
これまで、エフェクターの電源としてACアダプターと9V角電池を使ってきましたが、モバイルバッテリーも使えますよね? ただ、心配なのがモバイルバッテリーのオートパワーオフ機能とノイズです。というわけで、エフェクター用のUSBケーブルを購入して試してみました。今回は、このことについて書いてみたいと思います。
なお、モバイルバッテリーの5Vをエフェクター用の9Vに変換するケーブルには、「昇圧ケーブル」と「PDトリガーケーブル」の2種類がありますが、今回試したのは前者の方です(後者については、また後日)。
目次
TyuuseiのUSB昇圧ケーブルを購入
今回購入したUSB昇圧ケーブルは、以下の製品です。
エフェクター用ということで、もちろんセンターマイナス、DCコネクタは5.5㎜×2.1㎜という仕様。これに、3股パワーサプライコードがセットになっていて、かなりコスパが良いと思って選びました。
検証内容・使用機材など
検証内容
前述のように、今回検証するのは、モバイルバッテリーのオートパワーオフ機能がどのように影響するのかと、ノイズがどの程度発生するかです。
使用するモバイルバッテリー
使用するモバイルバッテリーは、以下の製品です。
![]() 出典:www.ankerjapan.com Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W |
![]() 出典:www.amazon.co.jp Anker PowerCore 10000 |
このうち「UGREEN PB507」はけっこう最近(2026年7月に)、セール価格の1,979円で購入しました。コスパ最高です。
「Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W」と「Anker PowerCore 10000」は、5年くらい前に購入したものです。
いずれもオートパワーオフ機能があり、出力が小さくなったことを感知すると、自動的に電源がオフになります。
しかし、この仕様だと、Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスへの適切な充電ができません。エフェクターでも同様の問題が起こって、「演奏中に突然エフェクターの電源が切れる」という事態になってしまいます。
この問題を回避するための機能として、「UGREEN PB507」と「Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W」には低電流モード(小電流モード)が備わっています。このモードでは、モバイルバッテリーの出力が小さくても電源はオフにならず、電源を供給し続けることができます。なので、エフェクターに使う場合にも、この低電流モードにすればいいのではないか、と考えられます。
しかし、「Anker PowerCore 10000」には、低電流モードはありません。なのですが、とあるアイテムを使って、オートパワーオフを回避してみようと思います(詳しくは後述)。
使用するエフェクター
今回の検証で使用するエフェクターは、次の7台です。

・MXR DYNA COMP
・Providence VELVET COMP
・One Control GRANITH GREY BOOSTER
・Proco RAT2
・JHS Morning Glory V4
・MXR Carbon Copy Mini
・Keeley Vibe-O-Verb
それでは、検証をしていきます。
オートパワーオフの影響は?
UGREEN PB507
通常モード
DYNA COMP、VELVET COMP、GRNITH GREY BOOSTER、RAT2

これらを1台ずつ、USB昇圧ケーブル経由で接続したところ、いずれも30秒程でオートパワーオフが発動して、電源が切れました。
また、4台まとめてデイジーチェーン接続してみましたが、やはり30秒程でオートパワーオフが起動して、電源が切れました。
Morning Glory V4、Carbon Copy Mini、Vibe-O-Verb

これらを1台ずつ、USB昇圧ケーブル経由で接続したところ、オートパワーオフは発動せず、30分経過しても電源オンのままでした。
これらは、1台での消費電流がそれなりにあるため、オートパワーオフが発動しなかったようです。
ちなみに、上記のエフェクターのメーカーサイトなどに記載されていた消費電流は、次のようになっています。
・DYNA COMP……3.3mA
・VELVET COMP……4mA
・GRANITH GREY BOOSTER……1mA
・RAT2……3mA
・Morning Glory V4……43mA
・Carbon Copy Mini……26mA
・Vibe-O-Verb……74mA
※9Vでの消費電流です。
オートパワーオフが発動した4台の合計が11.3mA、発動しなかった3台のうち最も低いのが26mAです。
これを5Vで考えると20.34mAと46.8mAになります。なので、UGREEN PB507はおそらく30~40mA未満でオートパワーオフが発動する仕様かと思われます。
低電流モード
まず、電源ボタン6秒長押しで低電流モードへの切替えができます。

