スマホやタブレットの2台持ちをしているユーザーも多いかと思いますが、そんな人のバッテリー切れ問題に最適なのが10,000mAhのモバイルバッテリーです。
そこで今回は、10,000mAhのモバイルバッテリーを選ぶ際のポイントをいくつか説明してから、おすすめ製品を紹介したいと思います。
目次
そもそも「10,000mAh」って、どれくらいなの?
選び方の前に、まずは「10,000mAh」がどれくらいのものなのかについて見ていきます。
10,000mAhはスマホを約2回充電できる(2台持ちに最適)
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バッテリーの容量を表す単位は「mAh(ミリアンペアアワー、ミリアンペア時)」。この「Ah」は「電流(A)×時間(h)」という意味で、10,000mAhのバッテリーなら「10,000mAの電流を1時間流せる」ということになります。
そして、バッテリーの容量と、スマホに充電できる回数の目安は、次のようになります(使用状況等により、実際の充電回数は異なります)。
このように、10,000mAhのモバイルバッテリーは、スマホに約2回、つまり2台のスマホなら1回ずつの充電をすることができます。なので、スマホを2台持ちしているユーザーの普段使いには、10,000mAhのモバイルバッテリーが最適と言えます。
10,000mAhでもコンパクトで使いやすい
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モバイルバッテリーは、もちろん容量が大きい方が良いに違いないです。ただし、それは利便性とはトレードオフで、容量が大きいとそれに比例して外形寸法と重量も大きくなり、使い勝手が悪くなりがちです。
では、10,000mAhはどうかと言うと、近年は技術が進化してコンパクト化が可能となっているので、そこまで「大きくて重い」ということはなく、カバンの中に入れておいても苦にならないくらいのサイズ・重量感となっています(たとえば、上の写真の「Anker Power Bank (10000mAh, 30W) 」の外形寸法は約99×52×26㎜、重さ約220g)。なので、スマホ2台と10,000mAhのモバイルバッテリーを常に携帯する、という使い方は全然アリですね。
10,000mAhモバイルバッテリーの選び方
ここからは、10,000mAhのモバイルバッテリーを選ぶ際のポイントを見ていきます。
USB-Cポート搭載 & USB PD対応の製品にする
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モバイルバッテリーに搭載されているUSBポートの種類には、USB Type-A(USB-A)、USB Type-C(USB-C)、microUSB(USB micro B)があります。
■USB-A
最も一般的で、「USB」と言うとこのUSB-Aを示す場合もあります。
■microUSB
既に廃れつつあります(搭載している製品もありますが、ほぼ互換性のため)。なので、microUSBにこだわる必要はありません。
■USB-C
比較的新しい規格で、既に一般的になっていますね。また、モバイルバッテリーに搭載されているUSB-Cの多くはUSB PD(USB Power Delivery)に対応し、18Wや20Wなどの高出力によって従来よりも速い充電が可能です(出力W数は製品によって異なります。詳しくは後述)。
なので、これから購入するならUSB-Cポートが搭載されている製品が良いでしょう。ただし、少し古い製品の中には「USB-Cは搭載しているが、USB PDには対応していない」というものもあるので、この点は要確認です。
なお、USB-Cポートが搭載されているモバイルバッテリーは「基本的にUSB-Aポートが搭載されていて、さらにUSB-Cポートも搭載されている」という仕様なので(USB-Cポートが2基のみなど、例外もあり)、この2つポートを使って2つのデバイスの同時充電が可能となります。ただし、少し古い製品の中には「USB-Cポートは入力専用で、そこからの出力は不可」というものもあるので注意が必要です。
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左がUSB-A、右がUSB-C
USB-Cのコネクタは、従来のUSB-Aよりも小さくなっています。また、USB-Cは上下左右が対照の形状であるため、向きを気にせずに接続できます(USB-Aでは「向きが逆で差し直し」ということがよくありましたが、USB-Cでは解消されています)。
USB PD(Power Delivery)とは?
