静かなオフィスなどでPCのキーボードを打つ場合、打鍵音が意外と響いて気になることもありますよね。そんなときに試してみたいのが、静音仕様のキーボードです。
というわけで今回は、静音キーボードについての基本的な事柄を説明したうえで、ECサイトから入手できる製品の中から選んだおすすめを紹介したいと思います。
目次
静音キーボードの選び方
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静音キーボードは、従来と比較して打鍵音を大幅に低減させた仕様のキーボードです。それでは以下に、静音キーボードの選び方を具体的に見ていきましょう。
キースイッチはメンブレン方式かパンタグラフ方式か
静音キーボードに採用されているスイッチはほとんどがメンブレン方式またはパンタグラフ方式です。静音仕様のものは、シリコンラバーなど柔らかい素材を組み込んで、衝撃と音を吸収します。
メンブレン方式
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「メンブレン」は、日本語では「膜」という意味。この「膜」のスイッチ(接点シート)の上にラバードームのある構造をしたのが、メンブレン方式です。
特徴は、キーストロークが深い、反発力が強い、コストが低い、といったことです。
ただし、押下する指がキーの中心からズレると、スムーズに打鍵できないというデメリットがあります。
パンタグラフ方式
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「膜」のスイッチ(接点シート)とラバードームの上にパンタグラフがあるのが、パンタグラフ方式です。ノートパソコンでは、ほとんどがパンタグラフ方式のキーボードを採用しています。
特徴は、薄くつくれる、キーストロークが浅くて軽い、指が中心からズレても打鍵しやすい、といったことです。
ただし、メンブレン方式よりもコストが高くなります。また、キーストロークが浅いため、スイッチ判定がシビアになり、入力ミスにつながることもあります。
なお、パンタグラフ方式のキーボードは、基本的にキーとキーの間隔が空いていて、それぞれ独立した形態となっています。これをアイソレーション(Isolation:分離、独立)といいます。アイソレーションでは、隣のキーへのミスタッチがしにくくなります。
製品の“幅”で選ぶ
キーボードをサイズで見ると、大きく「フルサイズ」、「テンキー付きコンパクト」、「コンパクト(テンキーなし)」に分かれます。
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「フルサイズ」は、文字キーの右に PgUp PgDn などのキーやカーソルキーが付いています。さらに、その右にテンキーも付いています。そして、すべてのキーが大きめです。なので、打鍵しやすいですし、機能性に優れます。
ただし、その分幅が440㎜程度になり、以下のものより設置スペースを要します。
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「コンパクト(テンキー付き)」は PgUp PgDn などのキーはありません。また、スペース の右側のキーも一部省略されていて、代わりに小さなカーソルキーが配置されています。これにより、幅370㎜程度と省スペースになっています。
ただし、カーソルキーが小さいため打鍵しにくく、また Enter 近くのキーが小さいものが多くあります。
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「コンパクト(テンキーなし)」は、PgUp PgDn などのキー、そしてテンキーがありません。また、スペース の右側のキーも一部省略されていて、代わりに小さなカーソルキーが配置されています。これにより、幅300㎜程度と、かなりの省スペースになっています。
ただし、テンキーがないので数字入力はしにくく、小さなカーソルキーも打鍵しにくいです。そして Enter 近くのキーが小さいものが多くあります。
接続方式はワイヤレスか有線か
キーボードの接続方式は、主にワイヤレス(無線2.4GHz、Bluetooth)と有線(USBケーブル)です。それぞれ、次のようなメリット・デメリットがあります。
ワイヤレス(無線2.4GHz、Bluetooth)
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メリット・デメリットは、以下のようなものです。
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メリット・デメリットは、以下のようなものです。
有線(USBケーブル):PCのBIOS画面でも使える、設定不要で簡単、コストが低い、別途電源が不要
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メリット・デメリットは、以下のようなものです。
キーピッチとキーストロークを確認
