省スペースで邪魔になりにくいPCケースを探しているなら、ミニタワーが最適です。“ミニ”とは言いますが、近年はパーツの性能が向上しているので、かなり高いスペックのPCを組めますしね。
というわけで今回は、ミニタワーPCケースを選ぶ際に確認したい点などを説明したうえで、ECサイトで入手できる製品から選んだおすすめを紹介していきたいと思います。
ミニタワーPCケースの選び方
それでは早速、ミニタワーPCケースを選ぶ際のポイントを解説していきたいと思います。
対応するマザーボードはMicro-ATX以下
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マザーボードのうち最も一般的なフォームファクタであるATXはサイズが305×244㎜、PCIスロットは×7、メモリスロットは×4です。これは基本的に、ミドルタワー以上のPCケースが対応します。
そして、よりサイズの小さなミニタワーPCケースでは、次のようなATXより小さいMicro-ATX以下のマザーボードを使用することになります。
ほとんどのミニタワーPCケースはMicro-ATXとMini-ITXの両方に対応しています。ただし中には、より小さいMini-DTXまたはMini-ITXにしか対応していない製品もあるため、この点は要確認です。
コスパ優先 or スペック優先で選ぶ(価格帯で選ぶ)
PCケース全般に言えることですが、製品は大きくコスパ優先のモデルと、スペック優先のモデルに分けることができます。
コスパ優先モデルは、基本的に初心者向けで、価格が抑えられてます(安いものだと、4,000円以下のものもあります)。スペック的には、もちろん必要最低限は満たしていますが、付加的な機能はほぼありません。
スペック優先モデルは、基本的に中・上級者向けで、価格はやや高めです(1万円以上や、中には2万円以上するものもあります)。高いスペックを有していて、さらに拡張性が高く、付加的な機能を有していたりもします。
サイドパネルの仕様で選ぶ
PCケースのパネルの仕様には、主に次のものがあります。
仕様 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
防音パネル | スチール製のパネル内側に、遮音材が貼られている。 | 静音性が高い。 | 内部パーツを鑑賞することができない。 |
アクリル・強化ガラス製サイドパネル | サイドがアクリル・強化ガラス製のウインドウになっている。 | LED搭載のパーツを組み込んで、イルミネーションを楽しめる。 | 静音性は高くない。 |
メッシュパネル | パネルにメッシュが採用されている。 | 通気性に優れる。 | 内部のノイズが外に漏れやすい。 |
通常仕様 | スチール製のパネルが、そのまま取り付けられている。 | 価格が安い。 | 内部パーツを鑑賞することができない。 静音性は高くない。 |
アクリル・強化ガラスパネルでLEDパーツを鑑賞
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LEDが付いたグラフィックボードやファンなどパーツを組み込んで、そのイルミネーションを鑑賞したいなら、アクリル・強化ガラス製のサイドパネルを搭載した製品にしましょう。対応するマザーボードなら、LEDの発光をコントロールして、多様な光の演出をすることもできます。
アクリルと強化ガラス、そして通常のガラスのメリットとデメリットを比較すると、次のようになります。
アクリル | 強化ガラス | 普通のガラス | |
---|---|---|---|
強度 | ◎(割れない) | ◯(割れにくい) | △(割れる) |
キズ | × | ◯ | ◯ |
重量 | ◎(軽い) | △(重い) | △(重い) |
防音パネルでノイズを漏らさない
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ファンやHDDなどのパーツが発するノイズが漏れるのを防ぎたい場合は、遮音材が貼られた防音パネルを搭載した製品にしましょう。こうした製品なら、動画の視聴などの際に、余計な音に邪魔されることなく、より集中することができます。
エアフローを稼ぐならメッシュパネル搭載モデルに
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グラフィックボードやCPUなどの内部パーツが発する熱が気になる場合は、フロントやトップがメッシュパネルになった製品が適しています。ここから新鮮なエアーを吸い込んで、後方に向かってエアフローを構築すれば、より効率的に内部の熱を外に排出してくれます。
ただし、メッシュパネルは防音性に乏しいので、ノイズが増してしまう可能性があることを踏まえておく必要があります。
エアフローに優れる「デュアルチャンバー」がスタンダード
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「デュアルチャンバー」の「チャンバー」(chamber)は、「小さな部屋、室」という意味です。なので、これがデュアルということは、PCケース内が2つに区切られているということになります。
