PCのキーボードは「コンパクトな方がいい」、でも「入力にテンキーは欠かせない」というユーザーはけっこういるかと思います。そうしたニーズに対応するキーボードは、もちろんありますよ。
というわけで今回は、コンパクトかつテンキー付きのキーボードの選び方を説明したうえで、市販されている製品の中から選んだおすすめを紹介したいと思います。
目次
テンキー付きコンパクトキーボードの特徴
選び方の前に、まずはテンキー付きコンパクトキーボードの特徴について見ていきます。
キーボードのサイズ感は?
キーボードをサイズで見ると、大きく「フルサイズ」、「テンキー付きコンパクト」、「コンパクト(テンキーなし)」に分かれます。
上図のように、「フルサイズ」はテンキーが付いていて、さらに PgUp PgDn などのキー、大きめのカーソルキーが付いています。そして、すべてのキーが大きいので、打鍵はしやすいと言えます(個人差あり)。ただし、幅は440㎜程度と、他と比べると大きくなります。
「テンキー付きコンパクト」は PgUp PgDn などのキーが省略されていて、カーソルキーが小さくなっています。そのため、幅370㎜程度にコンパクト化が図られています。ただし、小さいカーソルキーは打鍵しにくいですし、Enter 近くのキーが小さくなっているものが多いです。
「コンパクト(テンキーなし)」は、テンキーや PgUp PgDn などのキーが省略されていて、カーソルキーも小さくなっています。そのため、幅300㎜程度と、かなりコンパクトになっています。ただし、テンキーがないので数字入力はしにくく、カーソルキーも小さくて、Enter 近くのキーが小さくなっているものが多いです。
コンパクトキーボードのスイッチは「パンタグラフ」がほとんど
キーボードで採用されているキースイッチには、「メカニカル」、「メンブレン」、「パンタグラフ」があります。
メカニカル:確実な感触と音がする
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バネと機械による電気スイッチを用いているのが、メカニカル方式です。特徴は、押下したときの確実な感触、「カチっ」という音(静かな製品もある)、高い耐久性などです。ただし、パーツ点数が多く構造が複雑なので、それなりの高さが必要になり、他よりも高価になりがちです。
メンブレン:他より安価
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「メンブレン」は、日本語では「膜」という意味。そして、接点シート(膜)をスイッチとし、ラバードームを組み合わせたのがメンブレン方式です。特徴は、キーストロークが深くなる、反発が強い、他より安価につくれる、などです。ただし、キーの中心以外では少し引っかかる感じがして押下しにくいです。
パンタグラフ:薄い
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スイッチは接点シート(膜)で、そこにパンタグラフを組み合わせたものです。特徴は、薄くつくれる、キーストロークは浅くて軽い、キーの中心からずれても押下しやすい、などです。ただし、メンブレンよりは高価になります。
そして、コンパクトキーボード(テンキー付き、テンキーなしのどちらも)に採用されているキースイッチはパンタグラフがほとんどです。やはり、コンパクトなものは、携帯性を考慮して、薄さも大切ということですね。
テンキー付きコンパクトキーボードの選び方
ここからは、テンキー付きコンパクトキーボードの選び方を見ていきましょう。
無線2.4GHzかBluetoothか(スマホなどでも使うか、PCのBIOSでも使うか)
キーボードには有線のものもありますが、最近はワイヤレス接続のものが多いので、ここではワイヤレス接続の方式について見ていきます。この方式には、無線2.4GHzと、Bluetoothがあり、それぞれ次のような特徴があります。
無線2.4GHz:PCのBIOS画面でも使える、簡単に接続、価格が安い
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無線LANなどのワイヤレス機器で一般的に用いられている2.4GHz帯の電波によって接続します。以下のようなメリット・デメリットがあります。
Bluetooth:スマホやタブレットでも使用可
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Bluetooth規格を用いて接続します。以下のようなメリット・デメリットがあります。
上記のうち、スマホやタブレットでも使うか、PCのBIOS画面で使うか、ということが実用上の大きな問題になり得ます。なので、この点を踏まえて接続方式を検討すると良いでしょう。
適切なキーストロークは疲れにくい・ミスしにくい
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キーストローク(キーを押したときの深さ)は、パンタグラフでは1.5~2㎜です。これは、浅い方が、キーの押下に力が必要ないので、疲れにくくなります。ただし、浅すぎるとキーの反応が敏感になり過ぎて、入力ミスに繋がります(個人差あり)。
なので、(既に使用しているキーボードがある場合は、そのキーストロークの数値も踏まえて)自分に合ったものを選びましょう。
適切なキーピッチとアイソレーションはミスの軽減に寄与する
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キーピッチ(隣り合うキーの中心から中心までの距離)は、19㎜が標準です。これより狭いと、一般的にはミスタッチが増えてしまいます。
