PCの起動ディスクを交換する場合、OSを再インストールするより、古い方からコピーできた方が便利ですよね。そんなときに試してみたいのが、SSDやHDDを手軽にUSB接続に変えられる、SATA-USB 3.2変換アダプタです。
というわけで今回は、SATA-USB 3.2変換アダプタを選ぶ際にチェックすべきポイントを解説しつつ、現在市販されている中から、おすすめの製品を紹介したいと思います。
目次
SATA-USB 3.2変換アダプタの選び方
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ケースなどに入っていないSSDやHDDのインターフェイスに直に接続し、そこから伸びるUSBケーブルで簡単にPCにつなぐことのできるSATA-USB 3.2変換アダプタ。シンプルな機器ですが、選ぶ際のポイントがいくつかあるので、以下にそれを見ていきます。
USB2.0対応の製品ではなく、USB 3.2対応の製品かを確認
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現在市販されている変換アダプタには、速度の遅いUSB 2.0(信号速度480Mbps、データ転送速度60MB/s、理論値、以下同)までにしか対応していない少し前のモデルもあります。基本的なことですが、製品の表示をしっかり確認して、USB 3.2 Gen1(5Gbps、500MB/s)対応のものを選びましょう。
上記のように、規格上の最大転送速度は、USB 2.0は480Mbps(60MB/s)、USB 3.2 Gen1は5Gbps(500MB/s)。そのため、たとえば転送速度が500MB/sのSSDを接続するには、USB2.0では速度が足りません。SSDの速度を活かすには、USB 3.2 Gen1対応の製品が必須です。
USBのバージョンについて
現在、一般的に使用されているUSBのバージョンには、2.0、3.0、3.1、3.2があり、3.1と3.2にはGen1とGen2があって、さらに名称変更だけされて転送速度は変わらないなど、非常にややこしいのですが、まとめると次のようになります。
USB 2.0 | |||||
USB 3.0 | USB 3.1 Gen1 | USB 3.2 Gen1 | |||
USB 3.1 Gen2 | USB 3.2 Gen2 | ||||
USB 3.2 Gen2×2 |
USB type-Cも考慮
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変換アダプタに搭載されているUSBプラグは、一般的にはUSB Type-A(USB-A)になります。なのですが、製品によってはUSB type-C(USB-C)が付いているモデルも。もし、変換アダプタをPCのUSB-Cポートに接続して使いたい場合は、USB-Cプラグがある製品を選ぶと、使い回しができたり、データ移行がスムーズにできて良いでしょう。
USB-Cのコネクタは、従来のUSB-Aよりも小さくなっています。また、USB-Cは上下左右が対照の形状であるため、向きを気にせずに接続できます(USB-Aでは「向きが逆で差し直し」ということがよくありましたが、USB-Cでは解消されています)。
2.5インチのみ対応か、3.5インチにも対応(ACアダプタ付属)かで選ぶ
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SATA-USB 3.2 Gen1変換アダプタを大きく分けると、2.5インチドライブにのみに対応しているものと、3.5インチドライブにも対応しているものがあります。
前者は、変換アダプタはもちろん、2.5インチドライブもUSBからの給電で駆動させる仕様。そのため、ACアダプタは付属しません。
後者は、変換アダプタはUSBからの給電で動きます。しかし、3.5インチドライブはUSB給電では足りずに動作が不安定になるため、製品にACアダプタが付属しています。
ですので、接続するドライブが2.5インチだけなのか、3.5インチも接続するのかということを予め確認して、どちらを購入するかを決めましょう。
3.5インチにも対応の製品は、電源スイッチが付いているものが便利
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上記のように、3.5インチにも対応の製品にはACアダプタが付属しています。この場合、電源のON・OFFをコードの抜き差しで行うのはかなり面倒。なので、電源スイッチが付いているものが使いやすいですね。
IDE機器を接続したいなら、それに対応した製品にする
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SATA-USB 3.2 Gen1変換アダプタには、古い規格であるIDEにも対応した製品があります(SATAとIDEは、上の写真のようにコネクタの形状が異なります)。ですので、IDEのドライブを接続したいなら、それに対応した製品を選ぶ必要があります。
速度を求めるなら、UASP対応の製品を選ぶ
