以前の記事で書いたように、MacBook Pro(Retina, 13-inch, Late 2012)の純正SSD(128GB) を500GBのM.2 SSD(WD Blue SA510)に換装し、OpenCore Legacy Patcherを使って本来ならインストールできない新しいバージョンのMac OSをインストールしました。
しかし、そのM.2 SSDが2年弱で壊れてしまったため、純正のSSDに戻しました。そして、WDのメーカーサポートに連絡して、別のM.2 SSDに交換してもらいました。
交換品のM.2 SSDが届いてから早半年、ようやく再度のSSD換装と、OpenCore Legacy Patcherによる新バージョンのMac OS(macOS Sequoia 15.3.2)のインストール作業をしたので、その過程を書いてみたいと思います。
なお、この記事の内容によって被った損害・損失について、当方では一切の責任を負いかねます。ご了承ください。
目次
MacBook Pro(Retina, 13-inch, Late 2012)の主なスペック
出典:support.apple.com
筆者のMacBook Proの主なスペックは、CPUがCore i5 2.5GHz、メモリが8GB、SSDの容量は128GBです。
インストールできるOSは、公式にはmacOS Catalina(バージョン10.15.7)までとなっています。
しかし、ここにOpenCore Legacy Patcherを使って、macOS Sequoiaをインストールします。なのですが、純正の128GB SSDでは容量が足りないため、もっと容量の大きい交換品のM.2 SSDに換装していきます。
M.2 SSDへデータをコピー
交換してもらったM.2 SSDはリフレッシュ品で、旧型でNAS向けの高耐久の製品、WD Red SA500です。
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このM.2 SSDを外付けケースに入れて、MacBook Proに接続します。
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MacBook Proの起動時に option + command (⌘) + R を押すと、macOS Catalinaインストーラーから起動します。
このキーの組み合わせは、そのMacと互換性があるうちでいちばん新しいmacOSのインストーラーから起動する、というものです(場合によっては、そのMacに当初搭載されていたmacOS、またはそれにいちばん近い現在も提供されているバージョンのインストーラーからになります)。
ちなみに、起動時に command (⌘) + R を押すと、筆者のMacBook Proに当初搭載されていたmacOS Mountain Lion(バージョン10.8)インストーラーから起動します。
MacBook Proが起動すると、macOSユーティリティのウィンドウが表示されるので、そこの「ディスクユーティリティ」を選択して「続ける」をクリック。
左にある「外部」の「名称未設定」を選択します。これが、外付けケースに入れたM.2 SSDになります。
上にある「復元」ボタンをクリックすると、「“名称未設定”に復元しますか?」と表示されます。「復元元」には「Macintosh SSD」が選ばれています。これは内蔵のSSDです。そして、「復元」をクリック。
復元が始まるので、しばらく待ちます。
復元が完了しました。これで、内蔵SSDの全データが外付けケースのM.2 SSDにコピーされました。
念のため、電源を入れる際に option を押して、外付けケースからMacBook Proを起動してみたところ、問題なく起動しました。
MacBook Proの分解・SSDの換装
底カバーの取外し
底カバーの10本のネジを外します。これは特殊なネジで、5溝の星型をした「ペンタローブネジ」です。サイズはP5になります。
対応するドライバーは「アネックス(ANEX) 精密ドライバー 特殊 5溝 1.2mm No.3470-G」です。
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外したネジはこちら。長さは、ヒンジ側の中央2本だけ2.3㎜と少し短く、残りは3.0㎜です。
底カバーを外したところ。
この写真だと分かりにくいかもしれませんが、よく見ると、バッテリーがかなり膨らんでいます。これは要交換ですね。
SSDトレイの取外し
ちょうど、トラックパッドのところに、SSDトレイがあります。これを取り外します。
この作業は本来なら、バッテリーを外してから行うべきものです。バッテリーが接続されたままだと、ショートしてロジックボードが破損する恐れがあります。
SSDケーブルのコネクタ。これを、
ロジックボード上のソケットから外します。手元にあった、プラスチック製のピンセットを使いました。
力を入れずとも、けっこう簡単に外れます。
SSDトレイにあるバネ部分を押しながら持ち上げると、
SSDトレイが外れました。
外したSSDトレイ。
裏返すと、SSDが見えます。
M.2 SSDへの換装
SSDを固定しているネジも特殊で、こちらは6溝の星型をした「トルクスネジ」です。サイズはT5になります。
SSDを取り外しました。
外付けケースから取り外したM.2 SSD(WD Red SA500)と、M.2の端子から7+17ピンへの変換アダプタ「Sintech ST-M2PRO」です。
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SSDトレイに取り付けます。
コネクタの部分に小さく「B」と書かれているので、これを合わせます。
M.2 SSDのコネクタを変換アダプタに差し込んで、
それをSSDトレイのソケットに差し込みます。
ネジで固定すれば完了です。
そして、逆の手順でMacBook Proを元に戻します。
MacBook Proを起動させて、ディスクユーティリティを見てみると、換装したM.2 SSDがちゃんと認識されていました。
M.2 SSDの容量は500GB(空きは400GB以上)もあるので、macOS Sequoiaを余裕でインストールできます。
OpenCore Legacy Patcherでインストーラーを作成
OpenCore Legacy Patcherとは?
