PCのキーボードは、基本的にはキーが大きい方がタイプしやすく、機能ごとに独立したキーがあった方が使いやすいと言えます(もちろん状況等によります)。そこで試してみたいのがフルサイズキーボードです。
というわけで今回は、フルサイズキーボードの選び方について解説したうえで、市販されている製品の中から選抜したおすすめを紹介したいと思います。
フルサイズキーボードの選び方
それでは早速、フルサイズキーボードの選び方を見ていきましょう。
製品の“幅”と設置スペースを考慮する
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フルサイズキーボードは、A~Zなどの文字キーの右側にPgUp PgDn などのキーとカーソルキーがあって、さらにその右にテンキーが付いています。このようにキーが多くあり、それぞれに役割が割り振られているので、操作性や数字などの入力性能に優れています。
ただし、キーが多いということはその分外形寸法が大きくなって、設置のためのスペースが必要になるということ(上の画像の製品はW441.5×D149×H22㎜です)。特に幅については、設置する際の影響が大きいので、この点を確認して製品を選びましょう。
接続方式は無線2.4GHz、Bluetooth、有線から選ぶ
フルサイズキーボードの接続方式には、無線2.4GHz、Bluetooth、有線(USBケーブル)の3つがあり、それぞれの特徴は次のようなものです。
無線2.4GHz:PCのBIOS画面でも使える、設定不要で簡単
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無線2.4GHzには、次のようなメリット・デメリットがあります。
Bluetooth:スマホやタブレットでも使用可、切り替えて使用できる、USBポートが不要
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Bluetoothには、次のようなメリット・デメリットがあります。
有線(USBケーブル):別途電源が不要、PCのBIOS画面でも使える、設定不要で簡単、コストが低い
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有線(USBケーブル)には、次のようなメリット・デメリットがあります。
キースイッチはメンブレンがほとんど
キーボードのスイッチの種類には、メカニカル、メンブレン、パンタグラフの3つがあります。
メンブレンを採用した製品が多い
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フルサイズキーボードに採用されているスイッチは、ほとんどがメンブレンです。「メンブレン」は「膜」という意味で、接点シートをスイッチにして、その上のラバードームで覆うような構造となっています。
特徴としては、深いキーストローク、強い反発力、低コストといったことが挙げられます。
ただし、キーの中心からズレるとタイプしにくいです。
パンタグラフを採用した製品も
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ただし、フルサイズキーボードの中には、パンタグラフを採用したものもあります。パンタグラフには薄い設計にできるという特徴があり、これを活かしたフルサイズキーボードもある、ということです。また、浅くて軽いキーストローク、中心からずれてもタイプしやすいという特徴もあります。
ただし、キーストロークが浅すぎると、キーが過敏に反応してミスタッチしがちになります。また、メンブレンよりは高コストになります。
なお、パンタグラフのものは、ほとんどがアイソレーションになっています(下の画像)。これは、キーとキーの間隔が空いていて、それぞれ独立している形態です(Isolation:分離、独立)。これによって、隣のキーへのミスタッチの軽減が期待できます。
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メカニカルは、バネと機械で構成される電気スイッチを用いたものです。特徴としては、確実な感触と音(静音仕様もあり)、高い耐久性といったことがあげられます。
ただし、その構造上それなりの高さが出てしまい、コストも高くなりがちです。
キーピッチは19㎜が標準
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「キーピッチ」は隣り合うキーの中心から中心までの距離のことで、19㎜が標準とされています。この距離が短いと、タイプの際に隣のキーに触れてしまい、意図しない入力がされるというミスが起こりやすくなります。
フルサイズキーボードは前述のようにそれなりの大きさがあるため、ほとんどの製品で「キーピッチ19㎜」を保てていますが、やはりこの数値は確認しておくのが良いでしょう。
キーストロークは3㎜が標準で、浅いものが疲れにくい
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「キーストローク」はキーを押したときの深さで、メンブレンでは3㎜が標準的です。これより深いと、タイプするのに力が必要になるので疲れやすくなります。なので、3㎜より深いものはほとんどありません。
逆に、キーストロークを浅くして(2.5㎜など)、疲れにくくしているメンブレンもあります。なので、タイプしたときに疲労感がある場合には、キーストロークの浅い製品にするのが良いと言えます。また、既に使っているキーボードがある場合は、(分かる場合は)そのキーストロークの数字も参考にしましょう。
ワイヤレスでは電源の持続時間をチェック
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前述のように、有線のものはUSBケーブルから電源を取るため別途電源は不要ですが、無線2.4GHzとBluetoothでは電源として電池または内蔵バッテリーが必要です。
電池を使用するものは、ランニングコストを考えると、電池寿命の長いものの方が有り難いですよね。内蔵バッテリーを使用するものも、やはり連続使用時間が長い方が使いやすいでしょう。また、内蔵バッテリーの充電時間については、短い方が使いやすいですね。
なので、無線2.4GHzとBluetoothの製品については、この電源の持ちと、内蔵バッテリーへの充電時間を確認しましょう。
【ワイヤレス】フルサイズキーボード おすすめ
ここからは、フルサイズキーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。まずは、ワイヤレス(無線2.4GHz、Bluetooth)の製品を紹介し、その後に有線(USBケーブル)接続の製品と続きます。
バッファロー BSKBW125BK
【無線2.4GHz、幅443㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク3.0㎜】疲れにくいカーブデザイン、単3形乾電池 1本で約3年
