ノートPCを外出先で使っているときに困るのがバッテリー切れ。そんなときにモバイルバッテリーでノートPCを充電できたら良いですよね。
というわけで今回は、ノートPCにも充電できるモバイルバッテリーについて、選ぶ際のポイントを解説したうえで、おすすめの製品を紹介したいと思います。
目次
ノートPC対応モバイルバッテリーの選び方
それでは早速、ノートPCにも充電できるモバイルバッテリーを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
USB PD対応で出力45W以上の製品がおすすめ
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モバイルバッテリーでノートPCを充電するためにまず確認したいのは、USB PD(Power Delivery)に対応しているかと、その出力W(ワット)数です。
USB PDは、USB Type-C(USB-C)に対応した給電規格で、理論上では最大100W(20V/5A)という大きな給電能力をもっています。実際のモバイルバッテリーの給電能力は製品によって異なり、18Wや30W、45W、60Wなどさまざまです。
そして、ノートPCを充電するには、最低でも30Wが必要となります。ただし、これは最低限なので、これからモバイルバッテリーを購入するなら、もう少し余裕を持って45W以上のものがおすすめですね。
より詳しく見ると、ノートPCがエントリーモデルなら45W以上、ミドルレンジなら60W以上、ハイエンドなら85W以上のものが良いでしょう。
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左がUSB-A、右がUSB-C
USB-Cのコネクタは、従来のUSB-Aよりも小さくなっています。また、USB-Cは上下左右が対照の形状であるため、向きを気にせずに接続できます(USB-Aでは「向きが逆で差し直し」ということがよくありましたが、USB-Cでは解消されています)。
容量は20,000mAhくらいまでが実用的(外形寸法・重量的に)
容量は10,000mAhか20,000mAhでも十分
バッテリーの容量を表す単位は「mAh(ミリアンペアアワー、ミリアンペア時)」。この「Ah」は「電流(A)×時間(h)」という意味で、たとえば10,000mAhのバッテリーなら「10,000mAの電流を1時間流せる」ということになります。
そして、バッテリーの容量と、ノートPCに充電できる回数の目安は、次のようになります(使用状況等により、実際の充電回数は異なります)。
そして、たとえばMacBook Airを外出先で使っていて、緊急的にモバイルバッテリーで充電するといった使い方なら、10,000mAhか20,000mAhでも十分ですね。
より容量が大きいモバイルバッテリーは、その分、充電できる回数が増えるので安心感はあります。ただし、実際にそこまでの充電回数が必要なのかと考えると、そうした場面は少ないのではないでしょうか。
容量は10,000mAhか20,000mAhでも十分
また、容量が大きくなれば、それに比例して外形寸法と重量も大きくなります。たとえば、20,000mAhの製品と30,000mAhの製品を、500mlのペットボトル(中身入り)を比較すると、次のようになります。
■外形寸法と重量の比較
こうして見てみると、20,000mAhのものはペットボトルより少し小さいサイズ感で、「いつもカバンに入れておく」といった普段遣いがアリですよね。しかし、30,000mAhのものだと、少し難しいのではないでしょうか。なので、ノートPC用のモバイルバッテリーの容量は、やはり20,000mAhくらいまでが実用的と言えるでしょう。
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500mlのペットボトルはH210㎜、Φ65㎜、529g(中身入り)程度。20,000mAhのモバイルバッテリーは、これより少し小さいサイズ感
モバイルバッテリーへの充電速度(入力W数)を確認
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出力W(ワット)数と同じくらい重要なのが、入力W数(バッテリー本体への充電速度)です。モバイルバッテリーの容量が大きくなればなるほど、バッテリー本体への充電が遅いというのはかなり耐え難いですからね。なので、この入力W数をチェックしましょう。
なお、USB充電器は、モバイルバッテリーの入力W数に合わせた出力のものにすることも重要です。たとえば、モバイルバッテリーの入力W数が65Wなら、USB充電器は出力が65W以上のものにする、というようになります。もし、この場合に、USB充電器の出力が30Wしかないと、せっかくのモバイルバッテリーの入力W数を活かせず、充電に時間がかかってしまいますからね。
【45W・10,0000mAh~】ノートPC対応モバイルバッテリー おすすめ
ここからは、ノートPC用のモバイルバッテリーのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
基本的には、出力Wと容量の小さい順で掲載していきますので、自分の用途に合ったものを選んでください。まずは、45W・10,0000mAh~です。
ARSZHORSVS SQ-WMPB-10K-45W
