ノートPCやスマホ、タブレットを使っているときに、「もう少し画面が広ければいいな」と思ったことのある人も多いのではないでしょうか。そんな人に最適なのがモバイルモニターです。
というわけで今回は、モバイルモニターの特徴や選ぶ際のポイントなどを説明したうえで、市販されている製品の中から選抜したしたおすすめを紹介したいと思います。
モバイルモニターの選び方
それでは早速、モバイルモニターを選ぶポイントを見ていきましょう。
サイズ(インチ、寸法)で選ぶ
15.6インチはバランスが良い
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モバイルモニターのサイズで、最も多いのが15.6インチです。これくらいなら、追加の作業領域として、ほぼ不満はないでしょう。また、これ以上のサイズになると“モバイル”には大きすぎます。つまり、15.6インチが最も良いバランスということです。
モバイル重視なら13.5インチ以下
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モバイル用途を重視して「できればコンパクトで軽い製品がいい」という場合は、13.5インチ、13.3インチ、10.5インチの製品があります。ただし、15.6インチと比較すると、もちろん作業領域が狭くなるので、この点が許せるかがポイントになります。
パネルは「IPS」がオススメ
液晶パネルの駆動方式には大きく、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In-Place-Switching)方式の3つがあり、それぞれには次のような特徴があります。
TN方式 | VA方式 | IPS方式 | |
---|---|---|---|
画質 | 低 | 中 | 高 |
視野角 | 狭い | 少し狭い ※1 | 広い |
コントラスト比 | 普通 | 高い | 普通 |
応答速度 | 速い | 少し速い | 少し遅い ※2 |
価格 | 安め | 普通 | 高め |
そして、一般的な用途であれば、高画質で視野角が広いIPSパネル がオススメですね。今回紹介するのは全て、IPSパネルの製品になります。
斜めから見たとき、何度まで表示が正常に見えるかを示す数値。この角度が狭いと、斜めからでは画面が暗く見えたり、色が変わって見えてしまいます。
コントラスト比
白と黒の比率で、「1,000:1」(白が1,000に対して黒が1)というように表記されます。比率が高いほどメリハリがあります。
また、映像に合わせてバックライトの明るさを調節してコントラストを上げる「ダイナミックコントラスト」という技術により、2,000万:1などの高コントラスト比を実現した製品もあります。なお、機能の呼称はメーカーによって、ACR、DCR、ACMなどさまざまです。
応答速度
モニターのドットが、ある色から他の色へと変化するまでの時間。この時間が速いほど残像が少なく、滑らかに表示されます。単位は「ms」(ミリセカンド=ミリ秒)。多くのPCモニターのスペックには、2つの値が併記されています。
ひとつは黒→白→黒の応答速度で、一般的には5~10msの製品が多く、速いものだと1msの製品もあります。
もうひとつは、ある階調のグレーから別の階調のグレーへの変化という中間階調の応答速度。表記は「GTG」や「Gray To Gray」です。2~5msの製品が多くなっています。
なお動画の場合、黒白の切り替えより、中間階調での色の移行が圧倒的に多いので、「GTG」の性能がより重要となります。
長時間作業ならアンチグレア(非光沢)、動画視聴ならグレア(光沢)
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※上の画像は、アンチグレア(非光沢)のモバイルモニター
液晶パネルは表面の処理加工によって、アンチグレア(非光沢)とグレア(光沢)の2つに分類されます。これには、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
ですので、長時間作業ならアンチグレア(非光沢)、動画視聴ならグレア(光沢)が向いていると言えますね。
入力ポートの種類と数を確認
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モバイルモニターの装備されている入力ポートには、USB-C、HDMI、miniHDMIがあります。
USB-Cポートは2基で、映像入力と給電に対応
USB-Cポートは通常、2基搭載されています。基本的には、2ポートともPC・スマホ・タブレットからモバイルモニターへの映像入力と、PCまたはUSB充電器からの給電ができるようになっています。
そして、たとえばノートPCから出力する場合は、USB-Cケーブル1本でモバイルモニターへの映像出力と給電ができてしまいます。また、USB-ACアダプター → モバイルモニター → スマホというように接続すれば、モバイルモニターとスマホの両方に給電することができるので、とっても使いやすいですね。
ただし、モバイルモニターによってはUSB-Cポートのうちの1つが給電専用になっているものもあるので、この点は確認しておいた方が良いでしょう。
HDMIまたはminiHDMIのどちらか
デバイスがUSB-Cの映像出力に対応していない場合(ゲーム機など)に備えて、HDMIまたはminiHDMIも搭載されています。