また、キーとキーがある程度の間隔で空いているアイソレーションのタイプもあり(Isolation:分離、独立)、これによって入力ミスを軽減することができます。
なので、この「キーピッチ19㎜」と「アイソレーション」ということを考慮してキーボードを選ぶと良いでしょう。
電池寿命の長い製品でランニングコストを下げる
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ワイヤレスキーボードでは、基本的に電源として乾電池を使用します。電池寿命は製品によってけっこう違っているので、この点を確認しておきましょう。やはりランニングコストは大切ですから。
また、製品の中には内蔵バッテリーに充電するタイプのものもあります。これなら、かなりランニングコストが下がりますね。なお、この場合は充電にどれくらいの時間がかかるのかも確認しましょう。
【Bluetooth】テンキー付きコンパクトキーボード おすすめ
ここからは、テンキー付きコンパクトキーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。まずは、Bluetooth接続の製品を紹介し、その後に無線2.4GHz接続の製品と続きます。
iClever IC-BK22
【幅366㎜、パンタグラフ、キーピッチ19㎜、キーストローク1.8㎜】大きめの enter キー、バッテリー内蔵の充電式
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幅366㎜のパンタグラフキーボードで、キーピッチは19㎜、キーストロークは1.8㎜となっています。enter が大きめなので、変換を決定する際の打鍵がやりやすそう。Bluetoothはマルチペアリングに対応し、PCやスマホなど3台をボタン1つで切り替えて使用することができます。そして、電源は内蔵バッテリーで、充電ポートはUSB-Cとなっているので、なかなか使いやすそう。充電時間は2時間で、90時間の使用が可能です。
ただし、↑ 、↓ は小さめですね。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてローズゴールド、グレーブラック、シルバー、シルバーブラックもあります。
ロジクール K580GR
【幅373.5㎜、パンタグラフ】静音キーを採用、2台をボタン1つで切り替え、無線2.4GHzでも接続可、スマホホルダー付き、単4乾電池二本で24か月
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幅373.5㎜のパンタグラフキーボードで、静音キーを採用しているので静かな場所でも周りを気にせずに使用できます。Bluetoothは2台までのマルチペアリング対応で、ボタン1つで切り替えが可能(Easy Switch)。同梱されているUSBレシーバー(Unifying USB)で無線2.4GHzによる接続もできます。
そして、キーボード上部にスマホを立てられるホルダー(溝)が付いているので、PCのような感覚でスマホでのタイピングができます。また、自動スリープモードが搭載されていて、単4乾電池二本で24か月という長電池寿命を実現しています。
ただし、↑ 、↓ は小さめですね。
ロジクール K780
7,382円(税込)
【幅380㎜、パンタグラフ】3台をボタン1つで切り替え、中央をくぼませたインカーブキー、スマホ・タブレット両用スタンド付き
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幅380㎜のパンタグラフキーボードです。Bluetoothは3台までのマルチペアリングが可能で、ボタン1つで切り替えが可能(Easy Switch)。同梱されているUSBレシーバー(Unifying USB)で無線2.4GHzによる接続もできます。
そして、中央をくぼませたインカーブキーを採用しているのが特徴で、これにより快適なタイピングを実現しています。上部には、スマホとタブレット両用のホルダー(溝)があります。
ただし、ホルダー(溝)がある分、D158㎜と大きくなっています。また、カーソルキーは小さめです。
エレコム TK-FBP101BK
【幅367.1㎜、パンタグラフ、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】フルサイズと変わらないキーピッチ、ノートPCと同様の打ち心地、3台までのマルチペアリング
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幅367.1㎜のパンタグラフキーボードです。キーピッチは19㎜、キーストロークは2.0㎜と、フルサイズと変わらない仕様で、ノートPCと同じ打ち心地を実現しています(メーカー)。ペアリングは3台まで可能で、キーの組み合わせ( Fn + Q 、W 、E )によって、切り替えることができます。
ただし、Enter の近くのキーと、カーソルキーは小さめとなっています。
サンワダイレクト 400-SKB072
【幅365㎜、パンタグラフ、キーピッチ18㎜、キーストローク1.9㎜】バッテリー内蔵の充電式、3台のマルチペアリングが可能
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幅365㎜のパンタグラフキーボードで、キーピッチは18㎜、キーストロークは1.9㎜となっています。電池不要の内蔵バッテリー式で、充電時間は2時間、使用時間は56時間です。ただ、充電ポートはmicroUSBなので、少し古い仕様ですね(microUSB充電ケーブルが付属)。
