写真や動画の撮影をしていると、PCにデータがどんどん溜まっていって、保存場所に困ることがありますよね。そんな人の強い味方が、複数台のドライブを束ねて容量を拡大するなどのRAID機能に対応した外付けケースです。
というわけで今回は、RAIDとは何なのかや、対応する外付けケースを選ぶ際のポイントを説明したうえで、ECサイトなどで販売されている中から選んだおすすめのRAIDケースを紹介したいと思います。
目次
そもそもRAID(レイド)とは?
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RAIDとは、複数台のドライブを束ねることで、大容量化、高速化、信頼性の確保などを実現する技術です。これには以下のように、用途に応じたいくつかの種類があります。
RAID 0
出典:www.logitec.co.jp
■分散書き込みによる高速化。「ストライピング」とも言う。
■構成ドライブ数:2台以上
■最大容量:100%
例1)HDD 2TB×2台で、計4TBが使用可能。
例2)HDD 2TB+HDD 1TBで、計2TBが使用可能(小さい容量の方に合わせて設定される)。
なお、同じ容量でそろえるのが一般的。
■信頼性:△
構成ドライブのうち1台でも故障すると、データが失われてしまう。
■速度:◎◎
RAID 1
出典:www.logitec.co.jp
■データの二重化による信頼性の確保。
■構成ドライブ数:2台
■最大容量:50%
例)HDD 2TB×2台で、計2TBが使用可能。
■信頼性:◎
構成ドライブ2台のうち1台が故障しても、データは失われない。
■速度:△
RAID 3
出典:www.logitec.co.jp
■分散書き込みによる高速化と、パリティ(冗長コード)による信頼性の確保。
3台以上のドライブを使用し、うち2台にデータが書き込まれ、1台にパリティが書き込まれる。データ用ドライブのうち1台が故障した場合、それを交換して、残りの正常なデータ用ドライブとパリティによってデータの復元が可能(ドライブを交換するまでは使用できない)。
■構成ドライブ数:3台以上
■最大容量:(N-1)×D
例)HDD 2TB×3台で、計4TBが使用可能。
■信頼性:◯
構成ドライブのうち1台が故障しても、データは失われない。
■速度:◯
RAID 5
出典:www.logitec.co.jp
■分散書き込みによる高速化と、パリティ(冗長コード)による信頼性の確保。
3台以上のドライブを使用し、すべてのドライブに分散してパリティが書き込まれる。うち1台が故障した場合、それを交換して、残りの正常なドライブとパリティによってデータの復元が可能(ドライブを交換せずに使用し続けることができる。ただし、非推奨)。
■構成ドライブ数:3台以上
■最大容量:(N-1)×D
例)HDD 2TB×3台で、計4TBが使用可能。
■信頼性:◯
構成ドライブのうち1台が故障しても、データは失われない。
■速度:◯
RAID 10
出典:www.logitec.co.jp
■分散書き込みによる高速化と、データの二重化による信頼性の確保。
4台以上のドライブを使用し、RAID 0とRAID 1を組み合わせたもので、高速化と信頼性の確保が同時に実現できる。
■構成ドライブ数:4台以上
■最大容量:50%
例)HDD 2TB×4台で、計4TBが使用可能。
■信頼性:◎
構成ドライブのうち1台が故障しても、データは失われない。
■速度:◎
JBOD(ジェイボド)
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これは、正確にはRAIDではありませんが、RAIDケースは通常、「JBOD(ジェイボド)」という機能にも対応しています(製品によっては、「スパニング(SPAN)」や「コンバイン」と表記しているものもあり)。
■連結による大容量化。
■構成ドライブ数:2台以上
■最大容量:100%
例)HDD 2TBとHDD 1TBの組み合わせで、計3TBが使用可能。
■信頼性:△
構成ドライブのうち1台でも故障すると、データが失われてしまう。
■速度:△
RAIDケースの選び方
ここからは、RAIDケースの選び方を見ていきましょう。
組み込むドライブのサイズ(3.5インチ、2.5インチ、M.2)で選ぶ
RAIDケースは組み込むことのできるドライブのサイズによって、3.5インチ、2.5インチ、M.2の3つに分類できます。これらはサイズの大きい順に、3.5インチ→2.5インチ→M.2となります。
3.5/2.5インチ HDD/SSD用
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3.5インチHDDを組み込むなら、上の写真のような3.5インチ対応のRAIDケースを選ぶことになります。3.5インチHDDには10TBや12TBなど超大容量のものがあるので、たくさんのムービーデータなどの保存用としたい場合に適しているでしょう。また、変換マウンタを使用して、2.5インチのSSD/HDDを組み込むこともできます。