【10,000mAh、USB PD対応、最大出力45W、最大入力45W】Qiワイヤレス充電にも対応(出力15W)、LCDインジケーターで%表示、パススルー対応、クレジットカードサイズ、USB-C to USB-Cケーブルが付属
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大45Wで出力し、同ポートで最大45Wの入力ができます(約1時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。Qiワイヤレス充電にも対応し、こちらは出力15Wとなります。
残量はLCDインジケーターによって1%刻みで表示されるので、分かりやすいですね。また、パススルー充電(バッテリー本体の充電をしながら、他のデバイスの充電も行う)にも対応しているので、時間がないときなどに便利です(充電の順序は他のデバイス→モバイルバッテリー)。そして、クレジットカードとほぼ同じサイズなので、持ち運びやすいでしょう。USB-C to USB-Cケーブルが付属しています。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてホワイトもあります。
INIU BI-B62
【15,000mAh、USB PD対応、最大出力45W、最大入力30W】残量を%で表示、低電流モードに対応、収納式のスマホスタンド・LEDライトを搭載、USB-A to USB-Cケーブルが付属
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大45Wで出力し、同ポートで最大30Wの入力ができます(30WのUSB PD充電器を用いた場合、約2時間30分でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。
そして、LEDによって残量を1%刻みで表示してくれるのが分かりやすいです。また、Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスを最適な電流で充電することができる低電流モードにも対応しています。収納式のスマホスタンドとLEDライトも搭載しているので、何かと使い勝手の良い製品と言えるでしょう。USB-A to USB-Cケーブルが付属しています。
モバイルバッテリーは通常、充電先デバイスのバッテリーが満タンになると、出力が小さくなったことを感知して自動的に電源がOFFになるようになっています。
この仕様が、Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスの場合は、問題になります。充電電流が小さいと、モバイルバッテリーの出力も小さいので、モバイルバッテリーの電源がすぐにOFFになって、デバイスの充電ができないのです。
この問題を回避するのが、低電流モードです。このモードでは、モバイルバッテリーの出力が小さくても電源をOFFにせずに(ONのままにして)、充電電流の小さいデバイスでも充電し続けることができます。
【60W~・20,0000mAh】ノートPC対応モバイルバッテリー おすすめ
続きまして、60W~・20,0000mAhのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
MOTTERU MOT-MB20001-BK
【20,000mAh、USB PD対応、最大出力60W、最大入力30W】低電流モードを搭載、最小クラスで持ち運びに最適
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大60Wで出力し(PD出力時はLEDがグリーンに点灯)、同ポートで最大30Wの入力ができます(30WのUSB PD充電器を用いた場合、約3時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。
Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスを最適な電流で充電することができる低電流モードを搭載しています(ボタンを5秒以上長押しでON、2回押しでOFF。3時間で自動的にOFF)。そして、外形寸法は約150×58×25㎜、重量は約320gと、20,000mAhのモバイルバッテリーとしては最小クラスなので、持ち運びに最適です。
CIO CIO-MB65W2C1A-20000-BK
【20,000mAh、USB PD対応、最大出力65W、最大入力65W】USB-Cポートが2基、ドットLEDの数字残量表示、パススルー充電対応
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大65Wで出力し、同ポートで最大65Wの入力ができます(65WのUSB PD充電器を用いた場合、約1時間40分でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。そして、USB-Cポートが2基あり(うち1基は最大出力30W)、USB-Aポート1基と合計で3基あるので、複数持ちのユーザーには便利そうです。
残量表示はLEDなのですが、珍しいドット表示のものを採用しています。また、モバイルバッテリー本体への充電時には、電池マークで充電率を表示。「日常使いに遊び心を」というコンセントらしいです。バッテリーを経由しながらデバイスの急速充電が可能な急速パススルー充電にも対応し、コンセントが一つしかない環境や、両方を充電したいときに活躍します。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてホワイトもあります。
