以前の記事で書いたように、MacBook Pro(Retina, 13-inch, Late 2012)の純正SSD(128GB) を500GBのM.2 SSD(WD Red SA500)に換装し、OpenCore Legacy Patcherを使って本来ならインストールできない新しいバージョンのmacOS Sequoia(バージョン15.3.2)をインストールしました。
その際、バッテリーがかなり膨らんでいることに気づきまして、その交換をしたので、今回はその作業過程を書いてみたいと思います。
なお、この記事の内容によって被った損害・損失について、当方では一切の責任を負いかねます。ご了承ください。
目次
MacBook Proのバッテリーの状態
coconutBatteryでの情報
まず、現在装着されているバッテリーは、2017年10月に某オークションで購入して交換したものです。一応、純正品を謳っていました。
coconutBatteryで見てみると、Designe Capacityが99%となっています。これだけを見ると、そんなに劣化してはいないようですが、これは怪しいです。なぜなら、バッテリーのManufacture dateが「2022-10-24」となっていて、購入時期からしてこれはあり得ないので、他の情報も信用できないからです。
実際のバッテリーの状態
前回の作業で底カバーを外したところです。見ると、バッテリーがかなり膨らんでいるのが分かります。早急に交換が必要な状態と言えるでしょう。
交換用のバッテリーを購入
ということで、以下の交換用バッテリーを購入しました。
バッテリー本体とツールは、梱包用のウレタンにきれいに収まっていました。
ツールです。左上から、
ニトリルゴム手袋、ディスプレイ保護用の布です。
説明書です。この説明書は、ハッキリ言って分かりにくい。写真は、一部他のMacBookのものが混じっているようで、正確ではありません。
なので、ネットをいろいろ参考にしながら作業をしました。
MacBook Proの分解・バッテリーの取外し
ディスプレイの保護
ディスプレイに、保護用の布を被せます。
これは、後でバッテリーの両面テープを剥がすときに、シールはがし液を使うので、それから保護する意味もあります。
底カバーの取外し
底カバーのネジを外します。P5 ペンタローブネジ(5角の星型)が10本です。
なのですが、実は以前に分解してバッテリーが膨らんでいるのが分かったので、
ネジは手前の両端2本しか留めていませんでした。青いドライバーを使って外します。
外しました。
外したネジはこちら。長さは、ヒンジ側の中央2本だけ2.3㎜と少し短く、残りは3.0㎜です。
バッテリーコネクターボードの取外し
バッテリーコネクターボードには、プラスチックカバーが貼り付けられています。これを外します。
両面テープで付いているだけので、簡単に外れます。
バッテリーコネクターボードを留めている3本のT6 トルクスネジ(6角の星型)を外します。白いドライバーを使います。
外したネジはこちら。2本は2.8㎜、1本は7.0㎜の肩付きです。
バッテリーコネクターボードの右側にプラスチックカバーがあるので、取り外します。
既にネジは外してあるので、簡単に取り外せました。
すると、バッテリーコネクターボードをロジックボードに留めているT6 トルクスネジがあるので、これを外します。白いドライバーを使います。
外したネジはこちら。幅広の6.4㎜です。
バッテリーコネクターボードを引き上げます。ケーブルを曲げて、作業の邪魔にならないような位置にします。古いバッテリーはどうせ廃棄するので、ケーブルが断線しようが構いません。
バッテリーコネクターボードの下には、ロジックボードとの接続を担っているパーツがあるので、これを外します。
プラスチック製のピンセットを使い、ピンが曲がったりしないよう慎重に取り外しました。
I/Oボードデータケーブルの取外し
I/Oボードデータケーブルを取り外します。
ケーブルとロジックボードを繋ぐコネクターの隙間にスパッジャーを入れます。
I/Oボードデータケーブルが外れました。
SSDトレイの取外し
ちょうど、トラックパッドのところに、SSDトレイがあります。これを取り外します。
SSDトレイの左上にあるコネクターの隙間にスパッジャーを入れます。
コネクターが外れました。
そして、SSDトレイにあるバネ部分を押しながら持ち上げると、
SSDトレイが外れました。
スピーカーの取外し
向かって左側
今回は、向かって左側のスピーカーから作業していきます。
スピーカーケーブルのコネクターを外します。
コネクターの下にスパッジャーを入れて、ロジックボードのソケットから慎重に引き上げます。
コネクターが外れました。
スピーカーを留めている3本のT5 トルクスネジを外します。緑のドライバーを使います。
外したネジはこちら。左から6.8㎜、6.3㎜、4.9㎜です。
スピーカーを引き上げると、外れました。
向かって右側
続いて、向かって右側のスピーカーです。
ヘッドフォンジャックケーブルのコネクターを外します。
コネクターの下にスパッジャーを入れます。