ただし、2.5インチ専用またはM.2専用のケースと比べると外形寸法が大きくなるので、予め設置場所を考えておいたほうが良さそうです。
2.5インチ SSD/HDD用
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2.5インチSSD/HDDを組み込むなら、上の写真のような2.5インチ対応のRAIDケースになります。最大容量としては、2.5インチSSDは4TB程度、2.5インチHDDは5TB程度で、ここまでの容量になると、いずれもかなり高価。それに最大容量は、前述の3.5インチHDDの方が大きくなります。
ですので、2.5インチの「外形寸法が小さい」というメリットを活かして、省スペースで運用したいなら、2.5インチ対応の製品が適しているでしょう。
M.2 SSD用
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M.2 SSDを組み込むなら、上の写真のようなM.2対応のRAIDケースになります。外形寸法がかなりコンパクトなので、持ち運ぶ場合などには最適ですね。
また、M.2 SSDにはPCIe/NVMe接続のものとSATA3.0接続のものがあり、前者の方が転送速度に優れます。シーケンシャル(連続)で、前者の製品は読み出し3,400MB/s・書き込み2,300MB/sなどで、後者の製品は読み出し560MB/s・書き込み 510MB/sなど。速度にこだわるユーザーなら断然、PCIe/NVMeですよね。
なお、RAIDケースの中にはPCIe/NVMeかSATA3.0のどちらか一方にしか対応していないものがあるので、この点をよく確認しましょう。
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写真左が「M key」、右が「B & M key」
M.2 SSDの端子には、欠き切りが1つの「M key」(写真左)と、欠き切りが2つの「B & M key」(写真右)があります。
そして、RAIDケースのM.2スロット側も、欠き切りに対応する凸のある形状になっています(中には、凸がないものもあります)。なので、「B & M key」のみに対応するスロット(凸が2つ)には、欠き切りが1つの「M key」端子は物理的に入りません。ですので、M.2 SSDの端子は、要確認です。
なお、M.2 SSDの製品が出始めの頃は、PCIe/NVMe接続のものは「M key」、SATA3.0接続のものは「B & M key」というように、ほぼ完全に区別されていました。しかし、最近では完全には区別されておらず、PCIe/NVMe接続で「B & M key」のものも出てきています。
USBのバージョンと形状を確認
USBのバージョンは基本的にUSB 3.2 Gen2(中にはUSB 3.2 Gen1のものも)
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現在市販されているRAIDケースは、基本的にUSB 3.2 Gen2(信号速度10Gbps、データ転送速度1,000MB/s)対応です。
ただし、中にはUSB 3.2 Gen1(5Gbps、500MB/s)にしか対応していないものもあるので、この点は要確認です。
現在、一般的に使用されているUSBのバージョンには、2.0、3.0、3.1、3.2があり、3.1と3.2にはGen1とGen2があって、さらに名称変更だけされて転送速度は変わらないなど、非常にややこしいのですが、まとめると次のようになります。
USB 2.0 | |||||
USB 3.0 | USB 3.1 Gen1 | USB 3.2 Gen1 | |||
USB 3.1 Gen2 | USB 3.2 Gen2 | ||||
USB 3.2 Gen2×2 |
USB Type-Cを採用した製品も(小さくて、向きを気にせず接続できる)
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左がUSB-A、右がUSB-C
RAIDケースのUSBポートは、USB Type-C(USB-C)を採用したものが多くなっています。USB-Cのコネクタは、従来のUSB Type-A(USB-A)よりもサイズが小さくなっています。
また、USB-Cは上下左右が対照の形状であるため、向きを気にせずに接続できます(USB-Aでは「向きが逆で差し直し」ということがよくありましたが、USB-Cでは解消!)。
UASP対応の製品で、さらなる高速体験を
出典:www.photo-ac.com