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幅443㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク3.0㎜の製品です。電源は単3乾電池1本で、約3年の使用が可能という長寿命です。
手前の スペース のあるキーの並びが、手の角度に合わせた少し手前に膨らんでいるカーブデザインなので、タイプしていても疲れにくくなっています。
Bluetoothのモデルもあります。最大3台のマルチペアリングに対応しています。
バッファロー Bluetooth5.0 対応 フルキーボード Windows/Mac/iPadOS/iOS/Android/PS4 テレワーク リモート 在宅 ブラック BSKBB105BK
1,780円(税込)
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エレコム TK-FDM110TXBK
【無線2.4GHz、幅441.5㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.5㎜】従来比で約18%軽い打ち心地、単4形乾電池 1本で約2年の使用が可能、見やすいオリジナルフォント
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幅441.5㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.5㎜の製品です。薄型キーを採用し、キーストロークは浅めの2.5mmで、キーを押したときの重さも従来比較で約18%軽くなっています。そのため、サクサクと素早いキー入力が可能です。
電源は単4形乾電池で、(他の多くの製品は2本必要なところが)この製品は1本のみで、約2年使用できます。これなら、ランニングコストをかなり抑えられそうです。キートップの文字は見やすいオリジナルフォントです。
Bluetoothのモデルもあります。最大3台のマルチペアリングに対応しています。
エレコム Bluetooth フルキーボード TK-FBM120KBK/EC 薄型 メンブレン式 抗菌 最大3台マルチペアリング対応 iPad/Surface/テンキー付 ブラック
2,150円(税込)
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ロジクール K295GP
【無線2.4GHz、幅441㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク3.2㎜】SilentTouchの静音仕様、耐水設計
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幅441㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク3.2㎜の製品です。「SilentTouch」を採用し、従来モデルと比較して操作音を90%削減した、静音モデルとなっています。電源は単4乾電池2本で、最大24か月の使用が可能。また、耐水設計なので、デスクで水をこぼしたとしても安心です。
ただ、キーストロークは3.2㎜とやや深めなので、この点は好みが分かれるかもしれません。
エレコム TK-FFBM03SKBK
【Bluetooth、幅442.8㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】シリコンラバーによる静音仕様、安心・安全の抗菌仕様、見やすいオリジナルフォント、排水構造を搭載
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幅442.8㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜の製品です。メンブレンにしては、キーストロークが浅めで、軽い力でタイプできそうです。接続はBluetoothで、3台までのマルチペアリングが可能です。電源は単4乾電池2本で、1.5年の使用が可能です(1日8時間を想定)。
そして、各キートップにシリコンラバーが装着された静音仕様になっており、これによって打鍵音が大幅に軽減されているとのこと。キートップの文字は見やすいオリジナルフォントです。また、安心・安全の抗菌仕様で、水をこぼしても大丈夫な排水構造も搭載しています。
Arteck HW305-3
【無線2.4GHz、幅425㎜】パンタグラフで薄い設計、バッテリー充電式、中央がくぼんだキーを採用
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幅425㎜という、フルサイズにしてはコンパクトな製品です。電源は内蔵バッテリーで、1回の充電で6か月の使用が可能です(1日2時間の連続使用の場合)。充電ポートはUSB-Cです。そして、パンタグラフを採用しているため、全体的に薄い設計となっています。また、キーは中央がくぼんだ形なので、中央をタイプしやすいですね。
ただし、このコンパクトさを実現するためか、enter 近くのキーは小さめとなっています。また、レビューには「キーピッチがせまめ」とあります。
ロジクール KX800sGR
【Bluetooth、幅430.2㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク1.8㎜】パンタグラフの「パーフェクト・ストロークキー」を採用、自動点灯するバックライトキー、無線2.4GHzでの接続も可能
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幅430.2㎜、重量810gの製品です。Bluetooth接続、3までのマルチペアリングが可能で、デバイス切り替えはF1~F3の位置にあるEasy-Switchボタンを押すだけと簡単。電源は内蔵バッテリーで(充電ポートはUSB-C)、最長10日間の使用が可能です(バックライトがオフの状態では70日)。
キースイッチはパンタグラフのためキーストロークは1.8㎜と浅めで、全体的に薄い設計です。また、キートップには指先に合わせた凹みがあって、キーのどこでもタイプが精確になるという「パーフェクト・ストロークキー」を採用しています。搭載されたバックライトキーは、自動的に点灯と明度調節をしてくれます(アプリで設定も可能)。Logi Boltレシーバー(別売り)を使用することで、無線2.4GHzでの接続も可能です。
ただし、こうした高度な性能のため、価格は高くなっていますね。
【有線】フルサイズキーボード おすすめ
続きまして、有線(USBケーブル)接続のフルサイズキーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
エレコム TK-FFCM01BK
【有線(USBケーブル)、幅435㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.8㎜】コンパクトな横幅、見やすいオリジナルフォント、薄くならないレーザー刻印、コスパが優秀