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これは、USB Type-Cに対応した給電規格で、理論上では最大100W(20V/5A)という大きな給電能力をもっています。
実際のモバイルバッテリー製品の給電能力は18Wや20Wなどですが、それでも従来のUSB急速充電(12W〔5V/2.4A〕など)と比べてかなり速くなります。
出力W(ワット)が大きいと充電時間が短縮できる
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バッテリーの出力を表す単位は「W(ワット、仕事量)」で、製品によって22.5W、30Wなどと違っています。そして、この数値が大きいものほど速く充電できるので、充電時間を短縮したいなら、なるべく出力W(ワット)の大きいモデルを選びましょう。
なお、一部では、W(ワット)ではなく「A(アンペア)」で示している場合もあります。「電圧(V)×電流(A)=電力(W)」なので、たとえば5V×2.4A=12Wということです。
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米Qualcomm(クアルコム)社が開発した、高速充電の規格です。速くするポイントは電圧。通常のUSB充電では5V固定のところを、Quick Charge 3.0では3.6V~20Vの範囲を200mV単位で変動させ、そのバッテリーの性能や状態、温度などに応じて最適な電圧を供給することでロスを減らし、高効率な充電を実現しています。
たとえばUSB充電器で、従来の5V/1A製品と比べた場合、Quick Charge 3.0対応製品は約4倍も高速で充電が可能というデータもあります(充電比率80%程度までの充電を想定)。
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入力ポートのW数(モバイルバッテリーへの充電速度)も確認
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バッテリー本体への充電(入力)速度も大切です。この速度が遅いと、けっこうなストレスになりますからね。この速度も出力と同様に、「W(ワット、仕事量)」の大きさで決まります。なので、この点も確認しましょう。
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従来からあるUSB充電器は、大きいものでも出力が12W(5V / 2.4A)まで。これでも、モバイルバッテリーへの充電はできるのですが、それなりに時間がかかります。
なので、USB充電器をQuick Charge 3.0またはPD(Power Delivery)を用いた18W以上のものにすると、モバイルバッテリーへの充電が速くできるので、こうしたものがオススメです。
スリムタイプ(薄型)かどうかで選ぶ
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10,000mAhのモバイルバッテリーの形状は、大きく通常タイプ(やや厚みのあるタイプ)とスリムタイプ(薄型)の2つに分けることができます。
通常タイプ(やや厚みのあるタイプ)は、厚みがあるのがデメリットですが、幅は小さく収まるのがメリットです。
一方、スリムタイプ(薄型)のものは、そのままですが薄いのがメリットです。ただしその分、幅が大きくなりがちなのがデメリットと言えます。
なので、どのようにして携帯するのか(服ポケットに入れる、カバンの中に書類と重ねて入れるなど)を想定して選ぶと良いですね。
【通常タイプ】10,000mAhモバイルバッテリー おすすめランキング
ここからは、10,000mAhモバイルバッテリーのおすすめ製品を、ランキング形式で紹介していきたいと思います。
まずは、通常タイプ(やや厚みのあるタイプ)の製品を紹介し、その後にスリムタイプ(薄型)の製品と続きます。
第1位:Anker Power Bank(10000mAh 30W)
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力30W、最大入力18W】USBポートは計3つ、残量%などをディスプレイで表示
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大30Wで出力し、同ポートで最大18Wの入力ができます。USBポートは、USB-Cが2基、USB-Aが1基あるので、それを全て使えば同時に3つのデバイスに充電することができます。
そして、本体前面にディスプレイを搭載し、そこに残量の%や使用可能な時間の目安が表示されるなど、なかなか使い勝手が良さそうです。
第2位:Anker PowerCore 10000 PD Redux 25W
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力25W、最大入力182W】低電流モードを搭載、コンパクトサイズで表面に滑りにくい加工
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USB PDに対応し、USB-Cポートから最大25Wで出力し、同ポートで最大18Wの入力ができる製品です。USB PDのオプションであるPPS(Programmable Power Supply)にも対応し、出力電圧と電流を20mV・50mA刻みで最適化して、対応デバイス(Galaxy S22など)の発熱を抑えながらフルスピード充電が可能となっています。
Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスを最適な電流で充電することができる低電流モードも搭載(ボタンを2回押すと低電流モードになり、インジケーターの1つがグリーンになります)。全体的にコンパクトサイズで、表面には格子状の細かなラインが刻まれており、滑りにくい仕様となっています。
モバイルバッテリーは通常、充電先デバイスのバッテリーが満タンになると、出力が小さくなったことを感知して自動的に電源がOFFになるようになっています。
この仕様が、Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスの場合は、問題になります。充電電流が小さいと、モバイルバッテリーの出力も小さいので、モバイルバッテリーの電源がすぐにOFFになって、デバイスの充電ができないのです。
この問題を回避するのが、低電流モードです。このモードでは、モバイルバッテリーの出力が小さくても電源をOFFにせずに(ONのままにして)、充電電流の小さいデバイスでも充電し続けることができます。
第3位:UGREEN PB502
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力30W、最大入力30W】60WのUSB-Cケーブル付属、LED一体化設計、低電流モードを搭載、パススルーにも対応
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USB PDに対応し、USB-Cポートから最大30Wで出力し、同ポートで最大30Wの入力ができるという高出入力の製品です(30WのUSB PD充電器を用いた場合、約2時間分でモバイルバッテリー本体への充電が完了)。60WのUSB-Cケーブルも付属しているので、すぐに使い始めることができます。残量を数値で示すLEDは一体化設計となっていて、普段は本体の色と同じで、電源スイッチを押したときだけ表示される仕様です。
そして、低電流モードにも対応し、Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスでも適切に充電することができます(ボタンを3秒以上長押しで、低電流モードになります)。また、パススルー充電(バッテリー本体の充電をしながら、他のデバイスの充電も行う)にも対応しているので、出かける前まど時間が限られているときなどに便利ですね。
第4位:Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力20W、最大入力20W】MagSafe対応でワイヤレス充電が可能、低電流モードを搭載、パススルー対応、折りたたみ式のスタンド付き
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大20Wで出力し、同ポートで最大20Wの入力ができます。そして、MagSafeに対応していて、iPhone 12以降の機種にワイヤレス充電が可能となっています。 パススルー機能も搭載し、MagSafeでiPhoneを充電しながら、モバイルバッテリー本体へも充電することが可能です(パススルーは、USB-Cポートからの入力、かつワイヤレス出力時のみ。USB-Aポート出力では不可)。なので、MagSafe対応のワイヤレス充電器としても使用できます。
背面には、折りたたみ式のスタンドが付いているので、MagSafeでくっつけるとiPhone用のスタンドとしても利用できます。
第5位:CIO SMARTCOBY Pro 30W
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力30W、最大入力20W】10000mAhクラスの中で世界最小・最軽量級、LEDデジタル残量表示、パススルーに対応
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大30Wで出力し、同ポートで最大20Wの入力ができます(約2.2時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。そして、かなりコンパクトな製品で(外形寸法は約77×56×26㎜)、10000mAhクラスでは世界最小・最軽量級を実現しています(メーカー)。
また、LEDによるデジタル表示を採用していて、1%単位で残量を把握することができます。パススルー充電(バッテリー本体の充電をしながら、他のデバイスの充電も行う)にも対応しています(パススルーの充電順序は、スマホ→バッテリー)。
第6位:エレコム EC-C11BK
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力20W、最大入力18W】USB-Aポートが2基、パススルー充電に対応
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大20Wで出力し、同ポートで最大18Wの入力ができます(18W以上のUSB PD充電器を用いた場合、約3時間30分でモバイルバッテリー本体への充電が完了)。そして、USB-Aポートが2基あり、USB-Cポートと合計で3基なので、同時に3台のスマホへ充電することができます。