UASP(USB Attached SCSI Protocol)はUSBの拡張仕様のひとつで、ストレージ(SSDやHDDなど)とのデータ転送を効率化し、実効速度を高める技術です。利用するには、OSとUSB機器の両方が対応している必要があります。
OSについては、Windowsは8以降、Macは10.8以降でサポートされています。なので、最近のPCとMacなら、対応するUSB機器を用意すれば利用可能に。ですので、UASP対応の製品にして、高速転送を体験してみるのも良いでしょう。
省電力機能を確認
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RAIDケースを使用する度に電源スイッチをONにしたり、PCをシャットダウンした際にいちいち電源スイッチをOFFにしたりするのは手間ですよね。かと言って、ずっと電源を入れっぱなしにはしたくないし…。
そうしたニーズに対応するため、RAIDケースには省電力機能(PCとの電源連動、一定時間経過するとHDDの回転が停止するモードなど)が搭載されています。ただし、製品によって機能の詳細が異なるので、この点を確認しておきたいですね。
放熱性を考慮するなら、金属ボディ・冷却ファン採用のケースに
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製品の中には、組み込んだSSDやHDDから発せられる熱を効率よく放出できるよう、ボディ面に金属素材を採用したり、冷却ファンを搭載している製品もあります。
ですので、長時間連続での使用や、通気性の悪い場所での使用などを想定していて、SSDやHDDの発熱が気になる場合は、上記のような製品を選ぶと良いでしょう。
【2ベイ】3.5/2.5インチ対応RAIDケース おすすめランキング
それではここから、おすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。まずは、2ベイで3.5/2.5インチに対応している製品を紹介します。その後に、4または5ベイで3.5/2.5インチに対応している製品、2.5インチ専用の製品、M.2 SSD専用の製品の紹介と続きます。
なお、以下の製品は基本的に3.5インチ対応ですが、前述のように変換マウンタを使うことによって2.5インチのドライブを組み込むこともできます。
第1位:ラトックシステム RS-EC32-U31R HDD2台
3.5インチHDD×2台、USB 3.1 Gen2(10Gbps)とUSB-Cに対応、UASPモードも、ファンコントロールや暗号化など多機能な製品
出典:www.amazon.co.jp
3.5インチHDDを2台搭載することができ、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)の構築が可能。HDDの取り付けは、前面のカバーを外して、そこから差し込んで固定するだけなので、とっても簡単です。
そして、USBのバージョンはUSB 3.2 Gen2(10Gbps)で、UASPモードにも対応。なので、変換マウンタを使用して2台の2.5インチSSDでRAID 0(ストライピング)にすると、かなりの高速転送が期待できますね。USBポートはType-Cを採用しています。
ボディの素材には、放熱性の高いアルミを採用。さらに、背面に40mmの冷却ファンが搭載されているので、内部の列を効率よく排出してくれます。ファンは、HDDが45℃以上になると自動で回転が開始するという優れものです。省電力機能としては、PCとの電源連動、省エネ設定(一定時間アクセスしないとHDDの回転がストップして、消費電力を抑えることが可能)を搭載しています。
上記のファンコントロールや省エネの設定は、専用ソフトから可能。また、同ソフトにより、RAID の構築と状態監視、高温時・異常時のメール通知機能の設定もできます。
かなり多機能で使い勝手の良い製品ですが、その分、価格は高くなっていますね。上記の機能を存分に活用できるPCに詳しいユーザーにオススメしたい製品です。
第2位:ロジテック LHR-2BRHU3 2Bay RAID
5,480円(税込)
3.5インチHDD×2台、洗練された高級感のある製品
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3.5インチHDDを2台搭載することができ、それによってRAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することが可能です。取り付けも簡単で、2本のネジで上部カバーを取り外し、ドライブをベイに垂直に差し込むだけです(ガチャベイ)。
省電力機能としては、PCとの電源連動に加えて、省エネモードを搭載しています。
