デスクトップPCに電力を供給する電源ユニット。よく使われるのはATX電源ユニットですが、適切な電源容量や、スペックに記載されている数字の意味などは、なかなか分かりにくいのではないでしょうか。
そこで今回は、ATX電源ユニットの容量の目安やスペックなど購入時に考慮したいポイントを説明したうえで、ECサイトなどで販売されている中からおすすめ製品をピックアップして紹介したいと思います。
目次
ATX電源ユニットの選び方
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電力は、発電所から家庭などに送られる際はAC(交流)が効率的ですが、そのままでは電化製品には使えないため、DC(直流)に変換する必要があります。デスクトップPCで、この変換をするパーツが電源ユニット。これにはサイズの規格がいくつかありますが、最も一般的なのが今回紹介するATX電源ユニットになります。
以下に、ATX電源ユニットを選ぶ際のチェックポイントを見ていきましょう。
80PLUS認証が高グレードの製品は、変換効率がより良い
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「80PLUS」とは、電力変換効率の性能を示した規格のこと。上記のように、電源ユニットはAC(交流)をDC(直流)に変換しますが、このとき電源ユニット自体も電力を消費し、発熱します。この電力消費と発熱が少ないほど、電力変換効率が優れた(つまり、熱による部品への負担が少なく、冷却ファンの回転が少なく静音で、省エネの)製品ということ。変換効率80%以上のものが認証を受けて、「80PLUS認証」と表記することができます。これには、変換効率によって下表のような6つのグレードがあります。
そして、変換効率と価格のバランスからして、コストを抑えたい場合は「BRONZE」、効率の良さなら「GOLD」、ハイエンドPCの場合は「PLATINUM」というような感じで選ぶと良いでしょう。
ちなみに、「STANDARD」、「SILVER」、「TITANIUM」の製品は、あまり出されていません。
グレード | 負荷率20% | 負荷率50% | 負荷率100% |
---|---|---|---|
TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
BRONZE | 82% | 85% | 82% |
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
パーツ構成に適した容量(ワット数)の製品を選ぶ
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必要な電源ユニットの容量(ワット数)は、搭載するパーツ構成によって変わってきます。この目安は、以下を参考にして見積もってみてください。
パーツ | 電源容量目安 |
---|---|
CPU | PBP×1.5
※PBPは「Processer Base Power」の略で、プロセッサーの基本的な消費電力を示します。
ちなみに、一時的な最大消費電力を示す、MTB(Maximum Turbo Power)も用いられます。 |
メモリ | 搭載数×6W |
マザーボード | 50W |
SSD | 搭載数×15W |
HDD | 搭載数×25W |
5.25インチ光学ドライブ | 搭載数×25W |
グラフィックボード |
搭載数×スペックまたはWebにある最大消費電力
※不明の場合はエントリークラス100W、ミドルレンジ200W、ハイエンド300Wが目安
|
たとえば、以下のようなパーツ構成の場合は、
PCの最大消費電力は559.5Wになります。
ただし、この場合に600WのATX電源ユニットを選ぶのは適切ではありません。これだと余裕がないですし、電源負荷率が高すぎると変換効率が良くないからです。80PLUS認証を受けたATX電源ユニットは、負荷率が50%のときが最も変換効率が良くなるので(前出の80PLUSの表参照)、PCの最大消費電力がATX電源ユニットのワット数の50%になるのが最も理想的。しかし、正確に50%にするのはなかなか難しいので、一般的には50~70%程度になれば良いとされています。
上記の例ではPCの最大消費電力が559.5Wで、変換効率は70%として、542.5W÷0.7=799.28Wとなるので、850Wの電源を選んでおけば大丈夫でしょう。
ちなみに、インテルのCPUのPBPはこちらから、nVIDIAのグラフィックボードの最大消費電力はこちらから調べられます。
