



デスクトップPCに電力を供給する電源ユニット。よく使われるミドルタワーやミニタワーでは通常、ATX電源ユニットを搭載することになります。ただ、PCのパーツ構成に応じた適切な電源容量や、スペックに記載されているたくさんの数字の意味などは、なかなか分かりにくいのではないでしょうか。
そこで今回は、ATX電源ユニットの容量の目安やスペックなど購入時に考慮したいポイントを説明したうえで、ECサイトなどで販売されている中からおすすめ製品をピックアップして紹介したいと思います。参考にしてくださいね。
ATX電源ユニットの選び方
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電力は、発電所から家庭などに送られる際はAC(交流)が効率的ですが、そのままでは電化製品には使えないため、DC(直流)に変換する必要があります。デスクトップPCで、この変換をするパーツが電源ユニット。これにはサイズの規格がいくつかありますが、最も一般的なのが今回紹介するATX電源ユニットになります。
以下に、ATX電源ユニットを選ぶ際のチェックポイントを見ていきましょう。
80PLUS認証が高グレードの製品は、変換効率がより良い
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「80PLUS」とは、電力変換効率の性能を示した規格のこと。上記のように、電源ユニットはAC(交流)をDC(直流)に変換しますが、このとき電源ユニット自体も電力を消費し、発熱します。この電力消費と発熱が少ないほど、電力変換効率が優れた(つまり、熱による部品への負担が少なく、冷却ファンの回転が少なく静音で、省エネの)製品ということ。変換効率80%以上のものが認証を受けて、「80PLUS認証」と表記することができます。
80PLUSには、変換効率によって下表のような6つのグレードがあります。「STANDARD」でも変換効率は80%ありますが、PCに消費電力の大きいハイスペックなパーツをたくさん積んでいる場合は、より高いグレードを選んだ方が良いでしょう。
グレード | 負荷率20% | 負荷率50% | 負荷率100% |
---|---|---|---|
TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
BRONZE | 82% | 85% | 82% |
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
パーツ構成に適した容量(ワット数)の製品を選ぶ
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必要な電源ユニットの容量(ワット数)は、搭載するパーツ構成によって変わってきます。この目安は、以下を参考にして見積もってみてください。
パーツ | 電源容量目安 |
---|---|
CPU | TDP×1.5 (TDPは「Thermal Design Power」の略で、日本語では「熱設計時消費電力」。簡単に言うと「発熱の指標」) |
メモリ | 搭載数×5W |
マザーボード | 50W |
SSD | 搭載数×15W |
HDD | 搭載数×25W |
5.25インチ光学ドライブ | 搭載数×25W |
グラフィックボード |
搭載数×スペックまたはWebにある最大消費電力
※不明の場合はエントリークラス100W、ミドルレンジ200W、ハイエンド300Wが目安
|
たとえば、以下のようなパーツ構成の場合は、
PCの最大消費電力は542.5Wになります。
ただし、この場合に600WのATX電源ユニットを選ぶのは適切ではありません。これだと余裕がないですし、電源負荷率が高すぎると変換効率が良くないからです。80PLUS認証を受けたATX電源ユニットは、負荷率が50%のときが最も変換効率が良くなるので(前出の80PLUSの表参照)、PCの最大消費電力がATX電源ユニットのワット数の50%になるのが最も理想的。しかし、正確に50%にするのはなかなか難しいので、一般的には50~70%程度になれば良いとされています。
上記の例ではPCの最大消費電力が542.5Wで、変換効率は70%として、542.5W÷0.7=775Wとなるので、800Wの電源を選んでおけば大丈夫でしょう。
ちなみに、インテルのCPUのTDPはこちらから、nVIDIAのグラフィックボードの最大消費電力はこちらから調べられます。
スペックにある「+12V」の「W(ワット)」をチェック
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上表は、ATX電源ユニット本体などに記載されているスペック表。表内「DC出力」(直流出力)の行に+3.3V、+5V、+12V、-12V、+5Vsbという電圧(V=ボルト)が記載されていますが、これを「系統」といいます。また、それぞれの下に最大の電流(A=アンペア)が記載されています。ですので、たとえば「+12V系統なら、最大33Aを供給できる」という意味になります。
