液晶モニター(ディスプレイ)を買い替え、または増設する際に、スペックのどの部分を見たらいいのかよく分からない」という人も多いのではないでしょうか。
というわけで今回は、PC用の液晶モニターを購入する際に確認しておきたいポイントを説明したうえで、ECサイトなどで入手できる製品の中からピックアップしたおすすめを紹介したいと思います。
目次
PCモニターの選び方
以下に、PCモニターを選ぶポイントを見ていきましょう。
サイズ(インチ、寸法)で選ぶ
標準的な24インチ程度
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PCモニターのサイズで、標準的と言えるのは24インチ程度です(23.8インチなども含む、以下同)。このサイズであれば、ネットやDVDの動画を見たり、ワープロソフトで文書を作成したり、デジカメの写真を編集したりするのに、画面が狭い・小さいと感じることはまずないでしょう。
省スペースな21.5インチ以下
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設置できるスペース(特に幅)が限られているなら、21.5インチ以下がおすすめ。たとえば、前の項目の写真にある24インチの製品はW565.36㎜ですが、上写真の21.5インチの製品はW506.2㎜というように小さくなり、より狭いスペースでも置くことができます。ただしその分、表示が小さくなって(普段、24インチ以上を使っている場合は特に)狭い・小さいと感じるかもしれません。
映像などを大きく見たいなら27インチ以上
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映画などを大きく見たいなら、より大きいサイズの27インチ以上にすると良いでしょう。ただし画面が大きい分、幅も大きくなり、上の写真の27インチの製品はW641㎜となっています。ですので、設置スペースが十分にあるかを事前にしっかり確認しましょう。
現在、市販されているPCモニターは、アスペクト比は16:9、解像度は1920×1080(フルHD)が一般的です。今回紹介するのは、アスペクト比16:9で1920×1080(フルHD)、またはそれ以上の製品になります。
一般的な用途では「IPS」がオススメ
液晶パネルの駆動方式には大きく、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In-Place-Switching)方式の3つがあり、それぞれ比較すると次のような特徴があります。
TN方式 | VA方式 | IPS方式 | |
---|---|---|---|
画質 | 低 | 中 | 高 |
視野角 | 狭い | 少し狭い ※1 | 広い |
コントラスト比 | 普通 | 高い | 普通 |
応答速度 | 速い | 少し速い | 少し遅い ※2 |
価格 | 安め | 普通 | 高め |
そして、一般的な用途であれば、高画質で視野角が広いIPSパネル がオススメですね。今回紹介するのは全て、IPSパネルの製品になります。
斜めから見たとき、何度まで表示が正常に見えるかを示す数値。この角度が狭いと、斜めからでは画面が暗く見えたり、色が変わって見えてしまいます。
コントラスト比
白と黒の比率で、「1,000:1」(白が1,000に対して黒が1)というように表記されます。比率が高いほどメリハリがあります。
また、映像に合わせてバックライトの明るさを調節してコントラストを上げる「ダイナミックコントラスト」という技術により、2,000万:1などの高コントラスト比を実現した製品もあります。なお、機能の呼称はメーカーによって、ACR、DCR、ACMなどさまざまです。
応答速度
モニターのドットが、ある色から他の色へと変化するまでの時間。この時間が速いほど残像が少なく、滑らかに表示されます。単位は「ms」(ミリセカンド=ミリ秒)。多くのPCモニターのスペックには、2つの値が用いられます。
ひとつは黒→白→黒の応答速度で、一般的には5~10msの製品が多く、速いものだと1msの製品もあります。表記は「MPRT」です。
もうひとつは、ある階調のグレーから別の階調のグレーへの変化という中間階調の応答速度。表記は「GTG」や「Gray To Gray」です。2~5msの製品が多くなっています。
なお動画の場合、黒白の切り替えより、中間階調での色の移行が圧倒的に多いので、「GTG」の性能がより重要となります。
長時間作業ならアンチグレア(非光沢)、動画視聴ならグレア(光沢)
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液晶パネルは表面の処理加工によって、アンチグレア(非光沢)とグレア(光沢)の2つに分類されます(アンチグレアは「ノングレア」とも言います)。これには、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
ですので、長時間作業ならアンチグレア(非光沢)、動画視聴ならグレア(光沢)が向いていると言えますね。
その他のスペック(輝度、リフレッシュレート、入力ポート)を確認する
