
AcerのM.2 SSD、Predator SSD GM6 2TBを購入しました(写真中央)。今回はこの製品のベンチマークの結果、購入の経緯、取り付けとデータ移行作業などについて書いてみたいと思います。
目次
Acer Predator SSD GM6 2TBを紹介
十分なスペックでコスパが優秀、Acer製品は使用経験有り

内部接続はNVMe2.0/PCIe 4.0×4、容量は2TBです。カタログでの速度は、シーケンシャルで最大読み取り7,200MB/s、最大書き込み6,200MB/sとなっています。
購入したのは2025年10月31日で、Amazonのセール価格で15,291円でした(価格はその後、変更されている場合があります)。
この容量・速度、そしてこの価格なら、かなりコスパが優秀な製品ではないでしょうか。
また、Acerの製品は、だいぶ昔ですがモニターを使っていたことがあり、映りもキレイで長持ちするなど、とても良い製品だったので、「このメーカーなら安心できるかな」と思って購入しました。
ベンチマーク結果は、ほぼカタログスペック通り

CrystalDiskMark 9.0.1を実施してみたところ、シーケンシャルで読み取り7,106.28MB/s、書き込み6,345.02MB/sと、ほぼカタログスペック通りの結果となりました。これなら満足です。
購入の経緯
Predator SSD GM6 2TBの購入に至った経緯を簡単に言うと、使用している2つのM.2 SSDのうちの1つの寿命が近くなったのと、もう1つの空き領域が残り僅かとなったためです。
PLEXTOR PX-256M8SeGの寿命が近い

現在、Cドライブ(起動ディスク)にしているM.2 SSDのPLEXTOR PX-256M8SeG(PCIe 3.0×4)ですが、カタログスペックは総書込みバイト量が160TBW、速度がシーケンシャルで最大読み取り2,400MB/s、最大書き込み1,000MB/sです。これは2017年12月に購入したもので、約8年も使っています。
そのため…

CrystalDiskInfoでの健康状態が、36%にまで低下してしまっています(原稿執筆時には、さらに35%まで低下)。また、総書込量は132,602GBなので、スペックにある160TBWの約83%に達しています。現時点では「起動できない」などの致命的な症状は現れていませんが、常々速度の低下は感じていました。

そこで、CrystalDiskMark 9.0.1を実施してみると、シーケンシャルで読み取り2,159.28MB/s、書き込み111.83MB/sという結果になりました。読み取りはまあまあですが、書き込みが圧倒的に遅くなっています。これはもう寿命ですね。
Samsung SSD 970 PRO 512GBの空き領域が残り僅か、でも性能は健在


現在、データ用のEドライブにしているSamsung SSD 970 PRO 512GB(PCIe 3.0×4)の空き領域が、16.9GBとかなり少なくなっています。そのため、iPhoneで撮影した動画データが全部保存できずに、一部をHドライブのHDDに保存しなくてはならないなど、使い勝手が悪くなっている場面が出てきています。
ただ、購入したのは2018年5月で、約7年半も使っている割には、

CrystalDiskInfoでの健康状態は100%と、全く問題ありません。
また、カタログの「保証」のところにある総書込みバイト量は600TBWなのですが、CrystalDiskInfoでの総書込量は7,780GBと、まだまだ全然余裕です。

速度の方も健在。カタログスペックでのシーケンシャル速度は最大読み取り3,500MB/s、最大書き込み2,300MB/sなのですが、CrystalDiskMark 9.0.1の結果は読み取り3,567.94MB/s、書き込み2,344.72MB/sと、全く衰えていません。
なので、保存するデータ量に配慮さえすれば、まだまだ使えます。
Predator SSD GM6 2TBをEドライブに、Samsung SSD 970 PRO 512GBをCドライブに変更しよう