ボディのサイドには放熱性に優れたアルミ素材を採用し、また背面には冷却ファンを搭載しているので、冷却性能は優れていますね。フロントにLEDがあり、これでHDDの状態を確認できます。このLEDは、視認性を確保しながらも、眩しくないようデザインしているとのこと。全体的には、高級感あるブラックがキレイな、洗練されたデザインの製品となっています。
専用ソフトを使用することで、RAID の構築、HDDの状態監視、省エネモードの時間と障害発生時のメール通知機能の設定が可能となっています。
第3位:センチュリー 裸族の二世帯住宅リフォーム V2
3.5インチHDD×2台、USB 3.2 Gen2(10Gbps)とUSB-Cに対応、UASPモードも、重厚感のあるアルミプレートパネルのフロントドア
出典:www.amazon.co.jp
3.5インチHDDを2台搭載して、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することが可能な製品。ドライブの取り付けは、フロントドアをオープンして差し込むだけという手軽さです。
USBポートはType-Cで、バージョンは高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)、UASPモードにも対応。メーカーによると、WesternDigital WD Red 2TB(2.5インチSSD)+裸族のインナー(別売の変換マウンタ)をストライピング設定で計測し、850MB/sという速度を叩き出したそうです。
フロントドアは重厚感のあるアルミプレートパネルで、背面には冷却ファンを搭載。省エネモードにも対応していて、PCの起動・終了に合わせて、HDDと冷却ファンの回転を停止する仕様となっています。
第4位:センチュリー 裸族のテラスハウス RAID CRTS35U32C_FP
3.5インチHDD×2台、USB 3.2 Gen2(10Gbps)とUSB-Cに対応、USB-C to USB-Aの変換アダプタが付属
出典:www.amazon.co.jp
2台の3.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することのできる製品。ドライブの取り付けは、前面のドアから差し込んで閉じるだけと容易です。
USBポートはType-Cで、バージョンは高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)に対応。メーカーによると、2台のSeagate ST16000VN001(16TB)を組み込んでストライピングを構築し、シーケンシャルリードで470MB/sという速度を計測しているそうです。
付属のケーブルはUSB-C to USB-Aで、USB-C to USB-Aの変換アダプタも付属しているので、USB-C to USB-Cケーブルとしても使うことが可能。冷却性能としては、アルミ製のボディと背面に搭載された冷却ファンにより、HDDの熱を効率的に発散してくれます。
第5位:MARSHAL RAID TOWER2 CS5028 MAL352U3RS3
3.5インチHDD×2台、3.5インチはネジレスで設置が可能、本製品だけで2.5インチにも対応、4段階のファンコントロール
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2台の3.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することができます。HDDの取り付けは、前面からトレイを引き出し、そこにHDDを設置して(ネジは不要)、再びトレイをはめ込むだけという手軽さ。また、トレイには別途マウントアダプタがなくても、2.5インチHDD/SDDを設置することができるので(2.5インチでは付属のネジを使用)、この点も好評価です。
背面には70mm冷却ファンが搭載され、内部のドライブが発する熱を逃してクールダウンしくれます。ファンの回転はコントロールスイッチによって4段階での調節ができるので、ニーズに応じてエアフローとノイズのバランスを決められますね。そして、PCの電源をOFFにするとHDDの回転が停止する(ケースの主電源は切れない)「PC 電源連動機能」も搭載しています。
【4/5ベイ】3.5/2.5インチ対応RAIDケース おすすめランキング
次は、4または5ベイで3.5/2.5インチに対応している製品のおすすめをランキング形式で紹介していきたいと思います。こちらは基本的にRAID 3、RAID 5、RAID 10の設定も可能なので、より多様なニーズに対応することができますね。
第1位:Yottamaster RAIDケース PS400RC3
3.5インチHDD×4台、付属トレイは2.5インチにも対応、USB-Cに対応、アルミボディとファンで冷却、ソフトウェアRAIDにも対応