スペックにある「+12V」の「W(ワット)」をチェック
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上表は、ATX電源ユニット本体などに記載されているスペック表。表内「DC出力」(直流出力)の行に+3.3V、+5V、+12V、-12V、+5Vsbという電圧(V=ボルト)が記載されていますが、これを「系統」といいます。また、それぞれの下に最大の電流(A=アンペア)が記載されています。ですので、たとえば「+12V系統なら、最大70.5Aを供給できる」という意味になります。
さらに下の「最大電力」の行に記載されているのは、系統ごとの最大の電力(仕事量、W=ワット)です。「電圧(V)×電流(A)=電力(W)」なので、たとえば+12V系統なら、12V×70.5A=846Wということ。+3.3Vと+5Vは、それぞれの最大は3.3V×20A=66Wと5V×20A=100Wで、2つの合計で最大120Wということです。
表の最下行「最大総合電力」に記載されているのは、出力できる総合計の電力(W)です。これが、いわゆる電源の「容量」になりますね。
そして系統によって、以下のように電力を供給するパーツが決まっています。
これを見て分かるとおり、CPUやグラフィックボードなど主要なパーツに給電するのは+12V系統なので、ここの電力(W)がATX電源ユニットを選ぶ際に重要になると言えます。
なお最近のATX電源ユニットは、+12V系統の電力(W)と総出力の電力(W)=容量がだいぶ近いので、細かなスペックがよく分からない場合は、総出力の電力(W)を考慮するだけでもほぼ大丈夫でしょう。
+12V 1 | +12V 2 |
35A | 35A |
648W |
製品の中には、上表のように+12V系統が複数に分かれている「マルチレーン」のものもあります(2つに分かれているのが「デュアルレーン」)。これは「レーンを分けることで電流の最大値を小さくし、過電流や過負荷を抑制して安定性を向上させる」という考え方に基づいた方式です。
一方で、マルチレーンは供給できる最大量が分割されるため、レーンごとで電力不足に陥りやすいというデメリットもあります。
+12V系統を分割しないものを「シングルレーン」といいます。こちらは「効率的な電力(W)の分配を可能にする」という考え方に基づいた方式。また、シングルレーンだから不安定ということでもありません(シングルレーンより、マルチレーンの安定性が特段に高いということでもないです)。最近のATX電源ユニットは、(最大消費電力が大きいCPUやグラフィックボードの利用を想定して)シングルレーンのものが多くなっています。
出力コネクタの種類と数を確認
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ATX電源ユニットの出力コネクタには、次のような種類があります。
このうち、主に使用することになるのはSATAと6+2/6ピンPCI Expressなので、これらの数を確認するのが大切と言えます。
「モジュラー式ケーブル」の製品が作業しやすくて便利
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不要なコネクタをケーブルごと本体から取り外すことのできる「モジュラー式ケーブル」を採用した製品もあります(メーカーによっては「プラグイン」とも言います)。
やはり、使わないケーブルは無い方がPCケース内がスッキリして、パーツ交換などの作業がやりやすいので、プラグインの製品が便利です。
なお、全てのケーブルを取り外せるものを「フルモジュラー」といいます。マザーボード用とCPU用のケーブルは取り外せず、その他のケーブルが取り外せるものを「セミモジュラー」といいます。
105℃コンデンサ搭載の製品が長寿命
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「コンデンサ」とは、電気を蓄えたり放出したりする電子部品のこと。電源ユニットにはたくさんのコンデンサが使われていいて、これが電気を蓄えたり放出したりすることによって、AC(交流)からDC(直流)に変換する際に電圧を一定にすることができています。
電源ユニットに用いられてるコンデンサのひとつに、電解コンデンサがあります。これには、使用温度の上限によって85℃コンデンサと105℃コンデンサがあり、後者の方が高温環境に強くて長寿命。なので、105℃コンデンサ(特に日本メーカー製のもの)が採用されている電源ユニットを選んだ方が、長く使えて良いでしょう。
