PCに高性能で大きなビデオカード(グラフィックボード)を積む場合、その重さのために「PCIeスロットに負荷かかって壊れてしまうのでは?」といった心配がありますよね。そこで試したいのが、ビデオカードホルダーです。
というわけで今回は、ビデオカードホルダーの基本的なことなどを説明したうえで、ECサイトに掲載されている中からおすすめ製品をいくつかを紹介したいと思います。
ビデオカードホルダーの選び方
ビデオカードホルダーは、ビデオカードの重さを支えるためのパーツで、これを使用することでビデオカードのたわみを防いだり、PCIeスロットにかかる負荷を軽減してくれるものです。
それでは以下に、ビデオカードホルダーの選び方について見ていきましょう。
製品のタイプと特徴を理解する
ビデオカードホルダーにはいくつかのタイプがあり、大きくは「垂直方向で支えるタイプ」、「水平方向で支えるタイプ」、「ビデオカードを縦置きにできるタイプ」があります。
垂直方向で支えるタイプ
出典:www.amazon.co.jp
ビデオカードの端の下部に垂直に設置し、垂直方向からビデオカードの重さを支えるタイプです。最もシンプルな仕組みのタイプですね。そのため、少し地味なデザインの製品が多い印象です(もちろん、製品によります)。
水平方向で支えるタイプ
出典:www.amazon.co.jp
ビデオカードの下のPCIスロットカバーのネジに共締めして固定し、横に伸びるスティによって水平方向からビデオカードの重さを支えるタイプです。この場合、サイドが強化ガラスなどで透明になっているPCケースでは、ビデオカードホルダーが見える位置に来て見える面積も大きくなるので、デザイン性が高い製品が多いですね。
ビデオカードを縦置きにできるタイプ
出典:www.amazon.co.jp
ビデオカードを、PCケースのPCIeスロットにそのまま(水平で)設置するのではなく、縦置きにしてマウントできるようになるホルダーです。PCIeスロットへのビデオカードの重量による負荷はもちろんなくなりますし、さらにビデオカードの冷却ファン側のデザインをユーザーが目にする向きにできるので、サイドが強化ガラスなどで透明になっているPCケースで設置すると、ビデオカードのデザインを楽しむことができますね。
ただ、一般的なPCケースの場合、ビデオカードから出るディスプレイケーブルの取り回しは、少し工夫が必要になります。具体的には、PCIスロットカバーの隙間からディスプレイケーブルを中に引き込んで、PCケース内でビデオカードの出力端子に接続する、といったような配慮をすることになります(下の写真)。
また、このタイプの製品は、同梱品にライザーケーブル(PCIeスロットを延長し、角度を90°変えるケーブル)が含まれているものが多くなっています。そして、同梱されているライザーケーブルは、対応するPCIeのリビジョンが「4.0」か「5.0」のどちらかとなっています。
同梱されているのが「5.0」であれば、下位互換で「4.0」でも使用が可能です。しかし、同梱されているのが「4.0」で、使用するビデオカードが「5.0」の場合は、別途「5.0」に対応したライザーケーブルを用意する必要があります。
LED搭載の製品ならドレスアップも可能
出典:www.amazon.co.jp
前述のように、サイドが強化ガラスなどで透明になっているPCケースでは、ビデオカードホルダーがよく見える状態となる製品があります。これを考慮して、ビデオカードホルダーにARGB(Addressable RGB)が搭載されていて、イルミネーションを楽しむことができるものがあります。
特に、他のパーツもLED搭載のものにしている場合は、それと合わせてビデオカードホルダーもARGBが搭載されたものにすると、光の演出をより効果的にできますね。
なお、ARGBを搭載したほとんどのビデオカードホルダーで、コネクタは5V 3PINを採用し、各マザーボードメーカーのARGBコントロールシステム(GIGABYTEの「RGB Fusion 2.0」、ASUSの「AURA SYNC」、msiの「Mystic Light Sync」、ASRockの「Polychrome SYNC」など)に対応しています。
【垂直タイプ】ビデオカードホルダー おすすめ
ここからは、ビデオカードホルダーのおすすめ製品を紹介していきます。まずは、垂直方向で支えるタイプの製品を紹介し、その後に水平方向で支えるタイプ、ビデオカードを縦置きにできるタイプの製品と続きます。
Jingelmall 汎用ビデオカードホルダー
アルミ製、シンプルな棒状、長さ調節可能範囲は74~120㎜
出典:www.amazon.co.jp
アルミ製の棒状のビデオカードホルダーで、ネジによって長さが調節可能となっています。上下には傷防止パッドが付いているので、PCケースとビデオカードを傷つける心配はありません。そして、これだけシンプルなので汎用性は高いですね。ただし、デザイン性は全くと言っていいほどなく、地味な製品です。