具体的には、PCケースの内部を、大きな熱源であるCPU・グラフィックボードのある上部と、やはり大きな熱源である電源ユニット・HDDのある下部で区切って、エアフローをそれぞれで最適化する、という構造です。そして、「デュアルチャンバー」が現在のPCケースのスタンダードになっています。
ドライブベイの数は最低限でOK
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最近は、2.5インチSSDや3.5インチHDDの大容量化が進んで複数台を搭載することは少なくなっていますし、マザーボードはM.2 SSD用のスロットがあるものがほとんどです。なので、2.5/3.5インチドライブを搭載するベイの数は最低限でもOKです。
また、PCソフトをCD-ROMで配布することや、映像作品をDVDやBlu-rayで見る機会は少なくなっています。これらは、Webサイトからのダウンロードや配信サービスで済ませられますからね。なので、DVDドライブを搭載するための5.25インチベイはなくてもよいと言えます。
CPUクーラーやグラフィックボードなどの最大寸法を確認
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外形寸法が小さいミニタワーPCケースは、やはりCPUクーラーの最大高さや、グラフィックボードの最大長さも小さくなりがちです。製品によっては、大きなパーツが取り付け不可の場合も。なので、その製品がどれくらいの大きさに対応しているのかを、しっかり確認しましょう。
冷却ファンの数は2基か3基で可
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自作PCの一般的な構成(CPU、グラフィックボードを1枚、システム用のSSD、データ保存用のHDDなど)であれば、PCケースの背面と前面にファンが計2基、多くても3基あれば必要十分なエアフローが得られます。
そして、ほとんどのミニタワーPCケースがこの要件を満たしていて、ファンが計2基か3基くらいは積めるようになっています。
【コスパ優先】ミニタワーPCケース おすすめ
それではここから、ミニタワーPCケースのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。まずは、コスパ優先のモデルを紹介し、その後にスペック優先のモデルと続きます。
Thermaltake Versa H17
フロントはメッシュパネル、ファンは最大5基、コスパが優秀
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フロントにメッシュパネルが搭載された製品。ここから冷たい外気を取り込むことができます。ファンは標準でリアに1基ですが、もちろんフロントにも取り付けることができるので、そうすればフロントからリアへの高いエアフローを設計できます。
外観は全体的にシンプルでスッキリしているので、飽きずに使えそう。そして、価格がかなり手頃で導入しやすいですね。
ZALMAN T3 PLUS
サイドは強化ガラス、フロント側面にインテーク用スリット、奥行き(D)が小さいケース
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フロントの側面にエアインテーク用のスリットが設けられ、トップもメッシュ構造となっていて、豊富なエアフローによって冷却できる製品です。強化ガラス製のサイドパネルの脱着は工具不要で、4つの手回しネジによって固定されています。
そして、奥行き(D)が355㎜と、他のケースと比べてかなり小さめなので、設置スペースに奥行きを取れない場合には重宝しそうです。
Thermaltake S100 TG
強化ガラスのスイングドアパネルを搭載、トップとボトムにダストフィルター
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左サイドには、強化ガラスのスイングドアパネルを搭載。簡単に開閉できてケース内部へのアクセスしやすくなり、メンテナンス性が向上します。そして、透明なので、内部にLED付きのパーツを装着するなどしてドレスアップするのも良いですね。
トップに装着できる冷却ファンは、最大で200㎜のものを1基。ファンは、大きいほど冷却性能が増し、静かになるので、優れた冷却性能と静音性が両立できます。そして、トップとボトムにはダストフィルターを装備し、ホコリの侵入を最小限に防いでくれます。
紹介しているのはSnow Edition(ホワイト)で、他のカラーバリエーションとしてブラックもあります。
DeepCool MACUBE 110
サイドの強化ガラスパネルはマグネット式、調節可能な各パーツ用のホルダーを搭載

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特徴的なのは、強化ガラス製のサイドパネルがマグネット脱着式になっていること。ネジを回す必要もなく、位置を合わせたり、少しずらすだけで脱着することができます。