さらに下の「最大電力」の行に記載されているのは、系統ごとの最大の電力(仕事量、W=ワット)です。「電圧(V)×電流(A)=電力(W)」なので、たとえば+12V系統なら、12V×33A=396Wということ。+3.3Vと+5Vは、それぞれの最大は3.3V×17A=56.1Wと5V×17A=70Wで、2つの合計で最大90Wということです。
表の最下行「最大総合電力」に記載されているのは、出力できる総合計の電力(W)です。これが、いわゆる電源の「容量」になりますね。
そして系統によって、以下のように電力を供給するパーツが決まっています。
これを見て分かるとおり、CPUやグラフィックボードなど主要なパーツに給電するのは+12V系統なので、ここの電力(W)がATX電源ユニットを選ぶ際に重要になると言えます。
なお最近のATX電源ユニットは、+12V系統の電力(W)と総出力の電力(W)=容量がだいぶ近いので、細かなスペックがよく分からない場合は、総出力の電力(W)を考慮するだけでもほぼ大丈夫でしょう。
+12V 1 | +12V 2 |
35A | 35A |
648W |
製品の中には、上表のように+12V系統が複数に分かれている「マルチレーン」のものもあります(2つに分かれているのが「デュアルレーン」)。これは「レーンを分けることで電流の最大値を小さくし、過電流や過負荷を抑制して安定性を向上させる」という考え方に基づいた方式です。
一方で、マルチレーンは供給できる最大量が分割されるため、レーンごとで電力不足に陥りやすいというデメリットもあります。
+12V系統を分割しないものを「シングルレーン」といいます。こちらは「効率的な電力(W)の分配を可能にする」という考え方に基づいた方式。また、シングルレーンだから不安定ということでもありません(シングルレーンより、マルチレーンの安定性が特段に高いということでもないです)。最近のATX電源ユニットは、(最大消費電力が大きいCPUやグラフィックボードの利用を想定して)シングルレーンのものが多くなっています。
出力コネクタの種類と数、「モジュラー式」かを確認
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ATX電源ユニットの出力コネクタには、次のような種類があります。
このうち、主に使用することになるのはSATAと6+2/6ピンPCI Expressなので、これらの数を確認するのが大切と言えます。
また、不要なコネクタをケーブルごと本体から取り外すことのできる「モジュラー式ケーブル」を採用した製品もあります(下の写真参照。メーカーによっては「プラグイン」とも言います)。使わないケーブルの処理に煩わされたくないユーザーは、モジュラー式(プラグイン)ケーブルの製品にすると良いですね。
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105℃コンデンサ搭載の製品が長寿命
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「コンデンサ」とは、電気を蓄えたり放出したりする電子部品のこと。電源ユニットにはたくさんのコンデンサが使われていいて、これが電気を蓄えたり放出したりすることによって、AC(交流)からDC(直流)に変換する際に電圧を一定にすることができています。
電源ユニットに用いられてるコンデンサのひとつに、電解コンデンサがあります。これには、使用温度の上限によって85℃コンデンサと105℃コンデンサがあり、後者の方が高温環境に強くて長寿命。なので、105℃コンデンサ(特に日本メーカー製のもの)が採用されている電源ユニットを選んだ方が、長く使えて良いでしょう。
ちなみに一昔前ですが、海外製の粗悪なコンデンサを使用した電源ユニットが次々に壊れて、多くの自作PCユーザーが涙した、ということがありましたね。
製品のD(奥行き)が小さい製品は、メンテナンス性が良い
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ATX電源ユニットの寸法は、おおよそW150×H86×D140~180㎜。W(幅)とH(高さ)は規格で決まっているのでどれも同じですが、D(奥行き)は製品によって異なり、この寸法によって次のような違いが出てきます。
PCケース内のスペースが空くので、メンテナンス性は良いでしょう。
PCケース内のスペースの空きは少なくなりますが、その分、大きなサイズの冷却ファンを搭載していたり、内部部品のレイアウトに余裕があってエアフローが優れているなどの特徴があります。
こうしたそれぞれの特徴を踏まえて、製品のD(奥行き)を考えてみると良いかと思います。
搭載している冷却ファンのサイズと、「流体軸受け」かを確認