HDMIの方がより一般的なので、ケーブルの使い回しができたりなど、こちらが使いやすいと言えるでしょう。
しかし、モバイルモニターの“薄さ”を優先して、より小さいminiHDMIを採用しているものもあります。こちらの場合は、HDMIからminiHDMIへの変換ケーブル・アダプターを使うことが多くなるので、多少の煩わしさはあるかもしれません。
その他のスペック(輝度、リフレッシュレート)を確認する
モニターの輝度(明るさ)を確認
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液晶パネルの裏側には、画面を表示する光源となるバックライトがあります。このバックライトの明るさが「輝度」。単位は、1平方メートルあたりに照射される光量という意味の「cd/㎡」(カンデラ/平方メートル)が用いられます(同じ意味の「nits」が用いられる場合もあります)。
輝度が高いとPCモニターも明るくなり、周囲が明るい場所でも見やすくなります。また、輝度が高ければ光が届く距離も長くなるので、少し離れた所からも見やすくなります。
蛍光灯で照らされた室内で使う場合、PCモニターの輝度は、200~300cd/㎡くらいあれば十分でしょう。
リフレッシュレートを確認
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「リフレッシュレート」とは、 新しい画像を1 秒間に何回描画できるかを表すもので、単位は「Hz」(ヘルツ)です。たとえば、60Hzの場合、画像が1 秒間に60回更新される、ということになります。そして、この数値が大きいほど、滑らかな表示となります。
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VESAとは、壁掛けやアームへの取り付けについての規格のこと。市販されているほとんどのモバイルモニターは、VESAに対応しています。
搭載スピーカーについて
多くのモバイルモニターにはスピーカーが搭載されています。しかし、ほとんどが「1W+1W」や「2W+2W」など出力が極端に小さく通常の使用には適していません。なので、オマケ程度に考えるのが良いでしょう。
【15.6インチ】モバイルモニター おすすめ製品
ここからは、モバイルモニターのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。前述のとおり、紹介するのは全てIPSパネルの製品になります。
まずは15.6インチ程度の製品を紹介し、その次に13.5インチ以下の製品と続きます。
EVICIV モバイルモニター 1506
縦でも使用可能、ユニークなペンホールスタンド、OGTポート(microUSB)にマウスなども接続可
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横だけでなく、縦でも使用できるという製品です。そのために、ペンホールスタンドを採用し、ペンを入れるだけでスタンドになって、縦でも横でもモバイルモニターを立てることができます。もちろん、保護カバー兼スタンドも付属しています。
そして、OGTポート(microUSB)を搭載し、ここにマウスやキーボードが接続できるので、より使いやすい環境を築くことができます。
これは、USB機器同士を接続して使うための規格です。
従来規格では、PCが“ホスト”で、USB機器が“クライアント”という関係になって、PCからUSB機器の操作を行っていました。つまり、USB機器を使用するには、PCが必須だったということです。
しかし、たとえば「スマホでマウスを使いたい」というように、USB機器同士での接続へのニーズが大きくなってきました。そこで登場したのが、USB OTG(On-The-Go)です。この規格の登場により、PCがなくても、USB機器同士を接続して使用することができるようになり、上記のような「スマホでマウスを使用する」といった状況が可能となりました。
cocopar ZS-156
フレーム5㎜のベゼルレス仕様、パネル率は88%、厚みは5㎜
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フレームは上と左右が5㎜で、パネル率が88%という、ベゼルレス仕様の製品です。厚みもわずか5㎜というスリムさで、カバンの隙間などに入れやすいでしょう。
MAGICRAVEN P156A06
最薄部は5㎜のスリムデザイン、超軽量の495g、極細ベゼル
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厚みは9.5㎜ですが、最薄部は6㎜というスリムデザインの製品です。また、重量は495gという超軽量なので、持ち運ぶのが楽しくなりそうです。ベゼルも細いので、使用する際にもスッキリとした印象となります。
アイ・オー・データ EXーLDC161DBM
スタンド一体型、チルト角は62°で無段階での調整が可能、収納ケース付き
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まず、パネルにある「ADS」(Advanced super Dimension Switch)というのは、IODATAが用いている名称で、基本的な仕組みはIPSと同じです。
そして、背面に収納式のスタンドが付いた、スタンド一体型のモデルとなっています。チルト角は62°までで、無段階での調整が可能。環境によってチルト角を自由に変えられるのは、なかなか使い勝手が良さそう。使い終わったら、スタンドを畳むだけなので片付けも簡単。収納ケースも付いていて、持ち運びに便利です。