モニターの輝度(明るさ)を確認
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液晶パネルの裏側には、画面を表示する光源となるバックライトがあります。このバックライトの明るさが「輝度」。単位は、1平方メートルあたりに照射される光量という意味の「cd/㎡」(カンデラ/平方メートル)が用いられます。
輝度が高いとPCモニターも明るくなり、周囲が明るい場所でも見やすくなります。また、輝度が高ければ光が届く距離も長くなるので、少し離れた所からも見やすくなります。
蛍光灯で照らされた室内で使う場合、PCモニターの輝度は、200~300cd/㎡くらいあれば十分でしょう。
リフレッシュレートを確認
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「リフレッシュレート」とは、 新しい画像を1 秒間に何回描画できるかを表すもので、単位は「Hz」(ヘルツ)です。たとえば、60Hzの場合、画像が1 秒間に60回更新される、ということになります。そして、この数値が大きいほど、滑らかな表示となります。
市販されているほとんどのPCモニターは、LEDバックライト、フリッカーフリー(ちらつき軽減)、ブルーライト軽減、FreeSyncに対応しています。
入力ポートの種類と数を確認
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現在、市販されているPCモニターに装備されている入力ポートにはDisplayPort(DP)、HDMI、DVI-D、D-Subがあります。最近のPCであればDisplayPort(DP)やHDMIに対応していますが、少し古い場合はDVI-DまたはD-Subにしか対応していない場合も…。ですので、接続するPCに付いている出力ポートを確認し、それに対応するPCモニターにしましょう。
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VESAとは、壁掛けやアームへの取り付けについての規格のこと。市販されているほとんどのPCモニターは、VESAに対応しています。
搭載スピーカーについて
多くのPCモニターにはスピーカーが搭載されています。しかし、ほとんどが「1W+1W」や「2W+2W」など出力が極端に小さく通常の使用には適していません。なので、オマケ程度に考えるのが良いでしょう。
【24インチ程度】IPSパネルPCモニター おすすめランキング
ここからは、PCモニターのおすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。前述のとおり、紹介するのは全てIPSパネルの製品になります。
まずは24インチ程度の製品を紹介し、その次に21.5インチ以下、27インチ以上と続きます。
第1位:IODATA EX-A241DB
3辺フレームレス、削減したいW数を確認して「輝度」設定が可能、台座にはスマホスタンド付き
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まず、パネルにある「ADS」(Advanced super Dimension Switch)というのは、IODATAが用いている名称で、基本的な仕組みはIPSと同じです。
そして、特徴としては、パネルとフレームに段差のないフラットな3辺フレームレスのパネルを採用していることがあげられます。これにより、とてもスッキリしたデザインとなっています。また、「輝度」を設定する画面で、削減できるW(ワット)数の確認が可能。具体的な数値があると、より意識して節電できるのではないでしょうか。
台座の前面にはスマホスタンド(横長の溝)が付いているので、ここにスマホを立てて、いつでもチェックすることができます。
第2位:PHILIPS 241E1D/11
「SmartImageゲームモード」で快適なプレイ、狭額ベゼルでエレガントなデザイン
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フィリップスの独自技術で、ゲームの種類(FPSやレースなど)に応じて予め彩度や明度が微調整されたいくつかのモードをすぐに切り替えられる「SmartImageゲームモード」を搭載した製品です。
そして、ベゼル(フレーム)がかなり狭くなっていて、全体的にエレガントな雰囲気となっているのが好評価です。入力ポートはHDMI、D-Sub、DVI-Dが1基ずつあり、対応の幅が広くなっています。
第3位:Xiaomi A24i
100Hzの高リフレッシュレート、3辺が狭小ベゼル、最薄部は7.5㎜のスリムデザイン、コスパが優秀
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リフレッシュレートが100Hzと高い製品で、表示の遅延を低減して、動画などのエンタメコンテンツを滑らかに表示してくれます。
そして、3辺に没入感ある狭小ベゼルのパネルを採用し、スクリーン対ボディ比は90%となっています。また、最薄部はわずか7.5㎜とスリムデザインとなっており、台座のデザインも相まって、デスク上をすっきりとしてくれます。