紹介しているのはLargeサイズで、他にMediumサイズ(直径15㎜、長さ49~80㎜)もあります。
EZDIY-FAB JP-GPU support pillar
強力マグネットでPCケースに吸着、長さ調節可能範囲は67~106㎜、ARGB LEDを搭載
出典:www.amazon.co.jp
全体がアルミニウム製で、底面にある強力マグネットによってPCケースに吸着し、ビデオカードを下からサポートする製品です。マグネットなので取り付けは簡単ですし、PCケース内でしっかりと設置することができます。ARGB LEDが搭載されているので、イルミネーションを楽しむことができます。
紹介しているのは黒のARGBモデルで、他にシンプルな黒(LED非搭載)、白のARGBモデル、シンプルな白(LED非搭載)もあります。
Novonest zhijia-jp
2枚のビデオカードをサポート、強力マグネットで吸着
出典:www.amazon.co.jp
アルミ製のポールに、同じくアルミ製の台座が2つで、同時に2枚のビデオカードを支えることのできる製品です。ポールの下部の丸い台座には強力マグネットが付いていて、これでPCケースに固定します。
ただ、デザイン的な要素はほぼなく、機能性のみに注力した雰囲気の外観ですね。見た目に特にこだわらず、そして2枚のビデオカードを支えたいというニーズがある場合に導入したい製品です。
upHere GH04BK-ARGB
スライドレール設計で高さ調節、台座の強力マグネットで固定・多方面サポート、ARGB LED搭載・デイジーチェーンも可能
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航空機器で使用されるアルミニウムを使った、ポール状のビデオカードホルダー。サイドにはスライドレールがあり、そこに取り付けられたサポートモジュールをビデオカードに合わせて上下させて支持します。台座部分には強力マグネットがあり、PCケースに吸着して固定します。設置位置の自由度が高く、横面サポートと尾部サポートに対応です。
ARGB LEDが搭載されており、さらに5V 3PINケーブルはデイジーチェーンも可能な端子が付いているので、他のARGBデバイスとの同時使用がしやすくなっています。
Novonest GH03ARGB
高透明なアクリル製で水晶のような外観、ARGB LEDを搭載
出典:www.amazon.co.jp
高透明なアクリルを採用した、まるで水晶のような外観をした製品です。全体に縦長のスライドレールがあり、そこにはめ込まれたサポートバーを上下に移動させてビデオカードを支持します。
そして、ARGB LEDを搭載していて、これがアクリル部の各面に反射するので、独特の光の演出を楽しむことができそうです。5V 3PINケーブルには複数の端子があり、デイジーチェーンが可能なため、他のARGBデバイスと組み合わせるのも面白いでしょう。
【水平タイプ】ビデオカードホルダー おすすめ
続きまして、水平方向で支えるタイプのおすすめ製品を紹介していきます。
upHere G276WTARGB
1,680円(税込)
スチール製のブレードと支持パーツ、ARGB LEDを搭載、高いデザイン性
出典:www.amazon.co.jp
スチール製のブレードにスライドレールがあり、そこにビデオカードを支持するパーツをネジ止めされた製品。支持パーツのネジは手回しタイプで簡単に上下左右に調整できるため、使用するピデオカードに合わせて固定できます。支持パーツにはラバーパッドが付いていて、ビデオカードを傷つける心配はありません。
そして、ブレードの下部にはARGB LEDが搭載されています。このLEDの配置がブレードの形状と相まって、なかなかデザイン性が高いのではないでしょうか。
紹介しているのは白のARGBモデルで、他に黒のARGBモデル、黒のレインボーLEDモデル、白&黒(LED非搭載)もあります。
EZDIY-FAB GPUholder 309-1
2,500円(税込)
アルミニウム合金とアクリルプレートの組み合わせ、ARGB LEDを搭載・デイジーチェーンも可能
出典:www.amazon.co.jp
ブレードはアルミニウム合金製で、そこにアクリルプレートが組み合わされ、支持パーツを手回しネジで止める製品です。製品の面積が広く、またアクリルには複数のラインがデザインされていて、そこに搭載されたARGB LEDが反射するので、かなり存在感が出そうです。
そして、スライドレールが3つに分割されていて、強度とデザイン性が増している印象。ただし、これにより、支持パーツの位置調節は少しやりにくいかもです。また、「存在感が有りすぎる」と感じるユーザーもいるかもしれませんね。
EZDIY-FAB YIHPI341
横方向と縦方向の両方でサポート、広範囲の調整が可能、ARGB LEDを搭載
出典:www.amazon.co.jp
