PCのキーボードについて「とにかくコンパクトでシンプルなものがいい」というユーザーは多いかと思います。やはり「シンプル イズ ベスト」ということですね。
というわけで今回は、コンパクトかつシンプルなキーボードについて、基本的な事柄を説明したうえで、ECサイトなどで販売されている中から選んだおすすめを紹介したいと思います。
コンパクトキーボードの選び方
それでは早速、コンパクトキーボードの選び方を見ていきましょう。
幅がどれくらいかで選ぶ
キーボードのサイズは「フルサイズ」、「コンパクト(テンキー付き)」、「コンパクト」の大きく3つに分類でき、サイズ感は次のようになっています。
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PgUp PgDn などのキーがあって、その右にテンキーが付いています。なので、操作性や数字入力などの面で優れていますね。また、基本的にキーが大きめなので、タイプしやすいと言えます(個人差あり)。
ただし、幅が440㎜程度あって、他と比べると大きいので、設置のためのスペースが必要になります。
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フルサイズから PgUp PgDn などのキーが省略されて、テンキーは残されています。また、カーソルキーが Enter の下にきて、サイズも小さくなっています。そのため、幅370㎜程度とコンパクトになります。
ただし、カーソルキーが小さいので、タイプはしにくくなります。また、Enter 近くのキーが小さくなっているものが多いです。
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PgUp PgDn などのキーと、テンキーが省略されています。また、カーソルキーが Enter の下にきて、サイズも小さくなっています。そのため、幅300㎜程度と、かなりコンパクト化が図られていて、設置スペースを大幅に少なくすることができます。
ただし、テンキーがないので、数字入力を頻繁に行う場合は使いにくいですね。また、カーソルキーも小さくてタイプしにくく、Enter 近くのキーが小さくなっているものが多いです。
そして、キーボードのサイズ感で特に重要なのが“幅”です。これによって、設置に必要なスペースがかなり違ってくるからです。また、キーボードの横でマウスを使う場合、キーボードからマウスへの手の移動距離も、“幅”によって大分変わってきます。なので、キーボードの“幅”に注目して製品を選ぶと良いでしょう。
日本語配列と英語配列のどちらかに統一する
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キーボードのキー配列には日本語配列(上の画像)と英語配列(下の画像)があります。これらは記号の位置や enter の形状などが違っていて、慣れていない方だとかなり使いにくいです。なので、自分が使い慣れた方で統一するのが良いですね。
接続は基本的にBluetooth(中には無線2.4GHzのものもある)
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コンパクトキーボードの接続は、Bluetoothのものがほとんど。BluetoothならPCだけでなく、スマホやタブレットでも接続が可能です。やはり、コンパクトキーボードをスマホやタブレットでも使用することが想定されているということですね。
また、Bluetooth接続の製品は基本的に、2~3台のデバイスとマルチペアリングができるようになっており、デバイスを切り替えての使用が可能となっています。
ただし、中にはUSBレシーバーを用いた無線2.4GHzで接続するコンパクトキーボードもあります。無線2.4GHzには「PCのBIOS画面でも使える」というメリットがあるので、これを享受したい場合に選ぶと良いでしょう。
これらには、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
■Bluetooth:スマホやタブレットでも使用可、USBポートが不要
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Bluetoothには、次のようなメリット・デメリットがあります。
■無線2.4GHz:PCのBIOS画面でも使える、接続が容易、コストが低い
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無線2.4GHzには、次のようなメリット・デメリットがあります。
キースイッチは基本的にパンタグラフ
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キーボードのスイッチの種類には、メカニカル、メンブレン、パンタグラフの3つがあります。
そして、コンパクトキーボードで採用されているスイッチは、基本的にパンタグラフになります。パンタグラフの大きなメリットは薄くできるということで、やはりコンパクトキーボードには薄さも求められるからです。
メカニカル、メンブレン、パンタグラフのメリット・デメリットは、それぞれ次のようなものです。
■メカニカル:確かな感触・音
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メカニカルでは、バネと機械による電気スイッチを用いています。これには、確かな感触と音(静音仕様もあり)、耐久性が高いといった特徴があります。ただし、複雑な構造となるため薄くつくるのは難しく、コストもかかります。
■メンブレン:低コスト
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メンブレンは、ラバードームの中に設置した接点シート(膜=メンブレン)をスイッチとしています。これには、深いキーストローク、強い反発力、低コストといった特徴があります。ただし、キーの中心からズレるとタイプしにくいです。