それから、何と言ってもコスパが優秀ですね。
第4位:Minifire 24X3A
マイクロエッジディスプレイを採用、100Hzの高リフレッシュレート、ゲームモード搭載
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トップと左右のベゼルを極限まで細くしたマイクロエッジディスプレイを採用した製品です。圧迫感がなく、マルチディスプレイでも境目が目立たず快適な環境となるでしょう。
そして、100Hzの高リフレッシュレートで、より滑らかな映像となります。4つのゲームモード(RTS、FPS、RACING、Screen)も搭載しているので、ゲームの種類に適した表示とすることも可能です。
第5位:BenQ GW2490
輝度の自動調整機能を搭載、8種の画面モード、リフレッシュレートは100Hz、HDMIポートが2基、ウルトラスリムベゼルを採用
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周辺の光量を検出して輝度を自動調整するブライトネスインテリジェンス(B.I. Gen2)を搭載した製品。さまざまな周辺光環境において、鮮明なディテールを再現してくれます(Gen2では、調整の起点となる明るさを調整可能)。また、用途に合わせた8種の画面モード(標準、コーディング、ケアモード、M-book、動画、ゲーム、ePaper、ユーザー)も用意されています。
リフレッシュレートは100Hzと高く、変化により迅速に反応してくれるので、スムーズな映像体験が得られます。HDMIポートは2基搭載されているので、ゲームやノートPCなどを画面を切り替えながら使用することも可能。「Eye-CareU」ソフトウェアをダウンロードすると、休息を促すリマインダー機能なども利用可能になります。
さらに、3辺ウルトラスリムベゼルを採用し、スタイリッシュな外観で、没入感も高くなっています。
【21.5インチ以下】IPSパネルPCモニター おすすめランキング
続きまして、21.5インチ以下のおすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。小さく省スペースなPCモニターで、設置する場所をより広く使いましょう。
第1位:IODATA EX-A221DB
3辺フレームレスパネルを採用、削減したいW数を確認して「輝度」設定が可能、台座にはスマホスタンド
出典:www.amazon.co.jp
まず、パネルにある「ADS」(Advanced super Dimension Switch)というのは、IODATAが用いている名称で、基本的な仕組みはIPSと同じです。
そして、この製品は前出の「IODATA EX-A241DB(23.8インチ)」が21.5インチになったもので、特徴はほぼ同じ。パネルとフレームに段差のないフラットな3辺フレームレスのパネルを採用し、「輝度」を設定する画面で削減できるW(ワット)数の確認が可能となっています。また、台座の前面にはスマホスタンド(横長の溝)が付いています。
第2位:BenQ GW2283
輝度の自動調整機能を搭載、4つのモードでブルーライトを軽減、ウルトラスリムベゼルデザイン、HDMIポートが2基
出典:www.amazon.co.jp
この製品の大きな特徴は、周辺の光量を検出して輝度を自動調整するブライトネスインテリジェンス(B.I.)テクノロジーを搭載していること。さまざまな周辺光環境において、鮮明なディテールを再現してくれます。また、「ブルーライト軽減モード」では、プリセットされた4つのモード(マルチメディア、ウェブサーフィン、オフィス、閲覧)を切り替えることができます。
さらに、ベゼルが狭い「ウルトラスリムベゼルデザイン」を採用し、HDMIポートが2基あって複数のHDMI機器を接続しやすくなっています。
第3位:ASUS VY229HE
休憩リマインダー機能、識別しやすい色相にカスタマイズ、ベゼルと設定キーには抗菌加工
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製品説明に「Eye Care」とあるように、目に優しい製品です。たとえば、30分ごとに10分間の休息をとるなど休憩時間をお知らせしてくれる「休憩リマインダー」や、色覚に障がいのあるユーザーのために色相にカスタマイズする「カラーオーグメンテーション」などが搭載されています。
また、ベゼルと設定キーには抗菌性のある銀イオン加工が施されていて、手で触れる部分を清潔で衛生的に保つことができます。
第4位:Acer SA222QEbmix
12,980円(税込)
ゼロ・フレームデザイン、100Hzと高リフレッシュレート、ブルーライト透過率を4段階で調節可能
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スタイリッシュなゼロ・フレームデザインを採用した製品です。最薄部も7㎜とかなり薄いので、マルチディスプレイ環境でも、シームレスな使用が可能です。
そして、リフレッシュレートは100Hzと高いので、ゲームをするのにも適しています。また、ブルーライトシールド機能では透過率を4段階で調節が可能なので、周囲の証明環境に合わせた表示とすることができます。
