MacBook Pro(Late 2012)のバッテリーを交換/長持ちの方法も紹介

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macOS Sequoiaから起動
 以前の記事で書いたように、MacBook Pro(Retina, 13-inch, Late 2012)の純正SSD(128GB) を500GBのM.2 SSD(WD Red SA500)に換装し、OpenCore Legacy Patcherを使って本来ならインストールできない新しいバージョンのmacOS Sequoia(バージョン15.3.2)をインストールしました。

 その際、バッテリーがかなり膨らんでいることに気づきまして、その交換をしたので、今回はその作業過程を書いてみたいと思います。


 なお、この記事の内容によって被った損害・損失について、当方では一切の責任を負いかねます。ご了承ください。

投稿日 2025/4/16
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MacBook Proのバッテリーの状態

coconutBatteryでの情報

旧バッテリー coconutBattery
 まず、現在装着されているバッテリーは、2017年10月に某オークションで購入して交換したものです。一応、純正品を謳っていました。

 coconutBatteryで見てみると、Designe Capacityが99%となっています。これだけを見ると、そんなに劣化してはいないようですが、これは怪しいです。なぜなら、バッテリーのManufacture dateが「2022-10-24」となっていて、購入時期からしてこれはあり得ないので、他の情報も信用できないからです。

実際のバッテリーの状態

底カバーを外したところ
 前回の作業で底カバーを外したところです。見ると、バッテリーがかなり膨らんでいるのが分かります。早急に交換が必要な状態と言えるでしょう。

交換用のバッテリーを購入

 ということで、以下の交換用バッテリーを購入しました。

※価格は2025年4月16日時点のものであり、変更されている場合があります。


交換用バッテリー 本体
 バッテリー本体とツールは、梱包用のウレタンにきれいに収まっていました。

交換用バッテリー ツール
 ツールです。左上から、

T6 トルクスドライバー(6角の星型、白)
T5 トルクスドライバー(6角の星型、緑)
P5 ペンタローブドライバー(5角の星型、青)
スパッジャー
スクレーパー
プラスチックカード×2


交換用バッテリー 手袋 ディスプレイ保護用の布
 ニトリルゴム手袋、ディスプレイ保護用の布です。

交換用バッテリー 説明書
 説明書です。この説明書は、ハッキリ言って分かりにくい。写真は、一部他のMacBookのものが混じっているようで、正確ではありません。

 なので、ネットをいろいろ参考にしながら作業をしました。

MacBook Proの分解・バッテリーの取外し

ディスプレイの保護

ディスプレイの保護
 ディスプレイに、保護用の布を被せます。

 これは、後でバッテリーの両面テープを剥がすときに、シールはがし液を使うので、それから保護する意味もあります。

底カバーの取外し


 底カバーのネジを外します。P5 ペンタローブネジ(5角の星型)が10本です。

 なのですが、実は以前に分解してバッテリーが膨らんでいるのが分かったので、

底カバー 手前両端のネジのみ留めている
底カバーとドライバー
 ネジは手前の両端2本しか留めていませんでした。青いドライバーを使って外します。

底カバーを外したところ
 外しました。

底カバーを留めていたネジ
 外したネジはこちら。長さは、ヒンジ側の中央2本だけ2.3㎜と少し短く、残りは3.0㎜です。

バッテリーコネクターボードの取外し

バッテリーコネクターボードのプラスチックカバー
 バッテリーコネクターボードには、プラスチックカバーが貼り付けられています。これを外します。

バッテリーコネクターボードのプラスチックカバーを外した
 両面テープで付いているだけので、簡単に外れます。

バッテリーコネクターボードを留めている3本のネジ
 バッテリーコネクターボードを留めている3本のT6 トルクスネジ(6角の星型)を外します。白いドライバーを使います。

バッテリーコネクターボードを留めていた3本のネジ
 外したネジはこちら。2本は2.8㎜、1本は7.0㎜の肩付きです。

バッテリーコネクターボードの右側にあるプラスチックカバー
 バッテリーコネクターボードの右側にプラスチックカバーがあるので、取り外します。

バッテリーコネクターボードの右側にあるプラスチックカバーを取り外した
 既にネジは外してあるので、簡単に取り外せました。

バッテリーコネクターボードをロジックボードに留めているネジ
 すると、バッテリーコネクターボードをロジックボードに留めているT6 トルクスネジがあるので、これを外します。白いドライバーを使います。