ペアリングは3台まで可能で、キーの組み合わせによって、切り替えることができます(上の画像を参照)。これとは別に、OS(Win・Android、Mac、iOS)に応じたキー配列の変更が可能で、別のキーの組み合わせで変更します(下の画像を参照)。なので、同じOSで複数のデバイスで切り替えるのか、異なるOSのデバイスを切り替えるのかで、使い勝手が変わってきそうです。
それから、右の Shift が小さめなので、これが使いにくいと感じる人もいるかもしれません。
Ewin EW-K19202
【幅365㎜、パンタグラフ、キーピッチ19㎜】タッチパッド搭載、3台のマルチペアリング
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幅365㎜のパンタグラフキーボードで、キーピッチは19㎜です。タッチパッドが搭載されているのが大きな特徴で、これによってマウスが別になくても操作が容易にできます。誤入力・誤動作を防止するために、タッチパッドはOFFにすることもできます。
ペアリングは3台まで可能で、OS(Win、Mac、iOS)に応じたキー配列の変更もできます。それぞれ、別のキーの組み合わせで変更するので(下の写真を参照)、複数の同じOSのデバイスか、異なるOSのデバイスかで使い勝手が変わりますね。それから、カーソルキーは小さめです。
【無線2.4GHz】テンキー付きコンパクトキーボード おすすめ
続きまして、テンキー付きコンパクトキーボードで無線2.4GHz接続のおすすめを紹介していきたいと思います。
エレコム TK-QT30DMBK
【幅372.6㎜、メンブレン、キーピッチ19㎜、キーストローク1.4㎜】シリコンラバーによる静音設計、オリジナルフォントを使用
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幅372.6㎜のメンブレンキーボードで、キーピッチは19㎜、キーストロークは1.4㎜となっています。そして、各キートップに装着したシリコンラバーにより、本格的な静音設計となっています(打鍵音を従来比で9割以上低減。メーカー)。
そして、キーに刻印されている文字には、スタイリッシュで見やすいオリジナルフォントを使用しています。また、Windows、ChromeOS、macOSに対応しています。
ただし、上記のようにキーストロークは1.4㎜と浅めなので、好みが分かれるかもしれません。
エレコム TK-FDP099TBK
【幅367.1㎜、パンタグラフ、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】フルサイズと変わらないキーピッチ、ノートPCと同様の打ち心地
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前出のBluetooth接続「エレコム TK-FBP101BK」が無線2.4GHz接続になったモデルです。基本的な部分は同じで、幅367.1㎜のパンタグラフキーボード、キーピッチは19㎜、キーストロークは2.0㎜と、フルサイズと変わらない仕様で、ノートPCと同じ打ち心地を実現しています(メーカー)。
ただし、Enter の近くのキーと、カーソルキーは小さめとなっています。
Arteck HW305-2
【幅362㎜、パンタグラフ】くぼみのあるキートップ、バッテリー内蔵でUSB-C充電式
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幅362㎜のパンタグラフキーボードです。バッテリーを内蔵し、充電して使用します。キートップにはくぼみが設けられていて、快適なタイピングが期待できます。充電ポートはUSB-Cで、USB-Cケーブルも付属しているので、使い回しができそう。満充電にすると、約6か月間使用できます(1日2時間の連続使用を想定)。
ただし、Enter の近くのキーと、カーソルキーは小さめとなっています。
Rucceko B072 2.4G
【幅363㎜、パンタグラフ、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】スマホ用のスタンドが付属、レシーバー用のUSB-A to USB-C変換アダプタが付属
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幅363㎜のパンタグラフキーボードで、キーピッチは19㎜、キーストロークは2.0㎜となっています。WindowsとmacOSに対応しているのはもちろん、USBレシーバーのUSB-AプラグをUSB-Cに変換するアダプタが付属しているので、iPad(iOS)にも対応します。また、スマホやタブレットを立てるスタンドが付属。スタンドは折りたたみ式なので、持ち運ぶのにも適しています。
ただし、Enter と、カーソルキーは小さめとなっています。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとして赤ブラック(天面が赤で、キーがブラック)もあります。
おわりに
今回は、テンキー付きコンパクトキーボードのおすすめを、Bluetooth接続の製品と、無線2.4GHz接続の製品で分けて紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
特に表計算ソフトを使う場合には、テンキーがあるのとないのとでは入力スピードにかなりの差が出てくるかと思います。なので、上記を参考にしてテンキー付きのキーボードを入手して、数字を素早く入力し、思う存分表計算ソフトを使いこなしてくださいね。