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USBの拡張仕様のひとつとして、UASP(USB Attached SCSI Protocol)があります。これは、データ転送を効率化し、実効速度を高める技術です。
UASPはOSも対応している必要がありますが、最近のOSならサポートしているので、USB機器側が対応していれば利用可能となります。なので、少しでも転送速度を上げたいならUASP対応の製品にするとよいですね。
USBケーブルは、使い勝手を優先するなら長いものに、スッキリさせたいなら短いものに
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USBケーブルの長さは製品によって20cm程度や1m程度などさまざま。ケーブルは、基本的には長い方が使い勝手は良いでしょう。
もし、ノートPCのすぐ隣に置いてスッキリさせて使いたいなら、USBケーブルは短い方が邪魔にならなくて良いかもしれません。
【3.5インチにも対応】SATA-USB 3.2 Gen1変換アダプタ おすすめランキング
それではここから、SATA-USB 3.2 Gen1変換アダプタのおすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。まずは、3.5インチドライブにも対応している製品を紹介し、その後に2.5インチドライブのみ対応の製品と続きます。
なお、以下に紹介する製品名では「USB 3.0」となっているものもありますが、紹介文では最新の「USB 3.2」という表記にしています。
第1位:Runbod SATA USB 変換ケーブル 3.5インチ
UASP対応のシンプルな製品
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USBを高速化する技術、UASPモードに対応。それ以外の機能はシンプルで、コスパも良いので、初めてSATA USB 3.2 Gen1変換ケーブルを購入する場合などに、選んでみたい製品です。
ただし製品サイズがそれなりに大きいので、そこが使用する際・収納する際に気になるかもしれません。また、電源スイッチはないので、電源のオン・オフをコードの抜き差しで行う必要があります。
第2位:Unitek SATA to USB変換ケーブル
コンパクトサイズの製品、スタイリッシュな外観、USB-CからUSB-Aへの変換アダプタが付属
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他と比べて、とてもコンパクトな製品。ちょうど100円ライターと同じくらいのサイズ感でしょうか。USBケーブルは脱着可能で、使わないときの収納に便利です。そして、シンプルでスタイリッシュな外観が目を引きます。
機能としては、高速なUASPモードに対応。ケーブル長は80cmあり、USBのプラグはUSB-Cで、USB-Aへの変換アダプタが付属しているので、なかなか使いやすそう。ただし、電源スイッチは付いていないため、電源ケーブルの抜き差しでオン/オフを切り替えることになります。
第3位:FIDECO SATA/IDE 変換アダプタ
SATAドライブとIDEドライブの2台を同時に接続・認識可能
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この製品の最大の特徴は、SATAドライブとIDEドライブの2台を同時に接続・認識できるところ。ドライブ間のデータ移行をする場合には、かなり役立つでしょう。
ただし、2台を同時接続できる機能のために、価格は少し高め…。そもそも2台を同時接続する機会がどれくらいあるかということを踏まえて、購入を検討した方が良いですね。
第4位:FIDECO SATA/IDE 変換アダプタ オフラインクローン
SATAドライブとIDEドライブの同時接続が可能、PCなしのオフラインクローンに対応
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SATAドライブとIDEドライブの2台を同時に接続し、それらのデータをオフラインで(PCに接続しないで)クローンできるという製品。いくつものストレージにデータをたくさん保存しているユーザーには便利なアイテムですよね。
ただし、オフラインクローン機能のため、価格は高いですね。オフラインクローンは頻繁に使う機能とは考えにくいのですが、PCに精通したユーザーなら、PCが起動しないなどの緊急時に活用できる可能性があるので、そうした保険としての意味で購入しても良いかもです。
【2.5インチのみ対応】SATA-USB 3.2 Gen1変換アダプタ おすすめランキング
続きまして、2.5インチドライブのみ対応の製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。
前述のように、2.5インチのみ対応の製品にはACアダプタは付属しません。また、IDE対応の製品もありません。その分、価格は抑えられています。
第1位:BENFEI SATA USB変換アダプタ
折りたたみ式のUSB-Cアダプタが付属