低電流モードになると、残量表示の1桁が回転するように発光します。
そして、低電流モードで、通常モードではオートパワーオフが発動した4台を接続したところ、30秒が経過してもオートパワーオフは発動しませんでした。その後、30分経過しても電源オンのままでした。
なので予想どおり、エフェクターに使う場合は低電流モードにすれば問題ない、ということになります。
Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W
通常モード
DYNA COMP、VELVET COMP、GRNITH GREY BOOSTER、RAT2

これらを1台ずつ、USB昇圧ケーブル経由で接続したところ、いずれも2分程でオートパワーオフが発動して、電源が切れました。
また、4台まとめてデイジーチェーン接続してみましたが、やはり2分程でオートパワーオフが起動して、電源が切れました。
UGREEN PB507の場合と、オートパワーオフが発動するまでの時間が違うだけで、それ以外の挙動は同じということになります。
Morning Glory V4、Carbon Copy Mini、Vibe-O-Verb

UGREEN PB507の場合と同じで、これらを1台ずつ、USB昇圧ケーブル経由で接続したところ、オートパワーオフは発動せず、30分経過しても電源オンのままでした。
低電流モード

電源ボタンを2回押しで低電流モードになります。このとき、左端のLEDが緑色になります。
そして、低電流モードで、通常モードではオートパワーオフが発動した4台を接続したところ、2分が経過してもオートパワーオフは発動しませんでした。その後、30分経過しても電源オンのままでした。これも、UGREEN PB507の場合と同じです。
Anker PowerCore 10000
通常の使用
DYNA COMP、VELVET COMP、GRNITH GREY BOOSTER、RAT2

Anker PowerCore 10000 PD Redux 25Wの場合と同じで、1台ずつでも、4台のデイジーチェーンの場合でも、2分程でオートパワーオフが発動して電源が切れました。
Morning Glory V4、Carbon Copy Mini、Vibe-O-Verb

やはりAnker PowerCore 10000 PD Redux 25Wの場合と同じで、これらを1台ずつ接続したところ、オートパワーオフは発動せず、30分経過しても電源オンのままでした。
オートパワーオフをキャンセルするアイテム
前述のように、Anker PowerCore 10000には低電流モードはないので、とあるアイテムを使いたいと思います。それは、

オートパワーオフキャンセラーです。数年前にフリマサイトで1,800円で購入しました。今はもう少し高くなってるみたいです。これをモバイルバッテリーに接続すると、設定した秒数(5秒、15秒、25秒、60秒)周期で100mAの電流を消費して、オートパワーを回避することができます。
そして、オートパワーオフキャンセラー経由で、通常使用時にオートパワーオフが発動した4台を接続したところ、2分が経過してもオートパワーオフは発動せず、その後30分経過しても電源オンのままでした。
なので、低電流モードのないモバイルバッテリーでも、オートパワーオフキャンセラーがあれば、エフェクターに問題なく使える、ということになります。
ノイズはどの程度か?
まず、比較対象は、

先日の記事で作成した9V角電池ボックスで駆動させた場合です。この場合、エフェクト自体による「サー」というノイズはありましたが、ACアダプター(SOUND HOUSE PTD41090-0500-10)駆動のときにあった「ブーン」というノイズは消えています。

使用するエフェクターはVELVET COMP、GRNITH GREY BOOSTER、RAT2、Vibe-O-Verbの4台で(デジアナ混在)、モバイルバッテリーはUGREEN PB507です。
そして、ノイズはというと、9V角電池ボックスの場合と比較して「同じか? あるいは、わずかに増えたかもしれない…」という感じで、ほとんど気にならない程度でした。
ちなみに、

USB充電器(iPadに付属していた10Wのもの)を使ってコンセントから電源を取ってみたのですが、こちらの場合も大きな変化はなく、ノイズはほとんど気になりませんでした。
まとめ
以上のことから、今回購入したTyuuseiのUSB昇圧ケーブルと、低電流モードのあるモバイルバッテリーを組み合わせれば、簡単かつ問題なくエフェクターをモバイルバッテリーで駆動させることができるということが分かりました。
そして次は、冒頭でも触れた「PDトリガーケーブル」を試してみたいと考えています(既に入手済みなのは内緒です)。