ビデオカードを横方向のブレードで支えるだけでなく、支持パーツによって縦方向でも支えることのできる製品です。支持パーツは直線的に配置することもできますし、少しずらして配置することも可能。PCIブラケット部も延長できるので、細かなニーズに応じた広範囲な調整が可能です。ARGB LEDはブレードでの後ろから少し見えるくらいで搭載されています。
ただ、ブレードの大きさや上下の支持パーツによって、けっこう“ゴツい”印象があるので、好みが分かれるかもしれません。
【縦置き可能なタイプ】ビデオカードホルダー おすすめ
最後に、ビデオカードを縦置きにできるタイプのおすすめ製品を紹介していきます。
前述のように、同梱されているライザーケーブルがPCIe 4.0なのか、PCIe 5.0なのかを確認し、必要があればライザーケーブルを別途用意するなどして、使用するビデオカードのリビジョンと同じになるようにしてください。
オウルテック OWL-GSASAE02-BK
スチール製のクランプで挟んで固定、クランプの向きを変えると縦置きも可能
出典:www.amazon.co.jp
縦のステイのクランプにスライドレールが開けられていて、そこにクランプを手回しネジで固定する製品です。ビデオカードをクランプで挟んで固定します。スチール製なので、かなり頑丈に固定できそう。クランプの向きを変えると、ビデオカードの縦置きにも対応可能となります。
PCケースへの固定には、強力粘着テープが採用されていて、貼り直しのために予備も付属。ただ、設置位置の調整は少しやりにくいかもしれません。また、デザイン性はなく、かなりシンプルな外観となっています。
Novonest GH05CK-D
ARGB対応のアクリルLEDライトバー・モジュールが2本付属、台座のシリコンパッドで固定・多方向サポート
アルミ素材の縦のポールに、やはりアルミ素材の支持パーツが手回しネジで止められた製品で、ARGB対応のアクリルLEDライトバー・モジュールが2本付属しています。ライトバー・モジュールは縦と横に設置することができるので、かなり派手になりますね。なお、ライトバー・モジュールは取り外すこともできます。台座の底部にはシリコンパッドが付いていて、この粘着によってPCケースに固定します。回転させれば、横面と尾部のどちらからも支持できます。
そして、支持パーツを下げると、縦置きのビデオカードを支持することができるようになります。ただ、この製品だけでビデオカードを支えるのは難しいので、基本的に縦置きに対応したPCケースの場合に、補助としてこの製品を使用するという感じが良さそうです。
EZDIY-FAB JP-RGB 4.0CM GPU-W
伸縮可能でPCIスロットカバーからの距離調整が可能、PCIe4.0 ×16ライザーケーブルが付属、ARGB LEDを搭載
PCケースのPCIスロットカバーを取り外して設置し、ビデオカードを縦置きにする専用の製品です。ビデオカードにディスプレイケーブルを接続することを考慮して、PCIスロットカバーからの距離を調整できるよう、フレームが伸縮可能な構造になっています。ビデオカードの角度を90°変えられるPCIe4.0 ×16ライザーケーブル(長さ17cm)が付属しているので、この製品だけでビデオカードを縦置きにすることができます。
ビデオカードの下にくる部分にはARGB LEDが配置されていて、これがビデオカードに反射してキレイな光の演出をしてくれそうです。
紹介しているのは白のARGBモデルで、他に黒のARGBモデルもあります。
EZDIY-FAB YIHPI333-19
マルチアングルで好きな角度に調整可能、強力マグネットで固定、PCIe4.0 ×16ライザーケーブルが付属、ARGB LEDを搭載
出典:www.amazon.co.jp
回転する機構を有し、ビデオカードを好きな角度に設置できるという製品です。ビデオカードの下にくる位置にARGB LEDも搭載しているので、ビデオカードのデザインを堪能したいユーザーには最適ですね。底部には強力マグネットが付いていて、これでPCケースに吸着して固定します。
ビデオカードの角度を90°変えられるPCIe4.0 ×16ライザーケーブル(長さ17cm)が付属しているので、別途用意する必要はありません。
紹介しているのは白のARGBモデルで、他にシンプルな白(ARGB LED非搭載)のモデルもあります。
おわりに
今回は、ビデオカードホルダーのおすすめ製品を「垂直タイプ」、「水平タイプ」、「縦置き可能なタイプ」で分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ビデオカードは年々高性能になって、外形寸法もどんどん大きくなってきています。また、ビデオカードのデザイン性も高くなっていますね。なので、上記を参考にしてビデオカードホルダーを入手して、ビデオカードを安定して固定し、さらに魅せるPCケースを作り上げてくださいね。