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4台の3.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 10、JBOD(SPAN)を構築することのできる製品。ドライブの取り付けは容易で、フロントドアを開けて、トレイを引き出し、そこにドライブをネジで留めてトレイを戻すという手順になります。このトレイには、2.5インチのSSD/HDDもネジ留めすることができ、変換マウンタを別途用意する必要はありません。
冷却のための機構としては、アルミ製のボディ、背面に搭載された80mmの静音ファン、前面のハニカム型放熱穴、背面のメッシュを搭載。これらによって、内部のドライブを効率的に冷却してくれます。
そして、メーカーが提供する専用ソフトを使用することにより、「ソフトウェアRAID」(RAID用のコントローラーチップを使わずに、ソフトによってRAID機能を実現するもの)を設定することもできます。いろいろと試してみたいユーザーには面白いかもしれませんね。
ただし、PCとの電源連動機能はないので、電源のON/OFFは手動になります。
第2位:Yottamaster RAIDケース FS4RU3
3.5インチHDD×4台、トレイは2.5インチドライブにも対応、放熱性に優れたアルミボディ、自動的スリープ機能(スリープへの導入時間は変更可)
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4台の3.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 10、JBOD(SPAN)を構築することのできる製品です。前面から引き出すことのできるトレイに3.5インチHDDをネジ留めして、それを押し込んで収納します。このトレイは、そのまま2.5インチドライブにも対応します。
ボディには、放熱性に優れたアルミを採用。また、ケース前後はメッシュ構造、背面には80mmの静音冷却ファンを搭載しているなど、内部の熱を放出するための配慮がなされています。
そして、10分間アクセスがない場合には、自動的にスリープする省エネ仕様。スリープに入る時間は変更が可能で、ユーザーのアクセスする頻度に合わせることができます。
第3位:UGREEN 15974
3.5インチHDD×5台、USB-Cポート、UASPモードも、アルミ製のボディ、冷却ファンを搭載
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5台の3.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 10、JBOD(SPAN)を構築することができ、加えて「CLONE」モードもある製品。「CLONE」は、1つのHDDのデータを他の複数のHDDに複製する仕様のようなので、より冗長性を持たせたい場合に有効でしょう。
3.5インチHDDは、前面から引き出したトレイにある固定バーだけで装着が可能という簡単仕様。このトレイは、2.5インチSSD/HDDにも、そのまま対応していています(2.5インチはネジで留める必要があり)。
USBポートはType-Cで、UASPモードにも対応しています。放熱のための機構としては、アルミボディ、背面の放熱孔(ハニカム型)、冷却ファンが採用されています。やはり、HDDを5台搭載する場合に、冷却ファンが2基あるというのは安心できますね。さらに、冷却ファンは内部の温度を感知し、それに応じて回転数を自動調整してくれるという優れものです。
そして、15分アクセスしないと、自動的にスリープモードに入ります。また、USBポートはType-Cを採用しています。
第4位:ORICO RAIDケース 3559C3-BK
3.5インチHDD×5台、USB 3.2 Gen2(10Gbps)とUSB-Cに対応、最大3台でデイジーチェーンが可能
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5台の3.5インチのHDDで、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することが可能な製品。そして、最大の特徴は、同製品が最大3台でデイジーチェーンが可能ということ。デイジーチェーンをすれば、超特大のストレージとすることができ(スペック表記では240TBまで!)、当分はストレージ不足に悩まされることはなくなりますね。ただし、RAID 3、RAID 5、RAID 10には非対応となっているので、この点が選ぶ際のポイントになりそうです。
USBのバージョンは高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)に対応して、形状はUSB-Cとなっています。やはり、デイジーチェーン可能で、超特大のストレージとすることができるので、転送速度はこれくらい必須でしょう。
