



スティック型の小さなボディに、CPUやメモリなどのパーツを搭載したスティックPC。省スペースで邪魔にならず、持ち運ぶことも容易で、HDMI端子を液晶テレビやディスプレイに接続すれば使えるという、とっても使い勝手の良いPCです。
そこで今回は、スティックPCが気になっている人へ向けて、選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説しつつ、スペックや価格なども比較して、現在市販されている製品の中のおすすめを紹介していきたいと思います。
スティックPCの選び方
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前述のように、とても使い勝手の良いスティックPC。そんなスティックPC購入する際に確認しておきたい主なポイントを、以下に紹介していきたいと思います。
OSは最新のWindows11のものがオススメ
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現在市販されている一般的なPCのOSは、Windows11です。ただし、スティックPCの中には、一つ前のWindows10がインストールされているものがあります。
あえてWindows10のものを選ぶ理由がある場合は別ですが、基本的には最新のWindows11がインストールされている製品を選ぶのが良いでしょう(なお、Windows10だから問題が生じるということはありません)。
CPUはintel Celeron(内蔵グラフックは4K対応)を搭載したものがスタンダード
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現在のスティックPCに採用されているCPUは、ほとんどがIntelのCeleronとなっているので、これがスタンダードと言えるでしょう。また、Celeron(Gemini Lake)以降では、内蔵グラフックが4K(3840×2160)に対応しています。
そして、一部製品では、より性能の高いCore m(Skylake)を採用したものもあります。一方で、少し前の製品では、性能の劣るAtomを採用しているものもあるので、この点を確認しましょう。
Atomは元々、タブレットなどポータブル端末向けに低消費電力と低価格を目指して開発されたもので、処理能力はだいぶ抑え気味。Celeronは、その後継となるもので、やはり低消費電力が重視されたモデルになります。
メモリは8GBあれば作業が快適に
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現在のスティックPCに搭載されているメモリ容量は基本的に4GB、6GB、8GBのいずれかとなっています(交換・増設不可)。
そして、ネットやメールなど比較的ライトな作業なら4GBでも可ですが、画像が多めの文書作成といった作業を快適に行いたいのなら、8GBのものを選びたいですね。
ストレージは128GBあれば余裕をもてる
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ストレージは、多くの製品が128GB eMMCを搭載しています。これくらいあれば、追加のソフトをいくつかインストールしたり、画像データなどを保存しても、まだ少し余裕があるくらいですね。
コストを抑えたい場合は64GB eMMCの製品を選択するものアリですが、これだと空き容量を気にしながら使うことなるでしょう。
言葉そのものの意味は「貯蔵、保管、倉庫」です。PC用語としては、データを保存する HDD、SSD、eMMC、SDカード、USBメモリなどを示します。
Wi-Fiは標準で対応、有線LANへの対応もチェック
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スティックPCは基本としてWi-Fiに対応していますが、採用されている規格には、少し前のIEEE802.11nと、より高速な11acがあります。スピードを重視するなら、後者を選びましょう。
さらに、製品の中には有線LANに対応するGigabitイーサネットポートを搭載しているものもあります。もし、LANケーブルをつなぐことに問題がない場合は、有線LANに対応した製品を選ぶのもアリですね。
現在、一般に市販されている製品のアンテナ1本あたりのスピードは、11nは約150Mbps、11acは約433Mbpsです。
USBポートのバージョンと数をチェック
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現在の製品では、USBポートは基本的には3.0に対応しています。また、新しい形状のType-Cを採用している製品もあります。ただし、中にはスピードの遅い2.0を搭載しているものも…。
こうした製品ごとのUSBポートの種類と搭載数を確認しておき、拡張するUSB機器の数や、USBハブを使うかなども踏まえて購入するものを選びましょう。
なお、スティックPCにあるmicroUSBポートは給電用です(製品によっては、搭載されているUSB Type-Cポートが給電用専用のものもあります)。給電用のUSBポートは周辺機器の拡張には使えないので、このことを念頭に製品スペックを見る必要があります。