パススルー充電(バッテリー本体の充電をしながら、他のデバイスの充電も行う)にも対応しています(製品説明では「まとめて充電」)。
【スリムタイプ】10,000mAhモバイルバッテリー おすすめランキング
続きまして、スリムタイプ(薄型)の10,000mAhモバイルバッテリーのおすすめ製品を、ランキング形式で紹介していきたいと思います。
第1位:VEEKTOMX VT103
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力20W、最大入力20W】LED表示で残量を%表示、コンパクト設計、表面には滑り止め加工
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大20Wで出力し、同ポートで最大20Wの入力ができます。また、互換性のために、入力用のmicroUSBポートも搭載しています(最大18W)。
そして、%表示のLEDディスプレイを搭載していて、残量を一目で把握することが可能。外形寸法は約106×68.6×16㎜となかなかのコンパクトさなので、服のポケットなどに簡単に入れておくことができます。表面のABS樹脂には滑り止め加工が施されているので、手に取りやすいですし、デザイン性にも寄与していますね。
第2位:Anker 523 Power Bank(PowerCore Slim 10000 PD)
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力20W、最大入力18W】低電流モードを搭載
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大20Wで出力し、同ポートで最大18Wの入力ができます(18WのUSB PD充電器を用いた場合、約5時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。
Bluetoothイヤホンなど充電電流の小さいデバイスを最適な電流で充電することができる低電流モードを搭載しています(ボタンを2回連続で押してLEDが緑に点灯すると、低電流モードになります)
第3位:Puzxo PB-06
【USB-Cポート、USB PD対応、最大出力20W、最大入力18W】LCDディスプレイ搭載で1%刻みで残量を表示、「急速充電マーク」あり、持ちやすい表面加工処理
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USB PDに対応した製品で、USB-Cポートから最大20Wで出力し、同ポートで最大18Wの入力ができます(USB PD充電器を用いた場合、約3時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。
そして、LCDディスプレイが搭載されており、そこに1%刻みで残量を表示してくれるので分かりやすいです。また、少し珍しい仕様なのが「急速充電マーク」があること。急速充電がされているのが視覚的に分かるようになっているのは嬉しいですね。
第4位:INIU BI-B41
【USB-Cポート、最大出力15W、最大入力15W】USB-Aポートが2基、3つのデバイスに同時充電が可能、肉球インジケーターで残量表示、LEDライト付き
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USB-CポートとUSB-Aポートから最大18Wで出力し、同ポートで最大15Wの入力ができます(USB PDには対応していません。約3時間でモバイルバッテリー本体への充電が完了します)。USB-Aポートが2基あるので、USB-Cポート1基と合わせて、計3つのデバイスに同時充電が可能です。
そして、特徴的なのが肉球マーク。これは単なるデザインではなく、残量を表示するインジケーターとなっています。また、LEDライトが付いているので、緊急時には非常灯としても使用可能です(電源ボタンを2回連続で押すとLEDライトのON/OFFができます)。
第5位:Anker PowerCore Slim 10000
【USB-Cポート(入力専用)、最大出力12W、最大入力10W】低電流モードを搭載、上質なデザイン
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USB-Aポートから最大18Wで出力し、USB-CまたはmicroUSBポートで最大10Wの入力ができます(USB PDには対応していません)。これは少し古い仕様の製品ですね。
そして、電流の小さいデバイス(イヤホンなどの小型電子機器やウェアラブル機器)に最適な電流で充電することができる低電流モードを搭載しています。外観的には、表面加工が施されたなめらかなマット素材を用いていて、上質な印象です。
紹介しているのはブラックで、他のカラーバリエーションとしてホワイトもあります。
おわりに
今回は10,000mAhモバイルバッテリーのおすすめ製品を、通常タイプ(やや厚みのあるもの)とスリムタイプ(薄型)バッテリーの容量別で紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
スマホやタブレットの2台持ちしているユーザーは、バッテリー切れ対策として、上記を参考にして是非10,000mAhのモバイルバッテリーを入手してみてくださいね。