Windows 11 24H2はCore2 Quad搭載PCでは起動できないのかを試す

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Intel Core2 Quad Q9650
 Windows 11のバージョン24H2では、Intel Core2世代のCPUは対象外になりましたね。しかし、筆者の手元には以前のパーツ交換で余ったCore2 Quad Q9650があり、この活用を諦めきれず、「Core2 Quadに、どうにかして24H2をインストールして起動できないものか?」と思いつく限りの方法を試してみました。今回はその検証の過程について書いてみたいと思います。

 ちなみに、以前の記事はこちら↓です。

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使用パーツを紹介

 今回の検証で使用するパーツはこちらです。

取り外したCPUとマザーボードなど

CPU……Intel Core2 Quad Q9650
マザーボード……GIGABYTE GA-EP45-UD3LR
メモリ……DDR2-800 8GB(2GBx4)
CPUクーラー……Scythe 兜(カブト)2


2.5インチ SSDと3.5インチHDD

2.5インチ SSD……ADATA SP900 64GB
2.5インチ SSD……ADATA SP900 128GB
3.5インチ HDD……Hitachi HDP725050GLA360(500GB)


 写真には写っていませんが、

グラボ……Palit Microsystems GeForce GTX1070 8GB DUAL
電源ユニット……鎌力プラチナ600W(80Plus PLATINUM)


SDカードとUSBカードリーダー
 USBメモリ代わりのSDカード8GB、16GB、64GBとUSBカードリーダー。

 ですが、以降は便宜上「USBメモリ」と表記します。

rufusでインストール用USBメモリを作成

Windows 11バージョン24H2のISOファイルをダウンロード

 まずは、Windows 11バージョン24H2のISOファイルをダウンロードします。

Windows 11 のインストール メディアを作成する
 今回は、公式サイトからダウンロードしました。Windows 11 のダウンロードページにアクセスし、「Windows 11 のインストール メディアを作成する」のところにある「今すぐダウンロード」をクリックするとダウンロードできます。

rufusでインストール用USBメモリを作成

rufus-4.7.exeをダウンロード
 今回は、作業時点で最新のRufus バージョン4.7を使用しました。rufusのページにアクセスし、少しスクロールして「ダウンロード」の「最新リリース」にある「rufus-4.7.exe」をクリックするとダウンロードできます。

rufus「パーティション構成」を「MBR」に
 あらかじめ、USBメモリをUSBポートに挿しておきます。

 そして、rufusを起動して「選択」をクリックし、先程ダウンロードしたWindows 11 24H2のISOファイルを選びます。

 使用するマザーボード(GIGABYTE GA-EP45-UD3LR)がMBRのみ対応(GPTには非対応)なので、「パーティション構成」のところを「MBR」にします(すると「ターゲットシステム」のところは自動的に「BIOS(またはUEFI-CSM)になります)。

補足
rufus「パーティション構成」「GPT」
 インストールするメディアがGPTの場合は、「パーティション構成」を「GPT」にします。この場合、「ターゲットシステム」は自動的に「UEFI(CSM無効)」になります。

 そして、「スタート」をクリック。

rufus「Windwosユーザーエクスペリエンス」
 「Windwosユーザーエクスペリエンス」のウィンドウが表示されて、上の2つの項目にデフォルトでチェックが入っています。重要なのは一番上の項目で、これによってインストール時の最小システム要件(最小メモリ、TPM、セキュアブート)を回避できるようになります。

 そして、そのまま「OK」をクリックして、しばらくするとインストール用USBメモリの作成が完了します。

※rufusの使い方については、こちらでさらに詳しく解説しています。

24H2を新規インストール

 Windows 11バージョン24H2が新規インストールできるか試してみます。

新規インストール
 マザーボードに64GB SSDを接続しました。

 そして、rufusで作成したインストールUSBメモリをUSBポートに挿し、BIOSで設定を変更して、USBメモリから起動するようにしました。

 しかし…


 Windowsロゴは表示されるものの、そこから進むことはなく、強制的に再起動となってしまいました。以降もずっと、この繰り返しでした。

23H2からアップグレード

 一旦、Windows 11バージョン23H2をインストールして、そこから24H2にアップグレードできるかを試してみます。

23H2のISOファイルをダウンロード・インストールUSBメモリ作成

「Windows 11」の「23H2」
 UUP dumpのページにアクセスし、「Windows 11」の「23H2」をクリックしてダウンロードしました。

※UUP dumpでのダウンロードの仕方については、こちらでさらに詳しく解説しています。

 そして、rufusを使用して、先ほどと同様の手順で23H2のインストールUSBメモリを作成します。

23H2をインストール

23H2をインストール
Core2Quad 23H2
 マザーボードに接続した64GB SSDに23H2をインストールしました。

24H2の「setup」を起動

setup
 24H2のインストールUSBメモリをUSBポートに挿して、そこにある「setup」をダブルクリックしてインストーラーを起動させました。

 しかし…

要件を満たしていない
 途中で「このPCは現在Windows 11のシステム要件を満たしていません」、「このPCのプロセッサは、重要な機能(PopCnt)をサポートしていません」、「このPCのプロセッサは、重要な機能(SSE4.2)をサポートしていません」と表示されてしまい、それ以上進むことはできませんでした。