ちなみに昔の話ですが、海外製の粗悪なコンデンサを使用した電源ユニットが次々に壊れて、多くの自作PCユーザーが涙した、ということがありましたね。
製品のD(奥行き)が小さい製品は、メンテナンス性が良い
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ATX電源ユニットの寸法は、おおよそW150×H86×D140~180㎜。W(幅)とH(高さ)は規格で決まっているのでどれも同じですが、D(奥行き)は製品によって異なり、この寸法によって次のような違いが出てきます。
PCケース内のスペースが空くので、メンテナンス性は良いでしょう。
PCケース内のスペースの空きは少なくなりますが、その分、大きなサイズの冷却ファンを搭載していたり、内部部品のレイアウトに余裕があってエアフローが優れているなどの特徴があります。
こうしたそれぞれの特徴を踏まえて、製品のD(奥行き)を考えてみると良いかと思います。
搭載している冷却ファンのサイズと、軸受の種類を確認
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ATX電源ユニットに基本的に搭載されている、冷却のためのファン。このサイズは120㎜のものが多いのですが、より大きなものを搭載している製品もあります。ファンはサイズが大きい方が冷却能力に優れ静音性も高くなるので、この点を確認しましょう。
そして、製品によっては「流体軸受(FDB)」の冷却ファンを採用しているものもあります。流体軸受(FDB)は、モーターの回転軸を流体(油や空気など)によって受ける方式で、摩擦が少なく、回転がより滑らかになります。また、従来のベアリングに比べ、静音性に優れて長寿命なベアリングを採用している製品もあります。なので、ファンの軸受がどのようになっているのかも要チェックです。
【80PLUS BRONZE】650W ATX電源ユニット おすすめランキング
それではここから、ATX電源ユニットのおすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。まずは、「80PLUS BRONZE」の製品を紹介し、次に「80PLUS GOLD」の製品、「80PLUS PLATINUM」の製品と続きます。
なお、同シリーズの製品で容量が異なるモデルが出されていますが、「80PLUS BRONZE」を選ぶのは、そこまで高性能なパーツは使っておらず、パーツ点数も少ない場合が多いかと思われるので、容量はさほど大きくない650Wのモデルを紹介します。
第1位:玄人志向 650W KRPW-BR650W/85+
【80PLUS BRONZE 650W】モジュラー式のフラットケーブルを採用、70cmのケーブルで裏配線がしやすい
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この製品はケーブルがセミモジュラー、かつフラットなタイプが採用されていて、曲げやすくて配線がやりやすく、PCケース内での収まりも良くなっています。また、マザーボード用とCPU用のケーブルが70cmあるので、裏配線がやりやすく、ケース内をスッキリさせることもできます。
そして、電解コンデンサは全て日本メーカー製の105℃コンデンサ。これにより、信頼性が高くなっています。それでも、価格的にはけっこう抑えられているので、初心者にも手を出しやすいモデルと言えるでしょう。
第2位:Corsair CV650 CP-9020236-JP PS1080
【80PLUS BRONZE 650W】奥行き125㎜とコンパクト設計、120㎜ ファンは熱コントロール式で低ノイズ
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D(奥行き)が125㎜というコンパクト設計のATX電源です。これだけ小さいと、PCケース内での取り付け/取り外し作業がやりやすいですね。冷却ファンは熱コントロール式で、高負荷時にだけ高速で回転し、低負荷時にはノイズなしで稼働してれます。コンデンサは、信頼性の高い日本メーカー製の105℃コンデンサです。
ただ、ケーブルがモジュラー式ではなく、全てが本体に直付けなので、使用しないで余ったケーブルの処理には少し手間がかかるかもです。
第3位:COUGAR CGR BA-650
【80PLUS BRONZE 650W】120㎜ メーカー独自の静音ファン、コスパが優秀