また、各パーツのホルダーの位置が調節可能で、レイアウトの自由度が高くなっています。たとえば、下部にあるHDDケージは移動・取り外し可能。この位置をずらすと、電源ユニットの設置スペースを増やすことができます。また、グラフィックボード用のホルダーも位置調節ができ、SSDホルダーは工具不要のプッシュピン方式となっています。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてホワイトもあります。
Antec DP301M
サイドは強化ガラス、フロントにデザインメッシュとARGB LED、LEDモードコントロールボタン
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フロントパネルが印象的なPCケース。カットにデザイン性があるだけでなく、メッシュになっているので、ここからエアーをケース内部に取り込むことができます。
また、カットの裏側にARGB(アドレサブルRGB)LEDを搭載。これは、フロント上部にあるLEDモードコントロールボタンで制御できるので、ワンボタンで多彩なイルミネーションを楽しむことができます。
ZALMAN Z1 Iceberg
サイドは強化ガラス、独自の多角形デザイン、サイドはヒンジ式で開閉、ハンドル付き
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フロントパネルが、氷山からインスピレーションを得たという、多角形デザインになった製品。向かって左の面は、吸気のためのメッシュ構造です。また、ケース表面はパウダーコートコーティングが施されていて、美しさはもちろん、耐久性も高くなっています。
サイドパネルは3㎜厚の強化ガラス製で、ヒンジ式となっており、さらにハンドルも付いているので、開閉がかなり容易そう。また、ダストフィルターが各所に付いているので、ホコリの除去も簡単に行うことができます。パーツ交換やメンテナンスの頻度が上がりますね。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてホワイトもあります。
Cooler Master Q300L V2
サイドは強化ガラス、フロント・トップ・ボトムにマグネット式ダストフィルター、横置き対応
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サイドパネルは強化ガラス製で、フロント・トップ・ボトムにマグネット式ダストフィルターを装備した製品です。フロントとトップのダストフィルターの奥に助けて見えるたくさんの吸気孔が、独特の雰囲気を醸し出していますね。
そして、ケース側面に横置き用のゴム足を装備しているので、縦置きと横置きの両方に対応。設置スペースの状況に応じて変えられます。
Cooler Master MasterBox Q300L
アクリルサイドパネルは“縁なし”、モジュラー型I/Oパネル、横置き対応、幾何学模様のダストフィルター
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アクリル製のサイドパネルは“縁なし”の仕様という製品です。そして、サイドにあるI/Oパネルは、枠ごと90°回転や180°回転をさせて、使いやすい位置にすることができるモジュラー型となっています。また、アクリルの反対側の面には、足用のゴムがついてネジが使われているので、そちらを下にしてケース横置きにも対応しています。
そして、フロントとトップに施された幾何学模様は、単なるデザインではなく、マグネット装着式ダストフィルターとなっています。なので、ここをエアーが通り抜けることで、内部パーツを冷却してくれるようになっています。
【スペック優先】ミニタワーPCケース おすすめ
続きまして、スペック優先のミニタワーPCケースのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。こちらは価格が少しお高めになります。
Cooler Master MasterBox MB311L ARGB
通気性重視の「ファインメッシュ」、標準でARGBファンが2基、小型のARGBコントローラー
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フロントに独自の「ファインメッシュ」を採用した製品。「ファインメッシュ」は、通気性を確保しながらも、ホコリの侵入を防ぐフィルター機能もあわせ持っているとのことです。さらに、フロントの両サイドにハニカム形状の給気口を、トップパネルにもメッシュを採用し、最大限の通気性を発揮してくれます。
そして、フロントのARGB(Addressable RGG)ファンを標準で2基搭載。しかも、小型のアドレサブルRGBコントローラーも付属しているので、もしマザーボードがARGBに対応していなくても、カラフルなライトアップをすぐに楽しむことができます。ケース前方下部のドライブケージが着脱式になっていて、これを前方にずらしたり、取り外したりすることで、サイズの大きな電源ユニットにも対応することができるようになっています。
Sharkoon SHA-V1000W RGB
サイドは強化ガラス、3基の120mm ARGB LEDファン、5.25インチベイに光学ドライブ搭載可