■パンタグラフ:薄い
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パンタグラフの中に設置した接点シート(膜)をスイッチとしています。これには、薄くつくれる、浅くて軽いキーストローク、中心からずれてもタイプしやすいといった特徴があります。ただし、メンブレンよりもコストがかかります。
適切なキーストロークで疲労とミスを減らす
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キーを押したときの深さを「キーストローク」といいます。これは、パンタグラフでは1.5~2㎜程度で、浅い方が軽くタイプできるので疲労しにくいと言えます(個人差あり)。しかし、浅すぎると、少し触れただけで押下したと判定されて、タイプミスになってしまうことがあります。
なので、キーボードを既に使っている場合は、そのキーストロークも踏まえて、使いやすいものを選びましょう。
適切なキーピッチとアイソレーションで確実にタイプする
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隣り合うキーの中心から中心までの距離を「キーピッチ」と言います。これは19㎜が標準で、これ未満だと隣のキーに触れてしまうミスに繋がりやすくなります。
また、キーとキーが密着せずに、少しの隙間が開けられているものを「アイソレーション」(Isolation:分離、独立)といいます。この仕様のものは、隣のキーに触れてしまうミスを減らすことができます。
なので、「キーピッチ19㎜」と「アイソレーション」を指標のひとつとして、製品のスペックを見ると良いでしょう。
電源持ちの長い製品が使いやすい
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ワイヤレス(Bluetooth、無線2.4GHz)のキーボードでは、電源として乾電池または内蔵バッテリーを使用します。
乾電池を使用するものは、その寿命の長さが製品によってけっこう違います。ランニングコストを考えると、やはり寿命の長いものの方が良いですよね。
また、内蔵バッテリーを使用するものも、連続使用時間と充電時間がやはり製品によって異なります。そして、連続使用時間は長い方が、充電時間は短い方が使いやすいので、この点も確認しましょう。
【日本語配列】コンパクトキーボード おすすめ
ここからは、コンパクトキーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。まずは、日本語配列の製品を紹介し、その後に英語配列の製品と続きます。
Ewin EW-B009
【日本語配列、Bluetooth、幅295㎜、重量290g、キーピッチ19㎜】タイプしやすいキーピッチ
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幅295㎜、重量290gの製品です。Bluetooth接続で、3台までのマルチペアリングが可能です。電源は単4形乾電池 2本で、連続使用は100時間以上も可能です。そして、キーピッチは標準とされている19㎜なので、タイプしやすそうです。
ただし、右の Shift と ろ が完全にくっついているので、ここだけは注意が必要です。
Arteck HW098-Black
【日本語配列、無線2.4GHz、幅285㎜、重量217g】USBレシーバーで接続(設定不要)
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幅285㎜、重量217gの製品です。無線2.4GHz接続なので、USBレシーバーを刺すだけでPCと接続できます(設定は不要)。電源は単4形乾電池 2本で、1日2時間の連続使用で最長約4か月の使用が可能です。
幅が285㎜とコンパクトですが、enter 近くのキーは、少し小さくなっています。
バッファロー BSKBB315BK
【日本語配列、Bluetooth、幅285㎜、重量280g、キーピッチ19㎜、キーストローク1.5㎜】標準のキーピッチでタイプしやすい、約2.3年間の電池寿命
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幅285㎜、重量280gの製品です。Bluetooth接続で、3台までのマルチペアリングが可能です。キーピッチは19㎜と標準の広さなので、ミスタイプはしにくいですね。電源は単4形乾電池 2本で、約2.3年間(約865日)も持ちます。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてホワイトもあります。
サンワサプライ SKB-WL36BK
【日本語配列、無線2.4GHz、幅285㎜、重量190g、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】タイプしやすいキーピッチとキーストローク、抗菌使用
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幅285㎜、重量190gの製品です。接続は無線2.4GHzなので、特段の設定をすることなく、PCにUSBレシーバーを刺すだけで使用が可能となります。電源は単4形乾電池 2本で、連続使用は330時間となっています。そして、キーピッチは標準とされている19㎜で、キーストロークは2.0±0.3㎜とこちらも標準なので、ミスや疲れすぎることなくタイプができそうです。
そして、キーボードの材質には、抗菌剤を練り込んだという抗菌仕様(JIS Z2801準拠)となっています。これにより、大腸菌や黄色ブドウ球菌の繁殖を抑制することができます。ただし、enter 近くのキーは、少し小さめですね。
エレコム TK-SLP01BK/EC