以上を総合的に検討した結果、AcerのPredator SSD GM6 2TBの購入に至りました。これをデータ用のEドライブにします。
そして、現在EドライブのSamsung SSD 970 PRO 512GBを、Cドライブ(起動ディスク)に変更します。
現在CドライブのPLEXTOR PX-256M8SeGは引退となります(ただし、予備として取っておきます)。
マザボへの取付け・フォーマット
M2Q_SB(PCIe 4.0×4)に装着

マザーボードはGIGABYTE Z890 EAGLE WIFI7で、M.2スロットは4つです。
そして、M2A_CPU(PCIe 5.0×4)にPLEXTOR PX-256M8SeG(PCIe 3.0×4)を、M2B_CPU(PCIe 4.0×4)にSamsung SSD 970 PRO 512GB(PCIe 3.0×4)を装着していました(スロットの性能が全然活かされていない…)。
なので、とりあえず空いているM2Q_SB(PCIe 4.0×4)に、今回購入したPredator SSD GM6 2TB(PCIe 4.0×4)を装着しました(ここは、スロットの性能とピッタリです)。
Fドライブとしてフォーマット

Windows 10(EUS登録済み)を起動して「ディスクの管理」を立ち上げると、初期化を促すウィンドウが表示されました。「OK」をクリック。

Predator SSD GM6 2TBが「未割り当て」になっているので、右クリックして出てきたメニューから「新しいシンプルボリューム」をクリックします。
サイズやドライブレターの設定など、いくつか手順を踏んで…

Fドライブとしてフォーマットが完了しました。
データのクローン・ドライブレターの交換
Samsung SSD 970 PRO 512GB(Eドライブ)のデータを、Predator SSD GM6 2TB(Fドライブ)にクローンします。その後、ドライブレターEとFを交換して、Predator SSD GM6 2TBをデータ用のEドライブとして使用できるようにします。
Eドライブのデータをクローン

EaseUS Partition Manster Freeを使います。

Samsung SSD 970 PRO 512GB(Eドライブ)は、Partition Mansterでは「ディスク3」が該当するので、これを選んでから、上部にある「クローン」をクリック。

ターゲットとして、Predator SSD GM6 2TB(Fドライブ)に該当する「ディスク4」を選んで、「次」をクリック。

すると「注意 クローン操作はターゲットディスクの全データを消去します…」というメッセージが表示されるので、そのまま「続ける」をクリック。

クローン後のターゲットディスクのレイアウトはデフォルトの「ディスクを自動調整」のままで、「実行」をクリック。

クローンが始まって、

しばらくすると、完了しました。
ドライブレターを交換
Samsung SSD 970 PRO 512GB(Eドライブ)とPredator SSD GM6 2TB(Fドライブ)のドライブレターを交換します。
手順としては、まずSamsung SSD 970 PRO 512GB(Eドライブ)をIドライブに変更 → Predator SSD GM6 2TB(Fドライブ)をEドライブに変更 → Samsung SSD 970 PRO 512GB(Iドライブ)をFドライブに変更、というようになります。
この作業も、やはりEaseUS Partition Manster Freeを使います。

Eドライブを右クリックして出てきたメニューから「ドライブレターを変更」をクリック。

「次のドライブレターを割り当てます」のところで「I」を選んで「OK」をクリック。

同様に、Fドライブを右クリックして出てきたメニューから「ドライブレターを変更」をクリックし、

「次のドライブレターを割り当てます」のところで「E」を選んで「OK」をクリック。

またまた同様に、Iドライブを右クリックして出てきたメニューから「ドライブレターを変更」をクリックし、

「次のドライブレターを割り当てます」のところで「F」を選んで「OK」をクリック。

上部左の「3つの操作を実行する」のところは、マウスオーバーで上記の3つの作業が表示されます。そして、「3つの操作を実行する」をクリック。

「保留中の操作」というウィンドウが表示されるので、「適用」をクリック。

すると「使用中のデバイス」と表示されてしまいました。該当ディスク/パーティションが「Windowsのサービスのホスト プロセス」に占用されているとのこと。よく分かりませんが、とりあえずデフォルトの「解除するか工程を完了してから操作を実行してください。(再起動は必要ありません)」のまま(「再起動は必要ありません」の文字に惹かれて)「OK」をクリックしました。
しかし…