NANOK NOK-CM2
高輝度の400cd/㎡、2,000:1の高コントラスト比、狭額縁のベゼルレス、縦表示も可能
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特徴的なのは、輝度が400cd/㎡と高いこと。これで、光の強い屋外でも見やすくなります。また、コントラスト比は2,000:1と高く(一般的には1,000:1)、よりハッキリとした表示です。そして、狭額縁・ベゼルレス仕様で、ベゼルは4㎜と極限まで薄くなってるので、スッキリした印象です。
縦表示にすることも可能です。ただし、縦表示の場合は、スタンドを別途用意する必要があります。
【13.5インチ以下】モバイルモニター おすすめ製品
続きまして、13.5インチ以下のモバイルモニターのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
kksmart NK-135
2K解像度(2560×1600)、1500:1の高コントラスト比、高輝度400cd/㎡、額縁4㎜のベゼルレス、縦表示も可能
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この製品は、解像度が2K(2560×1504)と、一般的なフルHD(1920×1080)の約2倍となっているのが最大の特徴です。画質が非常にキレイなので、映画鑑賞やグラフィックに凝ったゲームに最適です。ただ、アスペクト比が3:2と、一般的な16:9より縦に少しだけ長いので、これが多少は使い勝手に影響するかもです。
また、1500:1の高コントラスト比なので、より鮮明なカラーを届けてくれます。さらに、高輝度の400cd/㎡で、日中の外でも見やすくなっています。そして、額縁が4㎜しかない、ベゼルレス仕様です。
縦表示も可能となっていますが、この場合は別途スタンドを用意する必要があります。
EVICIV EVC-1301
縦表示も可能、ユニークなペンホールスタンド、miniDPポートを採用
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前出の同メーカーの製品と同じく、縦でも使用できる製品です。そのために、ペンを入れるだけでスタンドになる「ペンホールスタンド」を採用し、ペンがあれば縦でも横でもモバイルモニターを立てることができます。もちろん、保護カバー兼スタンドも付属しています。そして、前出と同様にOGTポート(microUSB)を搭載し、ここにマウスやキーボードなどが接続できます。
入力ポートには、珍しくminiDPポートが採用されているので、この点も選ぶポイントになります。
ただし、アスペクト比が16:10と、一般的な16:9より縦に少し長いので、この解像度に対応していないデバイスは要注意です。
VisionOwl XL-105
狭額フレームのベゼルレス仕様、高コントラスト比の1,500:1、450cd/㎡と高い輝度、縦表示も可能
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ベゼルは上と左右が4㎜と狭く、さらに下も狭い10㎜となっています。他の製品では下のフレームは厚いものがほとんどなので、これはポイントが高いですね。
そして、コントラスト比は他の製品より高い1,500:1で、よりハッキリした表示となります。また、輝度も450cd/㎡と高いので、日中の屋外などの明るい場所でも見やすくなっています。
dxmart P10
解像度は1920×1280、高コントラスト比の1,500:1、高輝度の420cd/㎡
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10.5インチで、解像度が1920×1280、アスペクト比が3:2という、珍しい製品です。10.5インチでこの解像度なら、かなり細密に表示されるでしょう。
そして、1,500:1という高いコントラスト比なので、メリハリの効いた表示になります。また、輝度も420cd/㎡と高いので、明るい場所でも見やすくなっています。
JAPANNEXT JN-MD-IPS105FHDPR
解像度は1920×1280、高コントラスト比の1,500:1、高輝度の420cd/㎡、OGTポートでマウスなども使える
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前出と同様、10.5インチで、解像度が1920×1280、アスペクト比が3:2の製品です。コントラスト比は1,500:1と高いのでメリハリのある表示となり、輝度も420cd/㎡と高いので明るい場所でも見やすくなっています。
そして、OGTポート(microUSB)が搭載されており、ここにマウスやキーボードなどのUSB機器を接続して使用することができます。
おわりに
今回はモバイルモニターのおすすめを、15.6インチの製品と、13.5インチ以下の製品で分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
モバイルモニターがあれば、画面が広くなって、出先でのスマホ・タブレット作業をより効率的に行うことができるようになります。なので、上記を参考にして入手し、より快適なスマホ・タブレットライフを送ってください。