llano llano-PBL1
【20,000mAh、USB PD対応、最大出力65W、最大入力65W】LCDインジケーターで残量を%表示、急速パススルー充電対応機能、USB-C to USB-Cケーブルが付属
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大65Wで出力し、同ポートで最大65Wの入力ができます(15WのUSB PD充電器を用いた場合、約1.6時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。LCDインジケーターを搭載し、残量を1%~100%で表示してくれるので分かりやすいでしょう。
デバイスとモバイルバッテリー本体に同時充電できる急速パススルー充電対応機能を搭載しています。これは、モバイルバッテリーを経由しても、デバイスへの急速充電が可能となる仕様です。外形寸法は約152.4×64×25.4㎜、重量は約360gで、これはiPhone 14と同じサイズ感とのことです(メーカー)。USB-C to USB-Cケーブルが付属しています。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてホワイトもあります。
Alfox AF-PB009
【20,000mAh、USB PD対応、最大出力65W、最大入力65W】USBポートが計4基で4台に同時充電、パススルー機能に対応、ストラップ付き、USB-C to USB-Cケーブルが付属
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大65Wで出力し、同ポートで最大65Wの入力ができます。搭載しているUSBポートは計4基(USB-C×2、USB-A×2)で、4台に同時充電をすることが可能です(USB-Cポートのうち1基は最大出力24W)。ただし、4ポート合計では最大出力15Wとなります。
バッテリーの残量はLEDによる1%単位の表示なので分かりやすく、急なバッテリー切れの心配がないですね。モバイルバッテリー本体を充電しながらデバイスを充電できる便利なパススルー機能にも対応しています。さらに、ストラップが付いているので、手に持ちながらの使用でも落下するリスクが少なくなっています。USB-C to USB-Cケーブルが付属しています。
【100W・20,0000mAh】ノートPC対応モバイルバッテリー おすすめ
最後に、100W・20,0000mAhのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
Charmast C100W
【20,000mAh、USB PD対応、最大出力100W、最大入力45W】USBポートが3基で同時に3台に充電可能、USB-C to USB-Cケーブルが付属
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大100Wで出力し、同ポートで最大45Wの入力ができます(45WのUSB PD充電器を用いた場合、約2時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。
USBポートは3基(USB-C×2、USB-A×1)なので、同時に3台のデバイスに充電することが可能です(USB-Cポートのうち1基は最大入出力20W。このポートに20WのUSB PD充電器で入力した場合、約6時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。USB-C to USB-Cケーブルが付属しています。
UGREEN PB720
【20,000mAh、USB PD対応、最大出力100W、最大入力65W】USBポートは3基で3台に同時充電が可能(この場合でもUSB-Cポートのうち1基は常に出力65W)、デジタルディスプレイを採用、低電流モード・パススルー機能搭載、USB-C to USB-Cケーブルが付属
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大100Wで出力し、同ポートで最大65Wの入力ができます。USBポートは3基(USB-C×2、USB-A×1)で、3台のデバイスに同時充電が可能です。2ポートや3ポート同時使用でも、USB-Cポートのうち1基は常に出力65Wを保つ仕様なので、高出力を必要とするデバイスでも安心して充電できますね。
残量表示はデジタルディスプレイで行い、1%刻みで把握することが可能。また、Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスを最適な電流で充電することができる低電流モードを搭載しています(ボタンを3秒以上長押しで、低電流モードになります)。パススルー充電(バッテリー本体の充電をしながら、他のデバイスの充電も行う)にも対応しています。
おわりに
今回はノートPCに対応した出力45W以上で10,000mAh以上のモバイルバッテリーのおすすめ製品を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ノートPCは持ち運びがしやすいのがメリットなので、これを最大限に活かせる環境をつくるために是非、ノートPCに対応したモバイルバッテリーを導入しましょう。