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メーカー独自の120㎜静音ファンを搭載した製品で、温度と回転数の微調整によってあらゆる負荷での振動を低減し、より静かに電源を供給し続けてくれます。電解コンデンサは、信頼性の高い耐熱105℃の日本製コンデンサを採用し、長期間の安定動作に寄与しています。そして、コスパがなかなか優秀です。
ただ、ケーブルは直付け(ノンモジュラー)で、本体からの取り外しが不可なので、取り回しには少し工夫が必要となりそうです。
第4位:Antec CSK650
【80PLUS BRONZE 650W】ケーブルマネジメントに優れたフラットケーブルを採用
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ケーブルマネジメントに優れたフラットケーブル仕様の製品です。スリーブ加工された従来のケーブルに比べ、この製品に採用されているフラットケーブルは柔らかく、裏配線などのケーブルマネジメントを容易にしてくれます。
ただし、ケーブルは直付けとなっているので、使わないケーブルとコネクタはうまく処理する必要があります。
第5位:ASUS TUF-GAMING-650B
【80PLUS BRONZE 650W】デュアルボールベアリングの135㎜ファン搭載、ブリント基盤保護コーティングなど高性能な製品
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135㎜という他の650Wモデルと比べて大きめのファンを搭載した製品です。このファンはデュアルボールファンベアリングを採用し、従来のベアリングと比較して、最大2倍の寿命と優れた冷却性能を発揮す。また、ハブを小さくすることでブレードを長くし、バリアングルで下向きの風圧を高めています。さらに、熱設計パワー(TDP)が30%以下になるとファンを停止し、ノイズを低減させます(0dBテクノロジー)。
プリント基盤にはコーティングが施されており、湿気や埃、過度な温度から保護。コンデンサとチョークには、厳しいテストに合格したミリタリーグレード認証を受けたものを採用しています。ただし、ケーブルはモジュラー式ではなく、本体に直付けです。そして、上記のような凝った仕様のため、価格はやや高くなりますね。
第6位:Thermaltake Smart BX1 RGB
【80PLUS BRONZE 650W】ファンにRGBファンを搭載、80mV以下の低リップルノイズで安定動作
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この製品の特徴は、RGB LEDの付いた120㎜ファンを搭載していることです。LEDはレッド、グリーン、ブルー、イエロー、パープル、ライトブルー、ホワイトの7色で発光する他、背面ボタンによって3パターンのライティングエフェクトを切り替えることもできます。ファンは、ハイドロリックベアリングを採用し、優れた静音性を発揮します。
また、リップルノイズ(本来必要のない微小な振動やノイズの成分のこと)を80mV以下に抑えており、長期に渡ってシステムを安定して動作させることが可能です。コンデンサは、 メインコンデンサが日本メーカー製の105℃コンデンサとなっています。ただし、上記のような性能により、価格はやや高めかもしれません。
【80PLUS GOLD】850W ATX電源ユニット おすすめランキング
続きまして、「80PLUS GOLD」のATX電源ユニットのおすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。
「80PLUS BRONZE」を選ぶのは、それなりに高性能のパーツを搭載し、パーツ点数も多めの場合が多いかと思われるので、容量もそれなりに大きい850Wのモデルを紹介します。
第1位:玄人志向 850W KRPW-GA850W/90+
【80PLUS GOLD 850W】フルモジュラーのフラットケーブルを採用、70cmのATX12V(CPU用)ケーブルで裏配線がしやすい、セミファンレス仕様
出典:www.amazon.co.jp
フルモジュラーのフラットケーブルを採用し、PCケース内の取り回しの良い製品。ATX12V(CPU用)ケーブルは70cmという十分な長さなので、裏配線がやりやすくなっています。コンデンサには全て、高信頼の105℃日本メーカー製アルミ電解コンデンサを採用しているので、かなりの長寿命が期待できますね。