USB Type-Cのコネクタは、従来のType-Aよりも小さくなっています。また、USB Type-Cは上下左右が対照の形状であるため、向きを気にせずに接続できます(Type-Aでは「向きが逆で差し直し」ということがよくありましたが、Type-Cでは解消されています)。
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左がType-A、右がType-C
そして、USB3.1 Type-Cでは、USB PD(USB Power Delivery)に対応し、最大100Wまでの電力を供給することが可能。これにより、たとえばUSB3.1 Type-Cで、PC本体やディスプレイの電源を取ることもできます。
さらに、USB3.1 Type-Cは、オルタネートモード(Alt-Mode、別規格のポートとして動作するモード)に対応し、映像出力用としても使用可能となっています。
USB3.1:Gen1とGen2があり、後者が高速
USB3.1にはGen1とGen2があります。規格上の最大転送速度は、Gen1は5Gbps(USB3.0と同じ)で、Gen2は10Gbpsです。
microSDカードスロットをチェック
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スティックPCのほとんどの製品にmicroSDスロットがあり、少ないストレージ容量をカバーできるようになっています。ただし、中には同スロットを搭載していないものもあるので、この点は要チェックですね。
静音性ならファンレス、安定して利用したいなら冷却ファン付きモデルに
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ファンレスモデルは、静音性に優れています。ただし、負荷がかかり続けると熱によって動きが緩慢になったり、フリーズしてしまうこともあります。
冷却ファンが付いているモデルなら、ファンの音はするものの、排熱性能が高いので、負荷がかった状態でも比較的安定して利用できるでしょう。
スティックPCおすすめランキング
ここからは、おすすめのスティックPC をランキング形式で発表していきたいと思います。価格が安いに越したことはないのですが、使いにくい製品ではあまり良くないので、今回はその点を踏まえた順位にしています。
第1位:MeLE スティックPC
31,999円(税込)
【Celeron J4125(Gemini Lake Refresh)搭載、4K対応、メモリ8GB、128GB eMMC】ボディがヒートシンクの形状、イーサーネットポートを搭載、外付けのWi-Fiアンテナ、オーディオ出力ポート・セキュリティロックスロットも
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CPUはCeleron J4125(Gemini Lake Refresh)で、メモリが8G、ストレージが128GB eMMC、OSはWindows 11 Proという、基本スペックがかなり高い製品。特に、メモリが8G、ストレージが128GB eMMCなので、余裕をもって作業ができそうです。
そして、ボディ全体をヒートシンクの形状となっている点も要注目。これで冷却ファンを搭載することなく、静音性を確保しつつも、冷却性能を高めることができています。
また、Gigabitイーサーネットポートを内蔵しているので、LANケーブルを接続することもできます。さらに、外付けのWi-Fiアンテナで通信の安定性を確保し、オーディオ出力ポートやセキュリティロックスロットも搭載しているなど、充実した装備となっています。
第2位:Skynew スティックPC M1K+
【Celeron J4125(Gemini Lake Refresh)搭載、4K対応、メモリ8GB、128GB eMMC】冷却ファンと給排気口を搭載
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CPUはCeleron J4125(Gemini Lake Refresh)で、メモリが8G、ストレージが128GB eMMC、OSはWindows 11 Proという、基本的なスペックの高い製品。これなら、それなりの快適性を保ちながら作業できるでしょう。
冷却性能としては、内部に冷却ファン、ボディには小さな給排気口がたくさん設置されているので、発熱したバーツをしっかりと冷却してくれます。ただし、冷却ファンが回転すると当然、ノイズが発生するので、この点は許容する必要があります。
第3位:Skynew スティックPC M1S+
21,400円(税込)
【Celeron N4100(Gemini Lake)搭載、メモリ4GB、64GB eMMC】冷却ファンを搭載、スペックよりもコスパで選ぶ製品
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CPUはCeleron N4100(Gemini Lake)、メモリは4GB、ストレージは64GB eMMC、USBポートは3.0が2基という、全体的に高くないスペックでまとめられた製品。