【日本語配列、Bluetooth、幅257㎜、重量211g、キーピッチ17.2㎜、キーストローク1.4㎜】日本語配列でも「かな」の印字はなし
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幅257㎜、重量211gの製品。Bluetooth接続で、3台までのマルチペアリングが可能です。電源は内蔵バッテリーで、充電時間は約4時間となっています(充電ポートはmicroUSB)。
日本語配列ですが、キートップに「かな」の印字はありません。なので、ローマ字入力で、スッキリした見た目を好むユーザーに適していますね。
ロジクール K380sGR
【日本語配列、Bluetooth、幅279㎜、重量415g】電池寿命は36か月、指先にフィットする丸いキートップ、無線2.4GH接続も可
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幅279㎜、重量415gの製品です。Bluetooth接続、3までのマルチペアリングが可能で、F1~F3の位置にあるEasy-Switchボタンを押すだけで、デバイス切り替えとOSの自動検出をしてくれます。電源は単4形乾電池 2本で、36か月という長寿命です。
そして、指先にフィットする丸いキートップを採用し、適度なアイソレーションの間隔で、タイプしやすそうです。ただし、丸いキートップは好みが分かれるかもしれません。別売りのLogi Boltレシーバーを使用することで、無線2.4GHzでの接続もできます。
ロジクール KX700GR
【日本語配列、Bluetooth、幅295.99㎜、重量506.4g】Easy-Switchで簡単切り替え、明度を自動調整するバックライトキー、パーフェクト・ストロークキー、無線2.4GHzも可
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幅295.99㎜、重量506.4gの製品です。Bluetooth接続、3までのマルチペアリングが可能で、F1~F3の位置にあるEasy-Switchボタンを押すだけで、デバイス切り替えとOSの自動検出をしてくれます。電源は内蔵バッテリーで、充電ポートはUSB-C、最長10日間の使用が可能です(バックライトがオフの状態では最長5か月)
そして、キーのどこを打っても滑らかで精確なタイプができるという、キートップにくぼみのある「パーフェクト・ストロークキー」を採用。バックライトキーも搭載されていて、手を近づけると点灯し、環境に合わせて明度を自動調整してくれます(アプリでカスタマイズも可能)。別売りのLogi Boltレシーバーで、無線2.4GHzによる接続もできます。
ただし、こうした機能のため、価格は高くなっています。
【英語配列】コンパクトキーボード おすすめ
続きまして、英語配列のコンパクトキーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
Anker A7726
【英語配列、Bluetooth、幅284㎜、重量190g】Macユーザーに適したキー配列
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幅284㎜、重量は約200g、Bluetooth接続の製品です。電源は単4形乾電池 2本で、省電力モードで3か月以上の使用が可能です。使用できるOSはiOS、Mac、Android、Windowsですが、キーのレイアウトがMacのUSキーボードに近いので、iOSかMacでの使用に適していると言えるでしょう。
ただし、Bluetooth接続ではあるものの、マルチペアリングには対応していないようなので、基本的に1台のデバイスで使用することになります。
バッファロー BSKBB335SV
【英語配列、Bluetooth、幅286㎜、重量286g、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】タイプしやすいキーピッチとキーストローク、iPad・iPhone・Mac向け
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幅286㎜、重量286gの製品です。Bluetooth接続で、3台までのマルチペアリングが可能です。電源は単4形乾電池 2本で、約1年間の使用が可能(1日2時間のキーボード操作)。そして、キーピッチは標準の19㎜、キーストロークも2.0㎜と標準的なので、タイプしやすそうです。
そして、メーカーが謳っているように、iPad、iPhone、Macでの使用に適した製品で、デザイン的にもApple製品とマッチする雰囲気です。
サンワサプライ SKB-BT28BK
【英語配列、Bluetooth、幅286㎜、重量410g(電池含まず)、キーピッチ19㎜、キーストローク2.0㎜】標準のキーピッチ・キーストロークでタイプしやすい、タブレットスタンド機能付き
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幅286㎜、重量410g(電池含まず)の製品です。Bluetooth接続で、3台までのマルチペアリングが可能です。キーピッチは19㎜と標準的で、キーストロークも標準的な2.0㎜なので、タイプしやすいですね。
そして、収納式のタブレットスタンドが付いているのが特徴的です。別にスタンドを持ち歩く必要はないですし、スタンドを収納した際には背面がフラットになり邪魔になりません。タブレットでの文字入力を頻繁にするユーザーに適していますね。
おわりに
今回は、コンパクトキーボードのおすすめを、日本語配列の製品と、英語配列の製品で分けて紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
コンパクトキーボードならカバンの中に入れてどこへでも持ち出せるので、いろんな場所で入力作業ができるようになります。そうして気分を変えることができれば、作業効率もきっと上がること間違いなしですね。