そもそも「OpenCore」とは、オープンソースのブートローダーです。このプロジェクトの一環として、Old Mac向けに開発されたのが、今回使用する「OpenCore Legacy Patcher」になります。
OpenCore Legacy Patcherは、簡単に言うと、macOSを「このMacは、(古いMacではなく)新しいMacです」と騙すことで、macOS Montereyをインストールする、というものです。
メディアを用意
まずは、インストーラーを保存するメディアを用意します。今回は、手持ちのADATAのSSD SP900 64GBと、USBハードディスクケースを使用しました。これを、USBポートに接続します。
ダウンロード・インストール
以下では省略していますが、パスワードが求められた際には、その都度入力しています。
OpenCore Legacy PatcherのReleasesページ(以下のURL参照)にアクセスします。作業日(2025年3月31日)時点での最新バージョンは2.2.0です。
そして、少し下の「Assets」にある「OpenCore-Patcher-GUI.app.zip」のリンクをクリックしてダウンロードします。
ダウンロードしたOpenCore Legacy Patcherを起動して、「Create macOS Installer」をクリック。
今回はmacOS Sequoia(バージョン15.3.2)のインストーラーを新たにダウンロードするので、「Download macOS Installer」をクリックします。
ダウンロード可能なmacOSのリストが表示されます。今回インストールする「macOS Sequoia 15.3.2 24D81 15.2GB 03/20/25」を選択して「Download」をクリック。
ダウンロード、検証、解凍が終わるまで、しばらく待ちます。
解凍とアプリケーションフォルダへのインストールが終了すると、「Create macOS Installer」と表示されるので、「Yes」をクリック。
すると、macOSインストーラーの選択が促されます。リストにあるのは、アプリケーションフォルダに保存されているmacOSインストーラーです。
今回は、今保存したmacOS Sequoiaだけが表示されているので、「Install macOS Sequoia: 15.3.2(24D81)」をクリックします。
macOS Sequoiaインストーラーを保存するメディアを選択します(メディアは一旦、消去されます)。先程、USBポートに接続しておいたADATA SSD SP900 64GBを使用するので、「disk3 – 900 – 64.0 GB」をクリック。
メディア消去の確認がされるので、「Yes」をクリック。
macOS Sequoiaインストーラーのインストールが始まります。
インストールが完了すると、今度はOpeCoreをインストールするかどうかの確認を求められるので、「Yes」をクリックします。
これをインストールすることで、macOS Sequoiaインストーラーを保存したメディア(ADATA SSD SP900 64GB)からMacBook Proを起動できるようになります。
続けて「Install to disk」をクリック。
OpeCoreをインストールするメディアを選択します。ADATA SSD SP900 64GBにインストールするので、「disk3 – 900 – 64.0 GB」をクリックします。
ちなみに、「disk0 – WDC WDS500G1R0B-68A4Z0 – 500.1 GB」は、先に換装したSSDです。
「disk3s1 – EFI – 209.7 MB」をクリック。
OpeCoreのインストールが完了すると、今すぐ再起動するかどうかの確認が求められます。今回は、今すぐ再起動はしないので「Ignore」をクリックします。
OpenCoreがADATA SSD SP900 64GBにインストールされて、表示の最下行に「OpenCore transfer complete」と表示されます。「Return to Main Menu」をクリックして作業終了です。
macOS Sequoiaのインストール
ADATA SSD SP900 64GB・USBハードディスクケースを接続して、MacBook Proの電源を入れます。このとき、option キーを押し続けます。
すると、Startup Managerが立ち上がるので、「EFI Boot」を選択して Return キーを押します。
OpenCoreのブートピッカーが立ち上がるので、「Install macOS Sequoia」を選択して Return キーを押します。
macOS Sequoiaのインストーラーから起動しました。しかし、なぜか表示がすごく小さくて見にくい! なので、この後はメガネ型ルーペをかけながら作業しました。
「macOS Sequoiaインストール」を選択して「続ける」をクリック。
そのまま「続ける」をクリック。
この後、使用許諾契約の条項への同意が求められるので、「同意する」をクリックします。
インストール先として、先に換装したSSD(名前は「Macintosh SSD」)を選択し、「続ける」をクリック。
インストールが始まりました。
インストール中に何度か再起動します。このとき、なぜか「アップデートに失敗しました」的なメッセージが出ましたが、再起動したら問題なくインストールが継続されました。
インストールが完了したら、「Macintosh SSD」を選んで起動します。
macOS Sequoia(バージョン15.3.2)が起動しました!
OpenCoreを内蔵SSDにインストール
macOS Sequoiaの起動時には、上のようなメッセージも出ました。これは、内蔵ストレージにOpenCoreをインストールするよう促すものです。そうしないと、macOS Sequoiaインストーラーのメディアからしか起動できないためです。
なので、「OK」をクリックします。
OpenCoreのビルドが終了すると、インストールの確認が求められるので、「Insatll to disk」をクリックします。
インストール先を選びます。内蔵SSDは「disk0 – WDC WDS500G1R0B-68A4Z0 – 500.1GB」なので、これをクリック。
「disk0s1 – EFI – 209.7 MB」をクリック。
インストールが完了すると、今すぐ再起動するかどうかの確認が求められるので、「Rboot」をクリックして再起動します。
こうすると、macOS Sequoiaインストーラーのメディアなしで、MacBook Proだけで起動できるようになります。
作業は以上です。
MacBook Pro(Retina, 13-inch, Late 2012)に、macOS Sequoia(バージョン15.3.2)が無事にインストールできました!
その後、少し使ってみましたが、今のところ特に問題はなく、快適に動いてくれています。
おわりに(作業のタイミングについて)
今回の作業を実施したのは、2025年3月31日でした。そして、次の日の4月1日にMacBook Proを起動してみると、なんと新バージョンのOpenCore Legacy Patcher 2.3.0が出ているというメッセージが表示されていました。さらに、同日にmacOS Sequoiaの新バージョン 15.4も出ていました。やはり、3月31日というタイミングは微妙なんでしょうか? もう1日遅く作業すればよかったです。
それから、前述のように、MacBook Proのバッテリーがかなり膨らんでいるので、次はこのバッテリーの交換をしたいと思います。