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ATX電源ユニットに基本的に搭載されている、冷却のためのファン。このサイズは120㎜のものが多いのですが、より大きなものを搭載している製品もあります。ファンはサイズが大きい方が冷却能力に優れ静音性も高くなるので、この点を確認しましょう。
また、製品によっては「流体軸受け」のファンを採用しているものもあります。流体軸受けは、モーターの回転軸を流体(油や空気など)によって受ける方式で、摩擦が少なく、回転がより滑らかになります。これによって、内部から発せられた熱を効率的に、そして静かに排出できるので、こちらも要チェックです。
ATX電源ユニット おすすめランキング
それではここから、ATX電源ユニットのおすすめ製品を、ランキング形式で紹介していきたいと思います。
なお、同シリーズの製品でも、モデル(容量の違い)によって出力コネクタの数などの仕様が異なるものもあります(容量の小さいものは、出力コネクタも少なめ)。なので以下では、特定のモデルをピックアップしたうえで、そのスペックを記載しています。
第1位:玄人志向 KRPW-BK650W/85+
550W 玄人志向 80Plus Bronze 550W ATX電源ユニット KRPW-BK550W/85+
7,788円(税込)
650W 玄人志向 80Plus Bronze 650W ATX電源ユニット KRPW-BK650W/85+
8,183円(税込)
【80PLUS BRONZE】モジュラー式のフラットケーブルを採用、60cmのATX12Vケーブルで裏配線がしやすい
出典:www.kuroutoshikou.com
この製品はケーブルにモジュラー式、かつフラットなタイプが採用されていて、曲げやすくて配線がやりやすく、PCケース内での収まりも良くなっています。また、ATX12Vケーブルが60cmあるので、裏配線がやりやすく、ケース内をスッキリさせることもできます。
そして、電解コンデンサは全て日本メーカー製の105℃コンデンサ。これにより、信頼性が高くなっています。
それでも、価格的にはけっこう抑えられているので、初心者にも手を出しやすいモデルと言えるでしょう。
第2位:玄人志向 KRPW-L5-500W/80+
400W 玄人志向 KRPW-L5-400W/80+
4,928円(税込)
500W 玄人志向 KRPW-L5-500W/80+
6,040円(税込)
600W 玄人志向 KRPW-L5-600W/80+
7,145円(税込)
【80PLUS STANDARD】エントリーモデルながら、105℃コンデンサを採用
出典:www.kuroutoshikou.com
80PLUSは「STANDARD」に留め、SATA用コネクタは×4と少なめにすることで、かなりの低価格を実現したエントリーモデル。SATA接続のSSDやHDD、5.25インチ光学ドライブを1基ずつなど、余計なパーツを搭載せず、費用を抑えたシンプルな自作PCを組み立てたいユーザーに適した製品と言えます。
ですが、105℃コンデンサを搭載しているので、寿命的には安心感を持って使用できるのではないでしょうか。
なお、とにかく低価格を求めるなら400Wがオススメ。こちらはSATA用コネクタが×3とさらに少ないので、本当にミニマムなパーツ構成の自作PCで使うことになりますね。
第3位:コルセア CX650M
450W Corsair CX450M
6,056円(税込)
550W Corsair CX550M
6,245円(税込)
650W Corsair CX650M
9,500円(税込)
【80PLUS BRONZE】セミモジュラー式のフラットケーブルを採用
出典:www.links.co.jp
24/20ピンATX、4ピンATX12V/8ピンEPS12V以外が着脱できるセミモジュラー式を採用しているので、使わないケーブルは取り外すことが可能。さらに、ケーブルはフラットなので、ケーブルをPCケース内で収めやすくなっています。
グラフィックボード用コネクタは、6+2ピンPCI Expressが×4も!(650Wモデル) SATA用コネクタは、70cmと60cmという長さの異なるケーブルが用意されているので、パーツレイアウトに合わせて、最適な長さを選択可能。これなら使い勝手が良いですね。
第4位:サーマルテイク Smart 600 PS636
350W Thermaltake Smart PS622 PS-SPD-0350NPCWJP-W
5,285円(税込)
500W Thermaltake Smart PS624 PS-SPD-0500NPCWJP-W
4,756円(税込)
600W Thermaltake Smart PS636 PS-SPD-0600NPCWJP-W
5,533円(税込)
【80PLUS STANDARD】小容量ラインナップのエントリーモデル
出典:www.amazon.co.jp