冷却性能としては、アルミ製のボディ、背面に搭載された80mmの冷却ファン、前面のメッシュ、背面のハニカム式のメッシュにより、内部の熱を外部へと逃してくれます。
第5位:TERRAMASTER D5-300
3.5インチHDD×5台、HDDを縦向きに格納で高さを抑える、アルミボディと冷却ファンで放熱
出典:www.amazon.co.jp
5台の3.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、RAID 3、RAID 5、RAID 10、JBOD(SPAN)を構築することのできる製品です。HDDはステントにネジ止めして、それを筐体にはめ込む方式です。ユニークなのが、HDDを縦向きに収納するようになっていることで、これにより全体の高さを抑えることができています。ただ、HDDの取り付けは、4つのネジを緩めて前面パネルを取り外し、ステントにHDDをネジ留めして、それを筐体にはめ込む、というように少し手間がかかりますね。
冷却機構としては、熱伝導率の高いアルミボディ、背面にある2つの冷却ファンにより、HDDの熱を最大限に発散してくれます。また、一定時間アクセスがない場合には、自動的にスリープする省エネ仕様となっています。
2.5インチ専用RAIDケース おすすめランキング
続きまして、2.5インチ専用RAIDケースのおすすめをランキング形式で紹介していきたいと思います。こちらの製品では、搭載できるドライブ数が基本的に2台となります。やはり、2.5インチはコンパクトなのがメリットなので、台数を増やして外形寸法が大きくなってしまうのは本末転倒ですよね。
そして、2.5インチの“コンパクト”というメリットを活かして、外付けRAIDケースを省スペースで運用しましょう。
第1位:ラトックシステム 2.5インチ RAIDケース RS-EC22-U31RA
2.5インチSSD/HDD×2台、USB 3.2 Gen2(10Gbps)とUASPモードに対応、ポートはUSB-C、ファンレス静音設計、PCとの電源連動
出典:www.amazon.co.jp
2台の2.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することが可能な製品。USBのバージョンは高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)に対応し、RAID 0での実測値で850MB/s超を実現しています(メーカー)。USBポートの形状はType-Cで、ケーブルはUSB-C to USB-Aのものと、USB-C to USB-Cのものの2本が付属しています。
冷却のために、ボディには放熱性に優れたアルミを採用。ただし、静音性を重視したファンレス設計となっているので、製品を配置する際には「狭いところに押し込めない」といった配慮が必要でしょう。そして、PCがスリープ・休止状態・電源OFFの場合に、内蔵したHDDの回転を止めて消費電力を抑える機能にも対応しています。
第2位:Yottamaster 2.5インチ RAIDケース DR2RC3-25
2.5インチSSD/HDD×2台、USB 3.2 Gen2(10Gbps)とUSB-Cに対応、UASPモードも、スタイリッシュなデザイン、アルミボディの前面と背面には多数の放熱孔
出典:www.amazon.co.jp
2台の2.5インチHDDで、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築できる製品。USBのバージョンは高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)で、UASPモードにも対応、USBポートの形状はType-Cです。
そして、なんと言ってもこのスタイリッシュなデザインが目を引きますよね。MacBookと一緒に使いたくなるのではないでしょうか(きっそ、それを意識してますね)。また、冷却のためにアルミボディを採用し、前面と背面には多数の放熱孔が設けられています。
なお、背面のネジが特殊で、6溝の星型をした「トルクスネジ」になります。これに対応するドライバーが、製品に付属します。「あまり頻繁には開けるな」ということかもしれませが、一般的なドライバーが使えないのは少し不便かもしれません。
第3位:isheep RAIDエンクロージャ K25682
2.5インチSSD/HDD×2台、UASPモード対応、アルミボディで放熱、独立した電源で安定動作
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2台の2.5インチSSD/HDDで、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することのできる製品です。UASPモードに対応しています。本体のUSBポートはMicro USB 3.0 Type-Bとなっています。