ファンは大径の135㎜で、流体軸受のものを搭載。回転数を制御してノイズを抑えるセミファンレス仕様となっているので、静寂性を保ったままでの運用ができそうです。そして、玄人志向ということで価格も良心的なので、コスパを重要視するユーザーにも適しているのではないでしょうか。
第2位:CORSAIR RM850e CP-9020263-JP
850Wモデル 16,005円(税込)
【80PLUS GOLD】フルモジュラーのフラットケーブルを採用、ライフルベアリングのファンでノイズを抑える、850Wでも奥行きは140㎜
出典:www.corsair.com/
フルモジュラーのフラットケーブルを採用したATX電源ユニット。システムに必要なケーブルだけを接続することで、ケーブルによるPCケース内の雑然さを軽減することができます。120㎜のファンには、従来のベアリングより低ノイズで耐久性に優れた「ライフルベアリングファン」を採用。さらに、低負荷時にファンを停止させることで騒音を低減する「ゼロ RPM ファンモード」にも対応しています。そして、コンデンサは105℃対応の工業用グレードのものを採用することで、信頼性を高めています。
それから、850Wの容量でも、奥行きが140㎜に抑えられているものポイントです。この奥行きなら、PCケース内での作業がやりやすいですね。
第3位:MSI MAG A850GL
【80PLUS GOLD 850W】フルモジュラーでフラットケーブル採用、冷却ファンは流体軸受、ネイティブ16ピンPCIeコネクタ、850Wでも奥行きは140㎜
出典:www.amazon.co.jp
フルモジュラー設計で、必要なケーブルだけを接続することのできる製品。ケーブルには、フラット仕様のものを採用。これらにってケーブルマネジメントが向上するだけでなく、エアフローの改善も期待できます。冷却ファンは120㎜で、流体軸受(FDB)のものが搭載されていて、静音性と高耐久性を実現しています。
そして、ネイティブ16ピン PCIeコネクタを採用していることも、特徴のひとつ。これで600Wまでの電力をPCIe 5.0グラフィックスカードに供給することが可能です。また、このコネクタ先端はイエローに着色されており、コネクタが奥まできちんと差し込めているかがが一目で分かるようになっています(差し込みが甘いと、イエローの部分が見えます)。また、850WのATX電源ではコンパクトな、奥行き140㎜なので、PCケース内での作業もやりやすいですね。
第4位:Fractal Design ION Gold
【80PLUS GOLD 850W】フルモジュラーのフラットケーブルを採用、140㎜の大型ファン(LLSベアリング)、アイドル時の消費電力を限りなくゼロに
出典:www.amazon.co.jp
フルモジュラーのフラットケーブルを採用した製品。ファンは温度による回転数制御に対応した140㎜の大型のものを搭載しています。ファンの軸受にはLLS(Long Life Sleeve)ベアリングを、インペラには空気力学要素を取り入れたものを採用して、ノイズを大幅に低減しています。また、アイドル時の消費電力を限りなくゼロに近づける「Intel C6/C7ステート」にも対応。コンデンサには、一次側に高性能で高信頼の日本メーカー製105℃コンデンサを採用しています。
そして、Fractal Designらしい洗練されたデザインも特徴のひとつですよね。基本的には目につかないパーツですが、やはりこのビジュアルには惹かれるものがあります。
第5位:NZXT C850 PA-8G1BB-JP
【80PLUS GOLD 850W】フルモジュラーのフラットケーブルを採用、135㎜の流体軸受(FDB)ファンを搭載、低出力時にファン停止で極静音、落ち着いたマットブラックの仕上げ
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必要なケーブルのみを使用し、PCケース内をすっきりと整理できるフルモジュラー方式を採用した製品。ケーブルはフラットなので、配線がやりやすでしょう。冷却ファンは135mmの流体軸受(FDB)で、高負荷時でも高い静音性を実現。背面にあるボタンによって「ゼロRPMファンモード」を有効にすると、低負荷時にはファンが停止します。高負荷になってくると、ファンが自動的に駆動し始めます。
そして、マットブラックの仕上げが落ち着いた雰囲気となっているので、シックなデザインのPCケースなどにマッチしますね。
第6位:Thermaltake TOUGHPOWER GF PLUS
850Wモデル 21,800円(税込)