結局はPCの再起動が必要みたいです。「はい」をクリック。


すると、PCが2回再起動して、その途中で上記の文字が表示されました。

再起動後にエクスプローラーで「PC」を見てみると、ちゃんとPredator SSD GM6 2TBがEドライブ、Samsung SSD 970 PRO 512GBがFドライブになっていました。
そして、Eドライブは「空き領域 1.41TB/1.86TG」と、かなり余裕のある状態となりました。これで、心置きなくデータを保存できます。
Windows 10をSamsung SSD 970 PRO 512GBから起動させる
現在CドライブのPLEXTOR PX-256M8SeGに入っているWindows 10を、上記の作業でFドライブとなったSamsung SSD 970 PRO 512GBにコピーします。そして、Samsung SSD 970 PRO 512GBをCドライブとしてWindows 10を起動させます。
このために3つの方法を試しましたが、結論から言うと最初の2つは失敗しました。理由は、使用したEaseUS Partition Manster FreeとEaseUS Todo Backup Freeが無料版だったから(=有料版が必要だったから)です。
しかし、諦めずに試してみたところ、EaseUS Todo Backup Freeで取ったバックアップの「復元」と、EaseUS Partition Manster Freeの「ディスクレイアウトの調整」を使うことで、なんとか無料のまま成功することができました。
以下に、試してみた3つの方法です。
EaseUS Partition Manster Freeの「OSを移行」(※有料版が必要)

EaseUS Partition Manster Freeで、Cドライブに該当する「ディスク2」を選択し、上部にある「OSを移行」をクリック。
この後いつくか手順を踏んだのですが、上手くいかなかったので省略します。

そして、「OSを移行」を実行しようとしたところ、「すべての機能を利用するにはProバージョンにアップグレードする必要があります」、「4,980円(税抜)」と出てしまったため、ここで断念しました(どうしても無料でやりたい!)。
EaseUS Todo Backup Freeの「システムクローン」(※有料版が必要)

EaseUS Todo Backup Freeを立ち上げます。
ちなみに、筆者はこのソフトで定期的にバックアップを取っています。

そして、左のメニューの下の方にある「システムクローン」をクリックするのですが、そこには鍵のマークが…(これは有料版でないと使えない、というマークです)。しかし、見なかったことにして次に進みました。
この後いつくか手順がありましたが、上手くいかなかったので省略です。

そして、やはり「ライセンス認証」、「3,980円(税抜)」と出てしまい、ここで断念しました。
EaseUS Todo Backup Freeでバックアップ復元 & Partition Manster Freeでディスクレイアウト調整
EaseUS Todo Backup Freeでバックアップ復元
まず、前述のように、筆者はEaseUS Todo Backup Freeで定期的にバックアップを取っていて、いつでも復元できるよう同ソフトのブータブルディスクの作成もしています。
そして今回のために、新たにバックアップを取りました。これを復元するために、

ブータブルディスクからPCを起動します。

メイン画面の右上にある「復元」をクリック。

バックアップを取ったディスク2(PLEXTOR PX-256M8SeG)の内容が表示されます。そのまま「次へ」をクリック。

復元先としてディスク3(Samsung SSD 970 PRO 512GB)を選択します。ここで、「高度なオプション」をクリックし、

「SSDに最適化」を選んで「OK」をクリック。

先程の画面に戻って、「実行」をクリック。
なのですが…

「セクターごとの復元をするために必要な容量がありません。セクター毎復元以外の方法で復元しますか?」と質問されてしまいました。「大丈夫かな?」と思いつつも、とりあえず「はい」をクリック。

やっぱりダメでした。「ターゲットディスクに十分な空き容量がありません」とのことです。やはり、Samsung SSD 970 PRO 512GBは一度、初期化した方がよさそうです。
ということで、Windows 10を起動させて、