コネクターが外れました。少し曲げて、上げておきます。
その下に、スピーカーケーブルのコネクターがあるので、これを外します。
コネクターの下にスパッジャーを入れて、ロジックボードのソケットから慎重に引き上げます。
コネクターが外れました。
スピーカーを留めている3本のT5 トルクスネジを外します。緑のドライバーを使います。
外したネジはこちら。左から4.9㎜、6.3㎜、6.8㎜です。
スピーカーを引き上げると、外れました。
バッテリーの取外し
中央両端のネジを外す
バッテリーの中央両端を留めている計6本のT5 トルクスネジを外します。緑のドライバーを使います。
外したネジはこちら。2.2㎜です。
左右のバッテリーの両面テープを剥がす
左右のバッテリーは両面テープで留まっているので、これを剥がします。そのために100均のシールはがし液とスポイトを用意しました。
端の小さいバッテリーセルの下にプラスチックカードを挟み、スポイトを使ってシールはがし液を数滴、均等に注入します。そして、液が馴染むまで2~3分待ちます。
スクレーパーを差し込んで、スライドさせながら両面テープを剥がします。
両面テープが剥がれました。
同じようにして、大きいバッテリーセルの両面テープも剥がします。
両面テープが剥がれたので、プラスチックカードを下に敷いておきました。
反対側のバッテリーも同様に作業しました。
バッテリーを取り外す
いよいよ、バッテリーを取り外します。
とりあえず一度、バッテリーを手前にずらして、
完全に取り外しました。
取り外した跡に、両面テープのカスが残っています。
なので、シールはがし液とスクレーパーを使って取り除きます。
キレイになりました。
交換用バッテリーの取付け
逆の手順で、交換用バッテリーを取り付けていきます。
なのですが、なんと…
作業中に片方のスピーカーのネジ穴が欠けてしまいました。古いので、プラスチックが劣化していたのかもしれません。
なので、プラリペアを使って補修します。
補修しました。あまりキレイにできませんでしたが、見えないところなので良しとしましょう(笑)。
そして、改めて逆の手順で作業をしまして、
交換用バッテリーの取付けが完了しました。
底カバーを取り付けて、電源ボタンを押します。果たして、無事に起動するのか?
問題なく起動しました。良かったです!
coconutBatteryで見てみると、大体40%くらいまで充電されていました。
そして、なんとバッテリーのManufacture dateが「2015-03-30」となっていました。10年も前に製造されたバッテリーだったなんて…。よっぽど売れない製品なのでしょうかね。
MagSafeコネクターに細工(バッテリーを長持ちさせる)
100%充電状態は良くない
バッテリーの交換が完了し、上の写真のように、MacBook ProをACアダプターに繋いで充電していました。充電中なのでオレンジのLEDが点灯しています。
また、メニューバーでは、バッテリーアイコンに稲妻マークが表示されています。
このとき、ふと思いました。「このまま満充電(100%)にして使い続けてもいいものだろうか…?」と。
筆者はMacBook Proを基本的にデスクに据え置いて使用していて、ACアダプターは繋ぎっぱなしにしています。そのため、バッテリーは基本的にずっと満充電(100%)の状態になっていました。これだとバッテリーに良くないですよね。
ということで、いろいろと調べまして、MagSafeコネクターに細工してみることにしました。
MagSafeコネクターの真ん中のピンを絶縁
筆者のMacBook ProのMagSafeコネクターには、5本のピンがあります。
この真ん中のピンを、細く切ったビニールテープを貼り付けて絶縁しました。こうすると、MacBook Proが起動するための給電はしつつも、バッテリーへの充電はしない状態になります。
実際に、MagSafeコネクターのLEDは点灯しなくなりました。
また、メニューバーでは、バッテリーアイコンにコンセントのマークと、「バッテリーは充電停止中」と表示されます。
これで、バッテリーの充電状態が大体50%台でキープされるようにして、今後使っていきたいと思います。
おわりに(バッテリーの寿命について)
筆者のMacBook Proは「Retina, 13-inch, Late 2012」で、記事中の画像にあるように、coconutBatteryでのManufacture dateは「2012-10-01」となっていす。また、冒頭でも書きましたが、この記事で取り外したバッテリーは2017年10月に購入したものです。ということは、最初のバッテリーは約5年使ってダメになって、次のバッテリーは約7年半使ってダメになった、ということになります。そう考えると、取り外したバッテリーはそこそこ長持ちしたのではないでしょうか。
そして、今回交換したバッテリーは、一体どれくらい持ってくれるでしょう? あと5年は使えるかな? 次にバッテリーがダメになったら、MacBookを買い替えた方が良いかも? 悩み始めると夜しか眠れませんが、それはそのときに考えることにします。