そして、内部には冷却ファンがあり、ボディには小さな給排気口がたくさん設置されています。ただし、基本スペックがそれほど高くないので、あまり重たい作業をすると、ファンのノイズが気になってくるかもしれません。
価格的にはお手頃なので、用途が限定的だったり、コスパを重視するユーザーには入手しやすい製品と言えるでしょう。
第4位:NiPoGi スティックPC
19,800円(税込)
【Celeron N4000(Gemini Lake)搭載、4K対応、メモリ4GB、64GB eMMC】冷却ファン搭載、イーサーネットポートを搭載、オーディオ出力ポートも
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CPUはCeleron N4000(Gemini Lake)で、メモリが4G、ストレージが64GB eMMCというスペックの製品。ただ、OSはWindows 10 Pro 64bitで、メモリが4Gと少し少なめ…。それと、microSDカードスロットがないのがマイナスポイントです。
内部には冷却ファンが搭載されていて、そのエアフローを確保するためにボディのいたるところに給排気口が設けられています。これで、負荷が高くなったときにも、確実に冷却してくれるでしょう。ただし、冷却ファンの稼働時にはノイズが発生します。そして、この給排気口のデザインが面白いですね。
また、LANケーブルを接続できるGigabitイーサーネットポート、オーディオ出力ポートも搭載されています。
第5位:ASUS VivoStick TS10
15,600円(税込)
【Atom x5-Z8350(Cherry Trail)搭載、メモリ6GB、64GB eMMC】スタイリッシュなデザイン、冷却ファン搭載、オーディオ出力ポートも、ストラップホール付き
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CPUはAtom x5-Z8350(Cherry Trail)で、メモリは4GB、ストレージは64GB eMMC、USBポートは3.0が1基、OSはWindows 10 Pro 64bitという、さほど高くないスペックの製品。
デザイン的には、全体の滑らかなシルエットと両端部のラインが、スタイリッシュな印象です。ストラップホールも付いているので、持ち運びに便利です。なので、デザイン重視で選ぶことになりますね。
ただし、microSDカードスロットがない点に注意が必要。他のスティックPCはほとんどに同スロットがあり、少ないストレージ容量をカバーできるようになっているのですが、この製品ではそれができません。そして、価格はやや高めですね。
第6位:Intel Compute Stick BOXSTK2M3W64CC
63,800円(税込)
【Core m3 6Y30(Skylake)搭載、4K対応、メモリ4GB、64GB eMMC】高性能のCUPで高い処理能力、USB3.0ポートは3基と高い拡張性
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CPUは処理能力の高いCore m3 6Y30(Skylake)で、USB3.0ポートを3つも搭載した、非常に高いスペックを誇る製品。USB3.0ポートは本体に1つと、ACアダプターに2つという変則的ですがおもしろいアイデアによって、計3つを搭載しています。ただし、OSはWindows 10 Home 64bitとなっています。
そして、冷却ファンを搭載し、ボディの給気口によって、負荷が掛かったときに内部パーツを確実に冷却してくれます。
ただし、高い性能のために価格もかなり高くなっていますね…。スティックPCであっても、CPUのスペックに妥協したくないユーザーなら、この製品を選んでも良いかもしれません。
第7位:Intel Compute Stick BOXSTK1AW32SC
51,440円(税込)
【Atom x5-Z8300(Cherry Trail)搭載、メモリ2GB、32GB eMMC】Intelのブランドにこだわるなら選ぶのもアリ
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CPUはAtom(Cherry Trail)、メモリは2GB、ストレージは32GB eMMC、OSはWindows 10 Home 32bit、USBポートは3.0が1基など、スペック的にやや見劣りする製品。Intelというブランドにこだわるなら、選んでみても良いかもです。
スティックPCにおすすめのワイヤレスキーボードとマウス
スティックPCは基本的に本体のみで販売されていて、キーボードとマウスは別に用意する必要があります。そんなスティックPCにおすすめのワイヤレスキーボードとマウスを、以下の記事で紹介していますので、見てみてくださいね。
おわりに
今回紹介した、スティックPCのおすすめランキングはいかがでしたでしょうか?
出たばかりの頃のスティックPCはスペック的にやや不安な部分があったのですが、世代が新しくなって性能がアップし、より快適に使えて、しかも価格がこなれてきています。スティックPCに興味を持っている人は、これを機に是非購入を検討してみてくださいね。