80PLUSは「STANDARD」に抑えられおり、その分、価格がお手頃なエントリーモデル。特に、350Wのモデルがあるのは興味深いですね。超省電力のCPUとSSDのみで構成した、用途限定のPCを組む場合などには、考慮しても良いかもです。
第5位:コルセア RM550x
550W Corsair RM550x
9,750円(税込)
650W Corsair RM650x
10,218円(税込)
750W Corsair RM750x
14,000円(税込)
850W Corsair RM850x
16,200円(税込)
1000W Corsair RM1000x
18,800円(税込)
【80PLUS GOLD】フルモジュラー式、ケーブルにもコンデンサを搭載
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80PLUS「GOLD」の認証を受けた、変換効率の高い製品。ケーブルはフルモジュラー式なので、不要なケーブルを外すことが可能ですし、組み立ての際に全ケーブルを外してしまえば作業しやすいですね。コンデンサは、全て日本メーカー製の105℃コンデンサを採用しています。
そして注目すべきは、24/20ピンATX、4ピンATX12V/8ピンEPS12V、6+2ピンPCI Expressケーブルにもコンデンサを搭載していること。これにより、リップルノイズ(入力側の周波数やスイッチングによる微量の電圧変動)まで抑制して、パーツにより良質な電圧を供給することができます。
冷却用のファンは、他の製品より大きめの135㎜。専用に設計されたベアリングを搭載し、ファンブレードは静圧を重視する形状となっていて気流の乱れを抑制して、低回転でも静音性に優れ、効果的なエアフローを生み出してくれます。低負荷時にはファンの回転を停止させる「Zero RPM Fan Mode」にも対応しています。
ただし、こうした高い性能の分、価格もお高め…。自作PCの経験があって、エントリーモデルではもの足りないユーザーにおすすめしたい製品です。
第6位:オウルテック Seasonic FOCUS GM550
12,900円(税込)
550W オウルテック FOCUS-GM-550
12,900円(税込)
650W オウルテック FOCUS-GM-650
14,780円(税込)
750W オウルテック FOCUS-GM-750
17,152円(税込)
850W オウルテック FOCUS-GM-850
22,740円(税込)
【80PLUS GOLD】セミモジュラー式、日本メーカー製105℃コンデンサ、流体軸受け120㎜ファンを採用
80PLUSは「GOLD」認証で、変換効率が高い製品。ケーブルはセミモジュラー式で、使わないものは取り外して、PCケース内をスッキリさせることができます。コンデンサは、一次側と二次側の両方に日本メーカー製の105℃コンデンサを採用し、製品寿命と安定性の向上を図っています。
そして、120㎜の流体軸受けファンは、温度と負荷によって回転数が自動的に変化するのはもちろん、ボタン1つでS2FC(ファンレスモードなし)とS3FC(ファンレスモードあり)を切り替えることができるので、環境や季節などに応じて任意に冷却性能を選べます。
価格的にはやや高めですが、冷却性能にこだわるユーザーなら、気になる製品ではないでしょうか。
第7位:玄人志向 KRPW-AK750W/88+
650W 玄人志向 KRPW-AK650W/88+
7,051円(税込)
750W 玄人志向 KRPW-AK750W/88+
8,311円(税込)
【80PLUS SILVER】日本メーカー製105℃アルミ電解コンデンサを採用、静音ファンのノイズレベルは19dB以下
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コンデンサは、1次側に日本メーカー製の105℃アルミ電解コンデンサを採用し、2次側にも同コンデンサと固体電解コンデンサを採用することで、信頼性と安定性の向上を図っています(「アルミ」を使用したコンデンサの方が性能が良い)。こうした部品と、静音仕様の120㎜ファンを搭載することで、750Wという容量でありながら、負荷50%以下場合のファンノイズを19dB以下にまで抑えています。
そしてSATAコネクタは、3種類の向きのものを搭載。これなら、PCケース内のどの場所に設置したSATA機器にも、コネクタが挿しやすいですね。
変換効率の規格80PLUSは「SILVER」。STANDARDやBRONZEではもの足りないが、そこまでコストをかけたくないユーザーに適した製品と言えるでしょう。
第8位:サーマルテイク TOUGHPOWER GX1 RGB 700W
10,132円(税込)
500W Thermaltake PS814
8,228円(税込)
600W Thermaltake PS815
9,422円(税込)
700W Thermaltake PS816
10,132円(税込)