【80PLUS GOLD 850W】フルモジュラー式でスッキリ配線、流体軸受の140㎜ファンを搭載、全てのコンデンサに日本製を使用
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フルモジュラー式の製品で、全てのケーブルの脱着が可能です。不要なケーブルがPCケース内にとどまることがないのでスッキリさせることができますね。冷却ファンは140㎜と大きく、さらに流体軸受(FDB)となっているので、大きな風量と静音性を兼ね備えています。
コンデンサには全て日本製のものを使用し、信頼性を高めています。平均故障間隔 (MTBF) は10万時間以上で、10年間の長期新品交換も提供しています。
【80PLUS PLATINUM】1000W以上ATX電源ユニット おすすめランキング
最後に、「80PLUS PLATINUM」のATX電源ユニットのおすすめ製品をランキング形式で紹介していきたいと思います。
「80PLUS PLATINUM」を選ぶのは、高性能なCPUやグラフィックボードを積んだハイエンドの場合が多いかと思われるので、容量はかなり大きい1000W以上のモデルを紹介します。
第1位:Cooler Master V1000 Platinum
【80PLUS PLATINUM 1000W】フルモジュラー式、PCIeケーブルは導電性を強化、シングル/マルチレーンの切替が可能、135㎜冷却ファンにはダブルボールベアリングを採用
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全てのケーブルが着脱可能なフルモジュラー式の電源ユニット。ケーブルのうち、PCIe用のものは導電性を強化したものを採用し、グラフィックボードの電源効率を高め、安定動作に寄与しています。
特徴的なのは、物理スイッチによって12V系統をシングル/マルチレーンで切り替え可能なこと。PCのパーツ構成に応じて、どちらが適しているかを検証してみるのも面白いかもです。冷却ファンは135㎜ で゛低回転に強いダブルボールベアリングを採用しています。そして、サーマルレギュレーションモード(負荷60%までファンの回転数を一定に保つことで、静音性と安定性をキープする機能)に対応し、ファンの負荷を最低限に抑えて長寿命化を実現しています。コンデンサは、全てが日本メーカー製の105℃コンデンサです。
第2位:玄人志向 KRPW-PA1200W/92+
1200Wモデル 25,151円(税込)
【80PLUS PLATINUM 1200W】フルモジュラーでフラットケーブル採用(16ピン〔12VHPWR〕コネクタのPCIeケーブル含む)、流体軸受ファン & セミファンレス仕様
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ケーブルの全てが脱着できるフルモジュラー式で、フラットケーブルを採用した製品です。付属ケーブルには、600Wの電力を供給できる16ピンのPCIeケーブルが含まれます(12VHPWRコネクタ、PCIe 5.0 GPU対応)。
冷却ファンは135㎜の流体軸受(FDB)のものを採用し、静音性と耐久性に優れます。また、低負荷時にファンの回転を停止するセミファンレス仕様となっています(スイッチでON/OFFの切替可能)。コンデンサは全て、日本メーカー製の105℃コンデンサを採用しています。ただ、奥行きは180㎜と大型なので、PCケース内部に余裕のあるものでないと厳しいでしょう。
第3位:CORSAIR HXi Series HX1000i
1000Wモデル 26,480円(税込)
【80PLUS PLATINUM】フルモジュラーのフラットケーブルを採用、流体軸受(FDB)で大口径140㎜ファンを搭載、専用ソフトで電源ユニットのモニタリング・管理が可能
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必要なケーブルだけを使えるフルモジュラー方式を採用した製品です。コンデンサは全て日本メーカー製105℃コンデンサを採用し、大きな電圧変動を受けても劣化しにくく、より長寿命で安定した電圧を提供してくれます。ファンは大口径の140㎜で、ベアリングは静音かつ長寿命の流体軸受を採用しています。また、低負荷時にファンを停止させることで騒音を低減する「ゼロ RPM ファンモード」にも対応しています。