他のPCで24H2をインストールしたSSDを移植

 他のPCでSSDに24H2をインストールし、そのSSDをCore2 Quad Q9650搭載のマザーボードに移植して24H2が起動できるか試してみます。

Core i7-6700搭載のPCで24H2をインストール

Core i7-6700搭載のPCに128GB SSDを接続
Core i7-6700搭載のPCに24H2をインストール
 Core i7-6700搭載のPCに128GB SSDを接続し、そこに24H2をインストールしました。

128GB SSDをCore2 Quad Q9650搭載のマザーボードに移植

128GB SSDを移植
 24H2をインストールした128GB SSDを、Core2 Quad Q9650搭載のマザーボードに移植しました。

 その結果は…


 やはりWindowsロゴが表示されて、すぐに強制的に再起動となりました。再起動後には「自動修復を準備しています」と表示されましたが、同じく強制的に再起動されて、以降もこの繰り返しでした。

EaseUS Todo Backupで復元

EaseUS Todo Backup
 こちらは、「まあ、ダメだろうな~」と思いながら一応やってみた、という感じです。

 手順は次のとおり。

別PC(Core i7-6700搭載)に接続した128GB SSD に24H2をインストール。
 ↓
そこにEaseUS Todo Backup Free 13.0をインストールして、500GB HDDにシステムをバックアップ。
 ↓
128GB SSDをフォーマット。
 ↓
128GB SSDと500GB HDDを、Core2 Quad Q9650搭載のマザーボードに接続。
 ↓
そこにUSB DVDドライブを接続し、EaseUS Todo BackupのブータブルCDから起動。
 ↓
500GB HDDに取ったシステムバックを、128GB SSDに復元。
 ↓
24H2が復元された128GB SSDから起動。

 果たして…


 結果はほぼ同じで、Windowsロゴが表示されて、すぐに強制的に再起動となりました。再起動後には「回復 PCは正しく起動できませんでした」と表示されて、そのまま何もできない状態となりました。

AOMEI Backupper Proでユニバーサル復元

AOMEI Pro インストール
 AOMEI Backupper Proには「ユニバーサル復元」機能があります。これは、パーティション形式のGPTとMBRを跨いだ復元が可能となるものです。この機能を試してみました。

※AOMEI Backupper Proの使い方については、こちらでさらに詳しく解説しています。

 ただ、こちらについても「ダメだろうな~」と思いながら一応やってみました。

 手順は次のとおり。

別PC(Core i7-6700搭載)に接続したGPT形式の128GB SSD に24H2をインストール。
 ↓
そこにAOMEI Backupper Proをインストールして、500GB HDDにシステムをバックアップ。
 ↓
128GB SSDをMBR形式でフォーマット。
 ↓
128GB SSDと500GB HDDを、Core2 Quad Q9650搭載のマザーボードに接続。
 ↓
そこに23H2がインストールされた64GB SSDを接続して起動し、AOMEI Backupper Proをインストール。
※AOMEI Backupper ProのブータブルメディアはUEFIで、Core2 Quad Q9650搭載のマザーボード(GIGABYTE GA-EP45-UD3LR)は対応していないため。
 ↓
500GB HDDに取ったシステムバックを、128GB SSDにユニバーサル復元
 ↓
24H2が復元された128GB SSDから起動。

 その結果は…


 やはり、Windowsロゴが表示されて、すぐに強制的に再起動となりました。再起動後には「Windows Boot Manager」が表示され、「Status: 0xc000000e」、「Info: A required device isn’t connected can’t be accessde」というメッセージが出て、そのまま何もできない状態となりました。

まとめ

 いろいろと試してみましたが、やはりWindows 11のバージョン24H2は、Core2 Quad Q9650搭載のPCでは起動できませんでした。すごく時間をかけたのに、残念です…。

 今回の検証が皆さんの参考になって、時間の無駄を少しでも省くことにつながれば幸いです。

 なお、Core2 Quad Q9650とマザーボード(GIGABYTE GA-EP45-UD3LR)、そこに搭載したメモリについては、別の活用方法(linuxをインストールするとか?)を考えたいと思います。

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