冷却のために、アルミ製のボディを採用し、内部からの発熱を効率的に発散してくれます。また、電源用のMicro USBポートも装備していて、ここから電源を供給すれば、安定した運用が期待できそうです。
M.2 SSD専用RAIDケース おすすめランキング
最後に、M.2 SSD専用のRAIDケースのおすすめをランキング形式で紹介していきます。こちらも、2.5インチと同様、いやそれ以上にコンパクト。そして、基本的にUSBポートからの電源のみで動作するので(ACアダプタは不要なので)、ポータブルストレージとしても活躍できそうです。
なお、前述のように、PCIe/NVMeRAIDケースの中にはPCIe/NVMeかSATA3.0のどちらか一方にしか対応していないものがあります。今回紹介する製品は、やはりどちらか一方のみの対応なので、よく確認しましょう。
第1位:StarTech.com M.2 SSD RAIDケース SM22BU31C3R
8,283円(税込)
M.2 SSD(SATA接続)×2台、USB 3.2 Gen2(10Gbps)に対応、ポータブルストレージとしても使える
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2台のM.2 SSD(SATA接続)で、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することのできる製品です。USBのバージョンは高速なUSB 3.2 Gen2(10Gbps)に対応。本体のUSBポートはMicro USB 3.0 Type-Bで、対応するケーブル(逆側の端がUSB-CのものとUSB-Aのものの2種類)が付属します。
そして、なかなかのコンパクトさなので、ノートPCと一緒に持ち歩いて、出先で使用することもできそう。外でもRAIDが使えれば、より一層の快適さや安心感が得られますね。
第2位:OWC M.2 SSDケース OWC Express 4M2 4スロット
75,500円(税込)
M.2 SSD(PCIe/NVMe接続)×4台、2,800MB/sを実現、ポートはUSB-CでThunderbolt 3接続、DisplayPortも装備、縦置きと横置きの両対応
出典:www.amazon.co.jp
4台のM.2 SSD(PCIe/NVMe接続)で、「OWC SoftRAID」によってRAID 0とRAID 1を構築できる製品です。これは「ソフトウェアRAID」(RAID用のコントローラーチップを使わずに、ソフトによってRAID機能を実現するもの)になりますが、近年の高いCPUパワーによって快適な動作が可能で、転送速度は2,800MB/sを実現しています(メーカー)。
本体のポートはUSB-Cですが、接続はThunderbolt 3になります(対応するケーブルが付属)。USB-Cポートは2つあってデイジーチェーンにも対応し、同製品を複数台接続することもできます。DisplayPortも装備し、ここにディスプレイを接続することも可能となっています。
それから、ボディは縦置きと横置きの両方に対応。スペックに記載されてはいませんが、ボディはおそらくアルミ製ですね。前面には、放熱孔が設けられています。
ただ、上記のような高い性能のために価格もそれになり高めです。速度にこだわるユーザー向けの製品と言えるでしょう。
第3位:StarTech.com デュアルM.2 SSD アダプタ 25S22M2NGFFR
M.2 SSD(SATA接続)×2台、2.5インチへの変換アダプタケース、PCに内蔵してSATAで接続、ボディにスチールを採用
出典:www.amazon.co.jp
少し変わり種ですが、2台のM.2 SSD(SATA接続)を2.5インチドライブに変換するアダプタケースです。なので、PC内部の2.5インチドライブベイに装着して、SATAで接続することになりますね。そして、RAID 0、RAID 1、JBOD(SPAN)を構築することが可能となっています。
ケースの上面と底面にはスチールが採用されているので、この広い面積によって内部から生じる熱を発散してくれます。
こうした変換アダプタは、自作PCユーザーなら多少なりとも惹かれるのではないでしょうか。
おわりに
今回は、SSD/HDDを組み込んでRAIDを構築できるケースを、ドライブのサイズや搭載数などで分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
RAIDを組むためには、前述のようなRAIDの種類と特徴を理解し、複数のドライブを用意する必要があるなど少しハードルがありますが、本記事を参考にして是非とも導入し、ひとつ上のレベルでのPCライフを楽しんでみてください。