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USBのプラグはUSB-Aですが、これを折りたたむことによって、USB-Cプラグにもなるという製品です。これなら、USB-C搭載のPCでもすぐに使えて便利ですし、変換アダプタを使う製品のように、なくしてしまう心配がないので、使い勝手が良さそうです。
第2位:JSAUX SATA USB変換アダプタ
存在感のあるデザイン、アルミシェルとナイロン編ケーブルを採用
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シェルにアルミを採用した、存在感のあるデザインの製品。これだけ面積があれば、放熱性は良さそうです。
また、ケーブルはナイロン編みで、なかなかの太さとなっているので、耐久性もありますね。そして、写真を見て分かるとおり、ケーブルは短めなので、「ケーブルが邪魔」ということは起こらないでしょう。
第3位:Unitek SATA USB C 交換アダプタ Y-1096A
プラグはUSB Type-C、OTG(USB On-The-Go)に対応、コネクタカバーが付属
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この製品はプラグにUSB-Cを採用していることが特徴。また、OTG(USB On-The-Go)にも対応しているので、USB-Cポートを搭載したスマホに繋いで、2.5インチのSSDなどから直接、写真や動画などのデータにアクセスすることができます。PCよりもスマホをメインで使っているユーザーには嬉しい製品ではないでしょうか。
また、コネクタカバーが付属しているので、スマホと一緒に持ち出す際などに、コネクタ部の汚れや破損を防いでくれます。
これは、USB機器同士を接続して使うための規格です。
従来規格では、PCが“ホスト”で、USB機器が“クライアント”という関係になって、PCからUSB機器の操作を行っていました。つまり、USB機器を使用するには、PCが必須だったということです。
しかし、たとえば「スマホでカードリーダーやマウスなどを使いたい」というように、USB機器同士での接続へのニーズが大きくなってきました。そこで登場したのが、USB OTG(On-The-Go)です。この規格の登場により、PCがなくても、USB機器同士を接続して使用することができるようになり、上記のような「スマホでカードリーダーやマウスなどを使用する」といった状況が可能となりました。
第4位:Usee USB to SATA変換アダプターケーブル(電源供給用USB付)
799円(税込)
補助電源用のUSBコネクタ付きで、安定した動作
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この製品の特徴は、メインのUSBコネクタのほかに、補助電源用のものも付いていること。メインのUSBコネクタだけでも使用可能と思われますが、補助電源用の方も接続すれば、動作が不安定になる心配がなくなって、より安心して使用することができるでしょう。
第5位:スターテック.com USB312SAT3CB
2,451円(税込)
USB 3.1 Gen2(10Gbps)とUASPに対応で高速転送
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USB 3.1 Gen2に対応し、規格上の最大転送速度は10Gbpsに達します。それだけでなく、データ転送を効率化して実行速度を高めるUASPにも対応しているので、かなりの高速転送が期待できるでしょう。速度至上主義のユーザーなら、一度は試してみたい製品ではないでしょうか。
第6位:SABRENT SSDへのUSB変換アダプタ EC-SS31
高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)に対応、USB-Cアダプタが付属
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高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)に対応してる製品です。この速度を活かす環境はなかなかないですが、やはり試してみたくなりますね。そして、USBケーブルが62㎝あり、使い勝手は良さそう。
USBのプラグはUSB-Aですが、USB-C変換アダプタが付属しています。これなら、USB-C搭載のPCでもすぐに使えて便利ですね。
おわりに
今回は、SATA-USB 3.2 Gen1変換アダプタのおすすめを、3.5インチ以上にも対応している製品と、2.5インチのみに対応している製品に分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
SATA-USB 3.2 Gen1変換アダプタは、PCの不調時にSSDやHDDが故障しているのか、それ以外が故障しているのかという問題の切り分けに使えます。そして、故障したPCのSSDやHDDを交換する際にも使えて、さらに交換して余ったものをデータのバックアップ用などに転用する際にも活用できます。ですので手元に一つ置いておくと、便利だと思いますよ。