そして、メーカーが提供する「CORSAIR iCUEソフトウェア」を使用することで、電源ユニットの温度や電圧などの状況をリアルタイムでグラフ表示できます。さらに、シングルレール、マルチレールの切り替え、ファンの回転数の制御なども、このソフトウェアで行うことができます。ただ、奥行きは180㎜という大型の製品となるので、設置するPCケースとパーツ類のレイアウトには配慮が必要になりますね。
第4位:ASUS ROG-THOR-1200P2-GAMING
1200Wモデル 40,608円(税込)
【80PLUS PLATINUM 1200W】フルモジュラー式、16ピン(12VHPWR)コネクタのPCIeケーブルが付属、OLEDディスプレイで消費電力を表示、シートシンクで冷却、Aura Sync対応でイルミネーションを楽しめる
出典:www.amazon.co.jp
全てのケーブルが脱着可能なフルモジュラー式の製品です。付属ケーブルには、600Wの電力を供給できる16ピンのPCIeケーブル(12VHPWRコネクタ、PCIe 5.0 GPU対応)が含まれます。そして、OLEDディスプレイを搭載し、リアルタイムで消費電力をモニタリングすることができます。コンデンサは100%、日本メーカー製105℃コンデンサを採用しています。
冷却ファンは135㎜で、エアフローを向上させつつも静音仕様のAxial-techを採用。これは、負荷が50%以下になるとPWM制御によって完全に停止する仕様です(0dBテクノロジー)。重要なパーツを冷却するROGシートシンクも搭載。これらによって、Lambda A++認証を取得しています。また、同社の「Aura Sync」に対応し、イルミネーションのカスタマイズや互換性のあるデバイスとの同期が可能となっています。ただ、奥行きは190㎜という大型の製品なので、内部スペースに余裕のあるPCケースが適しているでしょう。
第5位:MSI MEG Ai1300P
1300Wモデル 47,588円(税込)
【80PLUS PLATINUM 1300W】フルモジュラー設計、16ピン(12VHPWR)コネクタのPCIeケーブル付属、ソフトによるシングル/マルチレールの切り替え・ファンの回転数などの設定が可能、LCPブレードを採用したHDBファン搭載
出典:www.amazon.co.jp
ケーブルの全てが取り外せるフルモジュラー設計の製品で、600Wの電力を供給できる16ピンのPCIeケーブルが付属します(12VHPWRコネクタ、PCIe 5.0 GPU対応)。そして、Gaming Intelligenceソフトウェアを使用することで、シングル/マルチレールの切り替えや、ファンの回転数などの設定が可能となっています。コンデンサは全て、日本メーカー製の105℃コンデンサです。
冷却ファンは120㎜と、このクラスにしては少し小さめですが、高精度な液晶ポリマー(LCP) 素材のブレードを採用したHydro-Dynamic Bearingファンとすることで、優れた静音性と冷却性を実現しています。
第6位:Thermaltake TOUGHPOWER 1500W
1500Wモデル 53,899円(税込)
【80PLUS PLATINUM 1500W】フルプラグインでフラットケーブル仕様、流体軸受140㎜ 冷却ファン、Smart Zeroファンモード対応、30mV以下の低リップルノイズで安定動作
出典:www.amazon.co.jp
ケーブル全てがフラットで、着脱式のフルプラグインの製品です。140㎜ の冷却ファンは流体軸受(FDB)の静音仕様。また、低負荷時(30%以下)にファンの回転を停止させる「Smart Zeroファンモード」にも対応しています(背面のスイッチでON/OFFの切替可能)。コンデンサは100%、日本メーカー製の105℃コンデンサを採用しています。
そして、リップルノイズ(本来必要のない微小な振動やノイズの成分のこと)は30mV以下を実現し、長期間に渡る安定動作が見込めます。ただ、奥行きは180㎜もあるので、組み込むPCケースにもそれなりの大きさが必要となるでしょう。
おわりに
今回は、ATX電源ユニットのおすすめ製品を、80PLUSのグレードで分けて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
だいぶ昔になりますが、PCのミドル/フルタワーケースを購入すると、ATX電源ユニットが付属するのが当たり前の時代がありました。「電源ユニットなんて、どれも同じ」ということだったんでしょうね…。しかし、今ではたくさんの製品が発売されて、いろいろと選ぶことができます。上記を参考にして、自分のPCに最適なATX電源ユニットを、思う存分に選んでくださいね。