バッテリーコネクターボードを留めていたネジ
 外したネジはこちら。幅広の6.4㎜です。

バッテリーコネクターボードを引き上げる
 バッテリーコネクターボードを引き上げます。ケーブルを曲げて、作業の邪魔にならないような位置にします。古いバッテリーはどうせ廃棄するので、ケーブルが断線しようが構いません。

バッテリーコネクターボードとロジックボードとの接続パーツ
 バッテリーコネクターボードの下には、ロジックボードとの接続を担っているパーツがあるので、これを外します。

バッテリーコネクターボードとロジックボードとの接続パーツを外した
 プラスチック製のピンセットを使い、ピンが曲がったりしないよう慎重に取り外しました。

I/Oボードデータケーブルの取外し

I/Oボードデータケーブル
 I/Oボードデータケーブルを取り外します。

I/Oボードデータケーブルとスパッジャー
 ケーブルとロジックボードを繋ぐコネクターの隙間にスパッジャーを入れます。

I/Oボードデータケーブルを取り外した
 I/Oボードデータケーブルが外れました。

SSDトレイの取外し

SSDトレイ
 ちょうど、トラックパッドのところに、SSDトレイがあります。これを取り外します。

SSDケーブルのコネクターとスパッジャー
 SSDトレイの左上にあるコネクターの隙間にスパッジャーを入れます。

SSDケーブルのコネクターを外した
 コネクターが外れました。

SSDトレイのバネ部分
 そして、SSDトレイにあるバネ部分を押しながら持ち上げると、

SSDトレイを外した
 SSDトレイが外れました。

スピーカーの取外し

向かって左側

 今回は、向かって左側のスピーカーから作業していきます。

※作業中はMacBook Proが裏返しになっているので、実際には右スピーカーになります。


スピーカーケーブルのコネクター
 スピーカーケーブルのコネクターを外します。

スピーカーケーブルのコネクターとスパッジャー
 コネクターの下にスパッジャーを入れて、ロジックボードのソケットから慎重に引き上げます。

スピーカーケーブルのコネクターが外れた
 コネクターが外れました。

スピーカーとドライバー
 スピーカーを留めている3本のT5 トルクスネジを外します。緑のドライバーを使います。

スピーカーのネジを外した
スピーカーを留めていた3本のネジ
 外したネジはこちら。左から6.8㎜、6.3㎜、4.9㎜です。

スピーカーを外した
 スピーカーを引き上げると、外れました。

向かって右側

 続いて、向かって右側のスピーカーです。

※作業中はMacBook Proが裏返しになっているので、実際には左スピーカーになります。


ヘッドフォンジャックケーブルのコネクター
 ヘッドフォンジャックケーブルのコネクターを外します。

ヘッドフォンジャックケーブルのコネクターとスパッジャー
 コネクターの下にスパッジャーを入れます。

ヘッドフォンジャックケーブルのコネクターを曲げて上げる
 コネクターが外れました。少し曲げて、上げておきます。

 その下に、スピーカーケーブルのコネクターがあるので、これを外します。

スピーカーケーブルのコネクターとスパッジャー
 コネクターの下にスパッジャーを入れて、ロジックボードのソケットから慎重に引き上げます。

スピーカーケーブルのコネクターが外れた
 コネクターが外れました。


スピーカーとドライバー
 スピーカーを留めている3本のT5 トルクスネジを外します。緑のドライバーを使います。

スピーカーのネジを外した
スピーカーを留めていた3本のネジ
 外したネジはこちら。左から4.9㎜、6.3㎜、6.8㎜です。

スピーカーを外した
 スピーカーを引き上げると、外れました。

バッテリーの取外し

中央両端のネジを外す

バッテリーの中央左のネジとドライバー
バッテリーの中央右のネジ
 バッテリーの中央両端を留めている計6本のT5 トルクスネジを外します。緑のドライバーを使います。

バッテリーの中央両端を留めていた3本のネジ
 外したネジはこちら。2.2㎜です。

左右のバッテリーの両面テープを剥がす

シールはがし液とスポイト
 左右のバッテリーは両面テープで留まっているので、これを剥がします。そのために100均のシールはがし液とスポイトを用意しました。

左の小さいバッテリーの下にシールはがし液を注入"
 端の小さいバッテリーセルの下にプラスチックカードを挟み、スポイトを使ってシールはがし液を数滴、均等に注入します。そして、液が馴染むまで2~3分待ちます。

左の小さいバッテリーセルの下にスクレーパーを差し込む
 スクレーパーを差し込んで、スライドさせながら両面テープを剥がします。

左の小さいバッテリーセルの両面テープが剥がれた
 両面テープが剥がれました。

左の大きいバッテリーセルの下にシールはがし液を注入
左の大きいバッテリーセルの両面テープが剥がれた
 同じようにして、大きいバッテリーセルの両面テープも剥がします。

