筆者の部屋には、長時間稼働しているPCが2台あります。それらを見ているうちに「これを使ってマイニングをすれば、初期費用とランニングコストが抑えられて効率的かも!?」と思いまして、実際にマイニングができるように改造してみました。
というわけで今回は、どんなPCをどのように改造したかについて書いてみたいと思います。
目次
1/2台目:Shuttle DS437Tにグラボを4枚追加
ベースはスモールファクターのベアボーンキット、Shuttle DS437T
出典:www.amazon.co.jp
ベースにしたのは、スモールファクターのベアボーンキット、Shuttle DS437Tです(以下、DS437T)。OSとメモリ、2.5インチストレージを別途追加して使用していました。
主な仕様は以下のとおり。
ここにUSB外付けハードディクスを接続して有線LANで共有し、ファイル・メディアサーバーとして24時間稼働させていました。
無線LANカードを取り外して、mini PCIe→PCIe×1変換アダプタを接続
DS437Tはマザーボードのmini PCIeスロットに無線LANカードが装着されています。これを取り外し、mini PCIe→PCIe×1変換アダプタを購入して接続しました。
購入した変換アダプタは、次の製品です。
PCIe ライザー アダプタカードを接続
mini PCIe→PCIe×1変換アダプタの先に、PCIe ライザー アダプタカードを購入して接続しました。PCIe ライザー アダプタカードの固定は、DS437TのVESAマウントキットを取り付けるネジ穴に余っていたネジを付け、それを支えにして、両面テープと結束バンドを使って行っています。
ちなみに、写っている冷却ファンは、DS437Tを冷却するために以前から使用していたものです。
購入したPCIe ライザー アダプタカードは、次の製品です。
ライザーカードを使用して、グラボを4枚接続
PCIe ライザー アダプタカードのUSBポートには、ライザーカードを購入して接続し、そこに4枚のグラフィックボードを購入して接続しました。
なお、グラフィックボードを接続すると、DS437Tに内蔵のIntel HD Graphicsは強制的にオフになってしまいます(BIOSでも選ぶことはできないようです)。そのため、ディスプレイはグラフィックボードの方に接続しています。
ちなみに、グラフィックボードが倒れないよう、手元にあったプラスチックのメッシュ板を切って折り曲げたものとダブルクリップを使って固定しています。下に敷いているのは、ノートPCの冷却台として使っていたアルミ板です。
購入したライザーカードとグラフィックボードは、次の製品です(上の写真のグラフィックボードは、左からPalit Microsystems GeForce GTX1070 8GB DUAL、玄人志向GF-GTX1060-E6GB/OC2/DFが2枚、MSI GeForce GTX 1080 ARMOR 8G OCです。いろいろ試してみたくて、こんな構成になりました)。
グラボの後ろに冷却ファン
グラフィックボードを冷却するため、80㎜ファンと140㎜ファン、無印良品のデスクファンを設置しました。いずれも既に所有していたものです。
電源ユニットはサイズ 鎌力プラチナ600W、ラックの1段下に設置
グラフィックボードや冷却ファンなどの電源は、既に所有していたサイズ 鎌力プラチナ600Wから供給しています。80PLUS PLATINUMなので、変換効率はかなり高いですね。スペースの都合で、ラックの1段下に設置しました。
なお、電源ユニットを単体でオンにするために、ATX24ピンコネクタの15 ピンと 16 ピンをクリップで直結しています(写真は、別の電源ユニットで再現したもの)。使用する際には、コネクタの上から絶縁テープを巻き付けています。
グレード | 負荷率20% | 負荷率50% | 負荷率100% |
---|---|---|---|
TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
BRONZE | 82% | 85% | 82% |
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
電源ケーブル各種も用意
グラフィックボードとライザーカードに電源を供給するため、以下のケーブルを購入して接続しました。
グラボ4枚マイニング仕様のDS437Tが完成
このようにして、グラフィックボードを4枚搭載したマイニング仕様のDS437Tが完成しました。
その後、しばらく運用してみたところ、かなり不安定でエラーが出まくり、PCを再起動せざるを得ない状況が頻発しました。
原因は、まず間違いなく電源の容量不足。グラフィックボードをPalit NE51070015P2-1043D (GeForce GTX1070 8GB DUAL)だけにしてみると、安定してマイニングを続けることができるようになりました。
2/2台目:メインで使用している自作PCのケース外部にグラボを1枚追加
改造したもう1台は、仕事でメインに使用している自作PC。だいたいですが、1日に12~14時間くらいは起動させています。これに、玄人志向GF-GTX1060-E6GB/OC2/DFを購入して取り付けました。
ただし、グラフィックボードを普通に取り付けるとPCケース内部の温度がかなり上がってしまい、他のパーツに影響してしまう心配があります。そのため上の写真のように、電源ケーブルを外に引っ張り出し、ライザーカードと結束バンドを使って、ケースの外に取り付けました。
ワットチェッカーは必須
マイニングでどれくらいの電気代がかかるのかは、チェックしなくてはならない重要なポイント。それを知るために、ワットチェッカーは必須アイテムですよね。
筆者は以前にDS437Tやメインで使用している自作PC、それ以外の自作PCの消費電力を計測するためにET30Dを購入していたので、それを使いたいと思います。
かかった費用は…
出典:www.ac-illust.com
今回の改造でかかった費用をまとめると、次のようになります(価格は購入時のもの)。
合計は21,2701円です。ただし、購入の際にたまっていたポイント使用し、購入によってポイントがたまったので、それらを差し引いて考えると、実質的な負担は194,975円でした。
おわりに
以上のように、2台のPCを、計5枚のグラフィックボードでマイニングを行う仕様に改造するのにかかった費用は、約20万円になってしまいました。ですが、新規にマイニングPCを組むよりは、だいぶ費用が抑えられたのではないかと考えています。
そして問題は、マイニングでどれくらいの利益が出て、改造費用はいつ回収できるのかということ。これについては、別記事で書きたいと思います。まあ、半分以上は趣味で改造したようなものなので、利益にはそんなにこだわらないですけどね。