第5位:PHILIPS 221E9/11
スリムベゼルを採用、HDMIポートが2基、シンプル機能で低価格
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ベゼルが狭い「スリムベゼル」を採用し、スタンドもスリムで、全体的に細身な印象の製品。ただ、機能的にはシンプルで、特徴は入力ポートのHDMIが2つあるということくらい。
その分、価格が抑えられているので、「とにかく価格が優先」というユーザー向けのモデルと言えるでしょう。
【27インチ以上】IPSパネルPCモニター おすすめランキング
最後に、27インチ以下のおすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。映画などを複数人で鑑賞するには、大きな画面の方が良いですよね。
第1位:Dell S2721DS
29,800円(税込)
解像度は2560×1440(QHD)HDMIポートが2基、回転機能があるなど高い柔軟性
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解像度が2560×1440(QHD)に対応した製品です。27インチでこの解像度なら、一般的な1920×1080より滑らかで、かつ広い範囲を表示でき、しかも文字が小さくなりすぎないので理想的ではないでしょうか。また、スタンドの調整機能が豊富なのも大きな特徴のひとつ。高さ、角度、回転、傾きを好みの位置に調整できるので、デクス環境に合わせて柔軟な使い方ができます。
入力ポートはHDMIが2基あるので、複数の映像機器での切替使用に適していますね。デザイン的には、3辺超薄型フレームレスとなっていて、洗練されています。ただし、こうした機能の分、価格はやや高めです。
第2位:Xiaomi A27i
3辺が狭ベゼル、100Hzの高リフレッシュレート、TÜV低ブルーライト認証
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上と左右の3辺に狭ベゼルデザインを採用した製品です。特に、マルチモニター環境では臨場感が向上しそうです。
リフレッシュレートは100Hzと高く、入力遅延やフリーズを軽減してくれます。また、TÜV低ブルーライト認証を得ていて、低ブルーライトモードにすることで短波長のブルーライトをカットしてくれます。
第3位:PHILIPS 271E1D/11
「SmartImageゲームモード」で快適なプレイ、狭額ベゼルでエレガントなデザイン
出典:www.amazon.co.jp
フィリップスの独自技術で、ゲームの種類(FPSやレースなど)に応じて予め彩度や明度が微調整されたいくつかのモードをすぐに切り替えられる「SmartImageゲームモード」を搭載した製品です。そして、ベゼルがかなり狭くなっていて、全体的にエレガントな雰囲気となっているのが好評価です。
第4位:IODATA EX-LDH271DB-B
エコな自動電源オフ機能を搭載、スマホスタンド付き
出典:www.amazon.co.jp
まず、パネルにある「ADS」(Advanced super Dimension Switch)というのは、IODATAが用いている名称で、基本的な仕組みはIPSと同じです。
そして、「自動電源オフ」機能が搭載されていて、PCの電源と連動してモニターの電源もオフにすることができるのが特徴です。また、スタンドの前部にスマホスタンドがあり、スマホを立てることができます。SNSなどの通知を見逃したくない人には良いですね。
ただ、他の製品と比べると、ベゼルが少し太めなのと、入力ポートがHDMI×1とD-Sub×1と少なめなところはと気になります。
第5位:PHILIPS 272E2FE/11
4辺フレームレスのデザイン、高さ調節も可能
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4辺がフレームレスとなるデザインを採用した製品。上と左右が狭ベゼルのものが多い中、下のフレームまで狭くなっているので、かなりスッキリした印象です。ただ、その関係か、電源ボタンが背面となっています。
そして、柔軟なスタンド設計となっていて、高さ調整の可動域は100㎜、チルト調整は-5~10°で可能となっています。入力ポートはHDMI×1、DisplayPort×1、D-Sub×1と、対応の幅が広くなっています。
ただし、背面の構造からするとVESAには非対応のようなので、モニターアームは使えなさそうです。
おわりに
今回はIPSパネルのPCモニターのおすすめ製品を、24インチ程度、21.5インチ以下、27インチ以上というサイズで分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
PCでの動画や写真の編集・映像の鑑賞などをする場合、表示はキレイな方がいいですよね。逆に、文書等の作成しかしないということで、表示の品質よりコストを重視したい場合もあります。上記を参考に、自分の用途に合ったPCモニターを手に入れてくださいね。