左バッテリーセルの下にプラスチックカードを敷く
 両面テープが剥がれたので、プラスチックカードを下に敷いておきました。

右バッテリーセルの下にプラスチックカードを敷く
 反対側のバッテリーも同様に作業しました。

バッテリーを取り外す

バッテリーを取り外す
 いよいよ、バッテリーを取り外します。

バッテリーをずらした
 とりあえず一度、バッテリーを手前にずらして、

取り外したバッテリー
 完全に取り外しました。

バッテリーを取り外した跡
 取り外した跡に、両面テープのカスが残っています。

両面テープの残りを剥がす
 なので、シールはがし液とスクレーパーを使って取り除きます。

バッテリーを取り外し、キレイにした
 キレイになりました。

交換用バッテリーの取付け

交換用バッテリー
 逆の手順で、交換用バッテリーを取り付けていきます。

 なのですが、なんと…

欠けたスピーカーのネジ穴
欠けたスピーカーのネジ穴のアップ
 作業中に片方のスピーカーのネジ穴が欠けてしまいました。古いので、プラスチックが劣化していたのかもしれません。

プラリペア
 なので、プラリペアを使って補修します。

欠けたスピーカーのネジ穴を修復
 補修しました。あまりキレイにできませんでしたが、見えないところなので良しとしましょう(笑)。

 そして、改めて逆の手順で作業をしまして、

交換用バッテリーの取付け完了
 交換用バッテリーの取付けが完了しました。

 底カバーを取り付けて、電源ボタンを押します。果たして、無事に起動するのか?

バッテリー交換後にMacBook Proが起動
 問題なく起動しました。良かったです!

新バッテリー coconutBattery
 coconutBatteryで見てみると、大体40%くらいまで充電されていました。

 そして、なんとバッテリーのManufacture dateが「2015-03-30」となっていました。10年も前に製造されたバッテリーだったなんて…。よっぽど売れない製品なのでしょうかね。

MagSafeコネクターに細工(バッテリーを長持ちさせる)

100%充電状態は良くない

MacBook Proを充電中
 バッテリーの交換が完了し、上の写真のように、MacBook ProをACアダプターに繋いで充電していました。充電中なのでオレンジのLEDが点灯しています。

メニューバー 充電中
 また、メニューバーでは、バッテリーアイコンに稲妻マークが表示されています。

 このとき、ふと思いました。「このまま満充電(100%)にして使い続けてもいいものだろうか…?」と。

 筆者はMacBook Proを基本的にデスクに据え置いて使用していて、ACアダプターは繋ぎっぱなしにしています。そのため、バッテリーは基本的にずっと満充電(100%)の状態になっていました。これだとバッテリーに良くないですよね。

 ということで、いろいろと調べまして、MagSafeコネクターに細工してみることにしました。

MagSafeコネクターの真ん中のピンを絶縁

MagSafeコネクター
 筆者のMacBook ProのMagSafeコネクターには、5本のピンがあります。

MagSafeコネクターの真ん中のピンを絶縁
 この真ん中のピンを、細く切ったビニールテープを貼り付けて絶縁しました。こうすると、MacBook Proが起動するための給電はしつつも、バッテリーへの充電はしない状態になります。

MacBook Proを充電中でもLEDが点灯しない
 実際に、MagSafeコネクターのLEDは点灯しなくなりました。

メニューバー 給電しつつも、充電はしない
 また、メニューバーでは、バッテリーアイコンにコンセントのマークと、「バッテリーは充電停止中」と表示されます。

 これで、バッテリーの充電状態が大体50%台でキープされるようにして、今後使っていきたいと思います。

おわりに(バッテリーの寿命について)

 筆者のMacBook Proは「Retina, 13-inch, Late 2012」で、記事中の画像にあるように、coconutBatteryでのManufacture dateは「2012-10-01」となっていす。また、冒頭でも書きましたが、この記事で取り外したバッテリーは2017年10月に購入したものです。ということは、最初のバッテリーは約5年使ってダメになって、次のバッテリーは約7年半使ってダメになった、ということになります。そう考えると、取り外したバッテリーはそこそこ長持ちしたのではないでしょうか。

 そして、今回交換したバッテリーは、一体どれくらい持ってくれるでしょう? あと5年は使えるかな? 次にバッテリーがダメになったら、MacBookを買い替えた方が良いかも? 悩み始めると夜しか眠れませんが、それはそのときに考えることにします。

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