ディスクの管理で、ディスク3(Samsung SSD 970 PRO 512GB)のFドライブを削除します。右クリックで出てきたメニューから「ボリュームの削除」をクリック。


二度の確認が求められました。いずれも「はい」をクリック。

ディスク3(Samsung SSD 970 PRO 512GB)が無事に「未割り当て」となりました。
そして、先程と同じ手順でEaseUS Todo Backup Freeのブータブルディスクから起動させて進んでいき、

「高度なオプション」の「SSDに最適化」を選んで「OK」をクリック。今度は「容量がありません」といった警告は出ませんでした。

復元先を選ぶ画面に戻って、「実行」をクリック。

今度は復元が始まりました。

1時間30分以上も待たされましたが、無事に復元が完了しました。

再起動して、BIOSの「Boot Option Priorities」の「Boot Option #1」に「Windows Boot Manager(Samsung SSD 970 PRO 512GB)」を設定します。

こうして無事に、Samsung SSD 970 PRO 512GBをCドライブとしてWindows 10を起動させることができました。
しかし、これで終わりではありません。
EaseUS Partition Manster Freeでディスクレイアウト調整

このままだと、Samsung SSD 970 PRO 512GBに未割り当て領域が239.02GBもある状態になっています。なので、Cドライブの領域を広げて、未割り当てをなくします。
EaseUS Partition Manster Freeを使います。

Samsung SSD 970 PRO 512GBに該当する「ディスク3」を右クリックして出てきたメニューから「ディスクレイアウトの調整」をクリックします。


「C」の右端の点をドラッグしてパーティションサイズを最大にし、「適用」をクリック。

上部左の「1つの操作を実行する」のところは、マウスオーバーで上記の「ディスク3のスマートサイズ変更」が表示されます。そして、「1つの操作を実行する」をクリック。

「保留中の操作」というウィンドウが表示されるので「適用」をクリック。

操作が始まって、すぐに100%完了しました。

ディスクの管理を見てみると、ちゃんとCドライブが476.84GBになっています。

エクスプローラーで「PC」の方も確認すると、Cドライブが「空き領域 307GB/476GB」と表示されていました。
M.2 SSDのレイアウトを変更

前述のように、マザーボードの4つのM.2スロットには、現時点で次のようにM.2 SSDが装着されています。
なのですが、やはり起動ディスクにしたSamsung SSD 970 PRO 512GB(PCIe 3.0×4)をM2A_CPU(PCIe 5.0×4)に装着したいですよね。
また、データ用で頻繁にアクセスするPredator SSD GM6 2TB(PCIe 4.0×4)は、M2B_CPU(PCIe 4.0×4)に装着した方が良いですよね。
ということで、

そのようにしました。
この後、PCの電源をONにした際には、「Fixing(C:) Stage ○: ○○%…」といった表示が出てきましたが、無事にWindows 10が起動し、正常に使用できています。
ソフトの起動速度がわずかに向上
全ての作業を終えて、いつものようにPCを操作していたらところ、エクセルやワードなどのソフトの起動が少しだけ速くなったように感じました。やはり起動ディスクを、寿命が近づいていたPLEXTOR PX-256M8SeGからSamsung SSD 970 PRO 512GBに変更したことが影響しているのではないでしょうか。
おわりに
今回購入したコスパの高いAcerのM.2 SSD、Predator SSD GM6 2TBへのデータ移行、そしてSamsung SSD 970 PRO 512GBの起動ディスク化は、無事に成功しました。また、これらの作業はいずれも無料ソフトで行うことができたので良かったです。
ただ、上記のように起動ディスクをSamsung SSD 970 PRO 512GBに変更してソフトの起動速度がわずかに向上したので、次は起動ディスクのM.2 SSDを、M2A_CPU(PCIe 5.0×4)スロットに合わせて、PCIe 5.0×4のものにしたいな~、という考えが浮かんできてしまいました。欲望は尽きないです。




