.2 Gen2)に対応で高速ストレージに対応、電源連動+アクセス連動の省電力モデル
出典:www.amazon.co.jp
特徴は、最新の3.1 Gen2(3.2 Gen2、10Gbps)に対応していること。このケースなら、SATA3.0(6Gbps)接続のストレージのボトルネックにならず、性能を余すことなく引き出してくれます。
省電力機能は、PCとの電源連動に加え、アクセス連動(一定時間アクセスしないとHDDの回転がストップして、消費電力を抑えることが可能)も備えています。ボディにはアルミを採用しているため、放熱性にも優れます。
また、付属するUSBケーブル2種類で、1つはType-A、もう1つはType-C。なので別途、USBケーブルを用意しなくても、幅広いPCに対応することが可能となっています。
ちなみに、システムバックアップ & SSD入れ替えソフトが付属したモデルもあります。
玄人志向 HDDケース 3.5型対応 USB3.2 Gen2 接続 最大16TBの大容量HDDに対応 / ソフト付き USB外付 HDDケース GW3.5AM-SU3G2P/S
2,982円(税込)
出典:www.amazon.co.jp
第3位:ORICO HM35C3
3,099円(税込)
簡単着脱でお手軽、アルミボディを採用、自動スリープ機能搭載
出典:www.amazon.co.jp
スライド式カバーを開けて、ドライブを挿入してカバーを閉じるだけという簡単機構が特徴。ドライブ固定のためのネジはありませんが、内部のスポンジマットによってしっかり固定され、また振動も防止できるようになっています。
ケースの素材はアルミで、効率的な放熱が可能です。また、ボディとロゴのデザインは、見た目的にもクールな印象で良いのではないでしょうか。
速度的には、USB 3.1 Gen1(3.0)のUASPモード対応なので、高速転送が期待できますね。10分間アクセスがないとHDDの回転を止める、自動スリープ機能も搭載しています。
第4位:RSHTECH N-339
2,699円(税込)
前面に放熱スリット、ボディにアルミを採用、自動スリープ機能搭載
出典:www.amazon.co.jp
ボディに放熱性に優れたアルミを採用し、さらに前面には放熱のためのスリットが設けられているので、ドライブの熱を効率よく排出してくれます。速度的には、USB 3.1 Gen1(3.0)のUASPモード対応なので、高速ですね。また、自動スリープ機能も搭載しています。
ただし、外側カバーにネジ2本、内部のドライブ固定にネジ2本、計4本のネジが使用されているため、ドライブを組み込む工程は多めになります。
第5位:Inateck FE3001
3,599円(税込)
背面に放熱スリット、ボディにアルミを採用、ブラッシュド加工、自動スリープ機能搭載
出典:www.amazon.co.jp
背面に放熱用のスリットがあり、ボディには放熱性に優れたアルミを採用した製品。表面はブラッシュド加工が施されていて、デザイン的にも優れていますね。速度性能としては、USB 3.1 Gen1(3.0)のUASPモードに対応し、高速なデータ転送が可能。また、自動スリープ機能も搭載しています。
ただし、ドライブの組み込みには少し工程が多く、内部のドライブ固定の際にネジ2本、外側カバーの固定にネジ2本を締め込む必要があります。
2.5インチ対応ドライブケース おすすめランキング
続きまして、2.5インチ対応の製品のおすすめを発表していきたいと思います。2.5インチ対応ドライブケースは、USB 3.1 Gen2(10Gbps、1,000MB/s)に対応したものが出ています。また、USB 3.1 Gen2に対応した製品は、USBポートがType-Cとなっています。
なので、SATA3.0(6Gbps、600MB/s)接続のSSDを組み込んで、PCのUSB 3.1 Gen2対応のUSB-CポートにUSB-C to USB-Cケーブルで接続すれば、USB 3.1 Gen2で統一することができ、ボトルネックなしでSSDの速度を活かすことができます。
というわけで以下のランキングでは、USB 3.1 Gen2に対応し、USB-Cポートを搭載した製品を紹介することにします。
第1位:UGREEN 2.5インチケース(30727)
1,699円(税込)
【USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属】UASPモード対応、スライド式の開閉で簡単脱着、衝撃に強いABS樹脂、自動スリープ機能搭載
出典:www.amazon.co.jp
USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)に対応したUSB-Cポートを搭載したケース。USB-C to USB-Aケーブルが付属しています。UASPモードにも対応です。
ケースの開閉部はネジのないスライド式を採用していて、工具不要で2.5インチHDD/SSDを簡単に脱着が可能。ケースの素材には衝撃・擦り傷に強いABS素材を採用し、内部には防振クッションがあるので、もしケースを落下させてしまった場合でも、内蔵したHDD/SSDが壊れてしまうリスクを軽減してくれます。また、自動スリープ機能を搭載しています。
ただし、ABS素材には放熱性能はあまり期待できません。なので、発熱が比較的大きいHDDではなく、やはりSSD用として使用するのが良いですね。なお、ボディには通気孔はありません(通気孔に見えるのはデザイン)。
ちなみに、性能的にはほぼ同じで、デザイン違いのモデルもあります。
UGREEN 2.5インチ HDD ケース hdd/ssd ハードデスクケース SATA 3.0 USB3.1 Gen 2 Type-C接続規格 [USB C-Aケーブル付き] UASP対応 6Gbps高速転送 6TB大容量対応 2.5型 9.5mm/7mm 外付けケース 工具不要 Mac OS/Windows//Linux PS4Pro/PS3/XBox/テレビ等に適用 ハードディスクケース【2.5インチ専用】
1,799円(税込)
出典:www.amazon.co.jp
第2位:ORICO 2.5インチ HDD ケース(25PW1-C3)
979円(税込)
【USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属】UASPモード対応、工具不要で組み込み可、自動スリープ機能搭載、独特のデザインだがコスパは良い
出典:www.amazon.co.jp
USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)に対応したUSB-Cポートを搭載したケース。USB-C to USB-Aケーブルが付属しています。UASPモードにも対応です。
ケースのカバーはスライドするだけで開けることができ、2.5インチHDD/SSDを差し込んでカバーを閉じれば、工具を使うことなく組込作業は終了です。ケースは高品質のABS素材でできているので、軽量かつ耐衝撃性能に優れています。ポータブルディスクとして使用するのに最適ですね。ただし、放熱性という面ではABSは有利ではないので、発熱が心配なHDDではなく、SSDを組み込むのが良いでしょう。また、10分間使用しないとスリープモードに入る機能にも対応しています。
そして、斜めに入ったラインと、丸いフォルムには独自の存在感がありますね。これは好みが分かれるかもしれません。ただし、コスパが良いので、ビジュアルにこだわらないならアリですね。
紹介しているのはブルーで、他のカラーバリエーションとしてピンク、ホワイトもあります(以下は、ピンクのモデルです)。
ORICO 2.5インチ HDD ケース USB C接続 USB 3.1 Gen 2 SATA III ハードディスクケース 9.5mm/7mm SATA HDD SSD 対応 工具不要 UASP対応 (ピンク(25PW1-C3-PK))
979円(税込)
出典:www.amazon.co.jp
ちなみに、USB-C to USB-Cケーブルが付属したモデルもあります。
ORICO 2.5インチ HDD ケース USB C接続 USB C-C ケーブル付き2.5インチSATA SSD HDD ケース 6Gbps 工具不要 UASP対応 MacBook Pro Air用 (ブルー(25PW1C-C3-BL))
999円(税込)
出典:www.amazon.co.jp
第3位:Inateck FE2014
1,999円(税込)
【USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属】UASPモード対応、ABSのボディと内部のスポンジで耐衝撃、自動スリープ機能搭載
出典:www.amazon.co.jp
USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)に対応したUSB-Cポートを搭載したケース。USB-C to USB-Aケーブルが付属しています。UASPモードにも対応です。
ボディの素材はABS樹脂で、内部にはケースの固定 & 衝撃を吸収するスポンジが付いているので、持ち運びの際に誤って落下させても、内部のストレージが破損するリスクは少ないでしょう。ただ、ABS樹脂は放熱性があまりないので、発熱の少ないSSD用とするがベターです(ボディに通気孔があるように見えますが、実際にはなく、あくまでデザインです)。また、自動スリープ機能を搭載しています。
第4位:SNANSHI 2.5インチ エンクロージャ(アルミ)
1,999円(税込)
【USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)、USB-Cポート、USB-C to USB-AケーブルとUSB-C to USB-C ケーブルが付属】UASPモー対応、放熱性に優れたアルミボディ、工具不要の簡単脱着、自動スリープ機能搭載
出典:www.amazon.co.jp
USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)に対応したUSB-Cポートを搭載したケース。UASPモードにも対応です。そして、USB-C to USB-AケーブルとUSB-C to USB-C ケーブルの2種類が付属しているのが嬉しいですね。
ケースの素材はアルミで、効率的な放熱が可能です。また、丸みを帯びたシルエットと控えめなロゴが、洗練された印象で良いのではないでしょうか。ドライブの取付けに工具は不要で、アルミの部分をスライトさせて内部に装着するだけと簡単です。3分間アクセスがないと自動でスリープする機能にも対応しています。
第5位:ORICO 2139C3-G2
1,990円(税込)
【USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)、USB-Cポート、USB-C to USB-Aケーブルが付属】UASPモードにも対応、スケルトンボディで中身が見える、ケースをスライドするだけで装着可能
出典:www.amazon.co.jp
USB 3.1 Gen2(3.2 Gen2)に対応したUSB-Cポートを搭載したケース。UASPモードにも対応です。そして、USB-C to USB-AケーブルとUSB-C to USB-C ケーブルの2種類が付属しています。
最大の特徴は、一目で分かるとおりのスケルトンボディ。ドライブを複数持っているユーザーの場合、中身が見えるので管理がしやすくなるのではないでしょうか。素材にはポリカーボネートを採用。スクラブ表面処理が施されているので、指紋が付きにくくなっています。また、内部にはスポンジパッドがついているので、内蔵したドライブを衝撃から守ってくれますね。
ドライブの取付けは、ケースをスライトさせてドライブを接続し、ケースを元に戻すだけ。工具不要で簡単です。
おわりに
今回は、SSD/HDDを組み込んでUSB接続の外付けとして使用できるケースを、ドライブのサイズで分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ドライブケースは、PCのデータ保存スペースを手軽に拡張できたり、交換して余ったSSD/HDDを活用できたりなど、とても便利なアイテムです。今回紹介したランクングを参考に、自分のニーズに合ったドライブケースを入手して、スペースと心に余裕を持ちながら大切なデータを保存していってくださいね。