【80PLUS GOLD】7色・3パターンのRGBファンを搭載
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80PLUS「GOLD」の認証を受けているので、変換効率は優秀なモデル。目を引く特徴は、120mm RGBファンを搭載し、7色の発光に対応していること(レッド、グリーン、ブルー、イエロー、パープル、ライトブルー、ホワイト)。発光は背面のボタンによって3パターンで切り替えることができるので、気分によって変えてみるのも面白いですね。また、ファンは、優れた静音性を実現するハイドロリックベアリングを採用しています。
採用されているコンデンサは、全てが日本メーカー製105℃コンデンサ。さらに、厳しい部品選定とテストによって、±3%以下の電圧制御と低リップルノイズ(入力側の周波数やスイッチングによる微量の電圧変動)を実現しています。性能だけでなく安定性も求めるユーザーに適した製品ではないでしょうか。
第9位:クーラーマスター V1200 Platinum
29,800円(税込)
【80PLUS PLATINUM】大容量1200Wで、サーバーワークステーションでも安定運用
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1200Wという、非常に大きな容量のATX電源ユニット。それに相応しく、変換効率のグレードはかなり高い80PLUS「PLATINUM」認証を取得しています。
また、ケーブルはフラットタイプ、かつ全て着脱可能なフルモジュラー式なので、スッキリと配線できます。コンデンサは全て日本メーカー製105℃コンデンサ、ファンは大きな135㎜流体軸受けを採用。付属ブラケットのスイッチで、セミファンレスモード(負荷70%以下で低速化、30%以下で停止)に切り替えることもできます。
そして、同社独自の「V Series DC-DC module設計」により、シグナルノイズを高いレベルで阻止し、電圧の変動を±1%に抑えて安定した電力供給を実現。これなら、ハイエンドのグラフィックボードによる3-4way SLI、CrossFireX構成でも安心感が持てますね。また、4ピンATX12V/8ピンEPS12Vコネクタも2つあるので、デュアル構成のCPUでも安定した運用が可能となっています。
ただし、奥行きは190㎜と大きいので、フルタワーPCケースくらいがちょうど良いかも。価格的には、かなりの高額となりますが、ここまでの性能を有しているので、個人用の高性能PCはもちろん、高い性能と安定性を求められるサーバーやワークステーションなどでの導入を検討してみてはいかかでしょうか。
第10位:コルセア PSU HX1000i
1000W Corsair PSU HX1000i
46,800円(税込)
1200W Corsair PSU HX1200i
63,400円(税込)
【80PLUS PLATINUM】管理ツール「Corsair Link」でモニタリングや制御が可能なハイエンド製品
出典:www.links.co.jp
80PLUSは高グレードの「PLATINUM」認証を取得したハイエンドの製品。その他にも、フルモジュラー式のケーブル、日本メーカー製105℃コンデンサ(1次側)、大きな140㎜流体軸受けファン、内部冷却にアルミ製ヒートシンクを採用し、負荷が40%以下のときにファンを停止させる「Zero RPM Fan Mode」にも対応しています。
そして注目なのが、システム統合管理ツール「Corsair Link」に対応していること。付属のUSBケーブルでマザーボードと接続すれば、入出力・変換効率・内部温度のモニタリングとファン回転数の調整ができます。さらに、Corsair Link Commander(PWMファンの回転調整ができるデバイス)と連動させることもでき、PCケースのファンも管理可能となります。
また、4ピンATX12V/8ピンEPS12Vコネクタは2つ搭載されているので、デュアルCPU構成でも電力の安定した供給ができます。
ただしこうした性能のために、奥行きは180㎜と大きめ。価格もかなり高いですが、たとえばデュアルCPUのマザーボードを使用したり、グラフィックボードをデュアル構成にしたハイエンドのPCなら、これくらい高性能なATX電源ユニットが相応しいのではないでしょうか。
おわりに
今回は、ATX電源ユニットのおすすめ製品を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
だいぶ昔になりますが、PCのミドル/フルタワーケースを購入すると、ATX電源ユニットが付属するのが当たり前の時代がありました。「電源ユニットなんて、どれも同じ」ということだったんでしょうね…。しかし、今ではたくさんの製品が発売されて、いろいろと選ぶことができます。上記のランキングを参考にして、自分のPCに最適なATX電源ユニットを、思う存分に選んでくださいね。