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幅435㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.8㎜の製品です。この幅は、メンブレンのフルサイズではコンパクトな方ですね。そして、キーストロークはやや浅めとなっています。
キートップの文字は見やすいオリジナルフォント。これはレーザー刻印なので、使い込んでも薄くならず、いつまでも見やすいままを保ってくれます。そして、コスパがかなり優秀ですね。
バッファロー BSKBU105BK
【有線(USBケーブル)、幅443㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク3.0㎜】疲れにくいカーブデザイン、コスパが優秀
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前出の「バッファロー BSKBW125BK」が有線(USBケーブル)接続となり、キートップの文字が消えにくいレーザー刻印となったモデルです。そして、コスパが優秀ですね。以下、再掲。
幅443㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク3.0㎜の製品です。手前の スペース のあるキーの並びが、手の角度に合わせた少し手前に膨らんでいるカーブデザインなので、タイプしていても疲れにくくなっています。
ロジクール K120
【有線(USBケーブル)、幅450㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.8㎜】手首への負担が少ない薄型設計、耐水設計で飲み物をこぼしても安心
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幅450㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.8㎜の製品。幅がけっこうあるので、設置スペースに配慮が必要かも。キーストロークはやや浅めで、軽い力でタイプできそうです。また、手首への負担が少ない薄型設計となっています。
そして、耐水設計となっているので、デスクで飲み物をこぼしたとしてもすぐに壊れる心配はありません。
エレコム TK-FCM114SKBK
【有線(USBケーブル)、幅442.8㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】シリコンラバーによる静音仕様、安心・安全の抗菌仕様、見やすいオリジナルフォント、排水構造を搭載
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前出の「エレコム TK-FFBM03SKBK」が有線(USBケーブル)になったモデルです。以下、再掲。
幅442.8㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜の製品です。メンブレンにしては、キーストロークが浅めで、軽い力でタイプできそうです。
そして、各キートップにシリコンラバーが装着された静音仕様になっており、これによって打鍵音が大幅に軽減されているとのこと。キートップの文字は見やすいオリジナルフォントです。また、安心・安全の抗菌仕様で、水をこぼしても大丈夫な排水構造も搭載しています。
エレコム TK-FCM094HBK
【有線(USBケーブル)、幅446.2㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク4.0㎜】メカニカルと同じキートップ設計、見やすいオリジナルフォント、2ポートUSB 2.0ハブを搭載
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幅446.2㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク4.0㎜の製品です。キーストロークが深めですが、これはメカニカルキーボードと同じキートップ設計を採用し、快適な打鍵感を実現したからとのことです。また、各段を階段状にした「ステップスカルプチャー構造」、キーの上部が窪んだ「シリンドリカル構造」により、効率的にミスの少ない打鍵が可能になっています。フォントは、見やすいオリジナルのものが使われています。
そして、上部に2ポートのUSB 2.0ハブが搭載されているので、マウスやUSBメモリなどのUSB機器が使いやすいですね。
エレコム TK-WS01UMKBK
【有線(USBケーブル)、幅436.6㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】IPX5対応の防水設計、排水機構を搭載、キートップを浮かせた“アイランドタイプ”、抗菌仕様、レーザー刻印
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幅436.6㎜、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜の製品です。キーストロークは浅めなので、軽い力でタイプできます。
そして、特徴的なのが、IPX5(すべての方向からいきおいのある水流を直接当てても有害な影響がない)対応の防水仕様であること。なので、水洗いができてしまいます。また、裏面には水抜き穴があるので、水をこぼしてもすぐに排水できます。キートップは、少し浮いたような形状の“アイランドタイプ”となっていて、水が溜まりにくく、エアダスターで埃を吹き飛ばすのも簡単です。
さらに、安全・安心の抗菌仕様で、キートップの文字は消えにくいレーザー刻印となっています。
Perixx PERIBOARD-331PERIBOARD-718B
【有線(USBケーブル)、幅428㎜】パンタグラフ採用で薄い設計、バックライトを搭載、タイプしやすい凹んだキー、レーザー刻印で消えにくく見やすい“ビッグプリント”
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幅428㎜と比較的コンパクトなフルサイズキーボードです。パンタグラフを採用し、全体的に薄いつくりになっています。
大きな特徴は、キーの下にバックライトが搭載されていること。これは、4段階で明るさを調整できます。キートップは少し凹んでいて、中心をタイプしやすい形状。文字は見やすい“ビッグプリント”で、使い込んでも消えにくいレーザー刻印です。
ただし、enter 近くのキーは小さめになっています。
おわりに
今回は、フルサイズキーボードのおすすめを、ワイヤレス(無線2.4GHz、Bluetooth)と有線(USBケーブル)で分けて紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
フルサイズキーボードにはたくさんのキーがあるので、使いこなせばより効率的にPC作業を進めることができます。上記を参考にして是非フルサイズキーボードを入手し、作業時間をどんどん短縮しましょう。