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サイドパネルは強化ガラス製で、フロントはメッシュ、そのメッシュの奥にARGB LEDファンを2基搭載した製品です。リアにもARGB LEDファンを1基搭載しているので、標準で3基搭載になります。そして、トップ・フロント・ボトムには、取り外し可能なダストフィルターを装備しているので、メンテナンスも容易です。
そして、5.25インチベイがあるので、光学ドライブの搭載が可能です。ただし、5.25インチベイの部分が前に少し飛び出しているような形になるので、ここは好みが分かれるかもしれません。
ASUS PRIME CASE MESH
6面がフィルターのようなメッシュパネル、クリップ構造で工具不要のサイドパネル
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ケースの6面がメッシュパネルになっている製品。メッシュは精密加工された1.5㎜径の細かい穴で構成されていて、通気性を高め、ホコリの侵入を抑えてくれます。また、透明ではないものの、内部のパーツを見ることができます。
サイドパネルは、ネジやヒンジではなく、クリップ式なので、簡単に取り外すことができます。また、ボトムには120㎜ファンを2基搭載可能で、そこを覆うダストフィルターも搭載されています。フィルターは容易に脱着できる仕様なので、掃除も簡単。
そして、珍しいのが、電源ユニットをフロントに配置するという点。電源ユニットのファンがフロントから吸気して、上方向に排気・排熱するレイアウトになっています。
Fractal Design Pop Mini Silent Black Solid
フロント・両サイド・トップに防音パネル、エアフローに優れた“オープンレイアウト”、3基の静音ファンを標準搭載、小物入れもあり
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防音パネルをフロント、両サイド、トップに搭載した製品です。特徴は“オープンレイアウト”を採用していること。これは、ケース内部の空間に余裕をもたせて効果的なエアフローを生み、冷却性能を高めた仕様です。
ファンは標準でフロントに2基、リアに1基です。これは、同社の「Aspect 12」という製品で、気流の乱れの抑制など静音技術が詰まっています。ケース下部には5.25インチベイがあり、光学ドライブを搭載するか、または小物入れとしても使用できます(光学ドライブと小物入れは、いずれか一方のみ)。
Fractal Design Pop Mini Air RGB White TG
サイドは強化ガラス、「オープンレイアウト」で高いエアフロー性能、優れたメンテナンス性
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サイドパネルは強化ガラス製で、さらにエアフローも重視しているというPop Airシリーズの製品。フロントパネルはハニカムデザインのメッシュで、ここから冷たい空気を取り込むことができます。また、内部空間を広くしエアフローを向上させて冷却性能を重視した「オープンレイアウト」を採用しています。
そして、メンテナンス性に優れるのも、この製品の特徴。ケース各所には、ダストフィルターを搭載しているので、ホコリの清掃が簡単です。内部には、ケーブルマネジメント用の専用スペースと、ベルクロストラップを装備。ケース下部の5.25インチベイには、光学ドライブはもちろん、USBメモリーやSDカードなどを収納できる小物入れを付けることもできます(光学ドライブと小物入れは排他利用)。
紹介しているのはホワイトで、他のカラーバリエーションとしてブラックもあります。
Fractal Design Torrent Nano
サイドは強化ガラス、フロントに大型180㎜ファン、フロントのデザインが特徴的
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サイドパネルは強化ガラス製の製品で、このパネルは工具不要のプッシュロック式なので、取外しが簡単に行えます。そして、フロントに180㎜という大型のファンを搭載しているのが大きな特徴。このファンは、メーカー独自の「Prisma AL-18 PWM」で、エアフローが高く、かつ非常に静かに動作します。そして、フロントデザインが独特ですね。
珍しいのが、電源ユニットとドライブベイが上部になるデュアルチャンバー構造であること。そのため、グラフィックボードはケース下部に設置することになります。これにより、ボトムの吸気孔からグラボを冷却するためのエアフローを得ることができるようになっています。
なお、対応マザーボードはMini-ITXとMini-DTXで、Micro-ATXは非対応となっているので注意しましょう。
おわりに
今回は、ミニタワーPCケースのおすすめを、コスパ優先モデルと、スペック優先モデルで分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ミニタワーだと、拡張性が犠牲になる部分がどうしても出てきてしまいますが、それでもメーカーの創意工夫によって尖ったスペックを有する製品もありますね。上記を参考にして、“ミニ”でも、どこか尖ったPCを組み上げてください