キーピッチ:19㎜が標準
あるキーの中心から隣のキーの中心までの距離が「キーピッチ」です。これは、19㎜が標準とされていて、これより短いと意図せず隣のキーに触れてしまって入力ミスに繋がりやすくなります。
特に、コンパクトキーボードでは、キーピッチが標準の19㎜より短いものもあるので、この数値を確認しておきましょう。
キーストローク:メンブレンでは3㎜、パンタグラフでは2㎜程度が標準
キーを押したときの深さが「キーストローク」です。メンブレンでは3㎜、パンタグラフでは2㎜程度が標準とされています。キーストロークが深いと、打鍵に力がいるので疲れやすく、逆に浅いと疲れにくくなります。
なので、既にキーボードを使っていて、タイプしたときの疲労感があるかどうかを踏まえて、自分に合うキーストロークの製品にしましょう。
ワイヤレスでは電源の持続時間をチェック
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前述のように、ワイヤレスキーボード(無線2.4GHz、Bluetooth)の場合、電池または内蔵バッテリーから電源を取ることになります。
電池を使用する製品は、電池寿命が長い方がランニングコストが低く抑えられます。内蔵バッテリーを使用する製品は、連続使用時間が長い方が、充電時間は短い方が使いやすくなります。なので、電源の持ちと、内蔵バッテリーへの充電時間もチェックして製品を選びましょう。
【ワイヤレス・フルサイズ】静音キーボード おすすめ
ここからは、静音キーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。まずは、ワイヤレス(無線2.4GHz、Bluetooth)でフルサイズの製品を紹介し、その後にワイヤレスでコンパクトな製品、有線(USBケーブル)接続のフルサイズの製品・コンパクトな製品と製品と続きます。
ロジクール K295GP
独自の「SilentTouchテクノロジー」で操作音を90%削減(従来比)、安心の耐水設計
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ロジクール独自の「SilentTouchテクノロジー」を採用することで、従来モデルより90%の操作音を削減したという製品です。それでも、タイピングの感覚はそのままなので、これまでと変わらない使い心地。静かな場所でも、周囲に迷惑をかけずに作業ができます。また、耐水設計なので、デスクで水をこぼしたとしても安心です。
ただし、キーストロークは3.2㎜と、メンブレンにしては少し深めなので、ここを踏まえて検討しましょう。
▼接続方式:無線2.4GHz▼キースイッチ:メンブレン▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:3.2㎜▼電池寿命:単4乾電池2本、最大24か月▼外形寸法:W441×D149×H22㎜(前部はH18㎜)▼重量:498g(電池含む) |
エレコム TK-FFBM03SKBK
各キートップのシリコンラバーで消音、見やすいオリジナルフォント、抗菌仕様、排水構造も
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各キートップにシリコンラバーを装着した静音仕様で、これによって衝撃を吸収して、打鍵音を大幅に軽減します。
そして、メンブレンにしてはキーストロークが浅めの2.0㎜で、軽い力でタイプできそう。キートップの文字には、見やすいオリジナルフォントを採用しています。また、安心・安全の抗菌仕様で、こぼした水を排水する構造も搭載しています。
▼接続方式:Bluetooth▼キースイッチ:メンブレン▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:3.2㎜▼電池寿命:単4形乾電池 2本、1.5年(1日8時間を想定)▼外形寸法:W442.8×D139.8×H26.8㎜ ※スタンド時はH35.3㎜▼重量:約440g(電池含まず) |
iClever GKJ35B
キーストロークは1.8㎜で静かな打鍵音、USB-Cで内蔵バッテリー充電、高級感のある外装
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パンタグラフ方式を採用した製品です。キーストロークは浅めの1.8㎜なので、強い力が必要なく、静かに軽くタイピングすることができます。
そして、内蔵バッテリーを搭載していて、USB-Cポートから充電します。手持ちのUSB-Cケーブルが使い回せるのが嬉しいですね。外観的には、表面が艶消し、裏面が亜鉛メッキ鋼板となっていて、高級感のある仕上げとなっています。
▼接続方式:無線2.4GHz▼キースイッチ:パンタグラフ▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:1.8㎜▼バッテリー寿命:連続使用90時間(スタンバイ時間は90日、充電時間は2時間)▼外形寸法:W428×D129×H15㎜(手前はH3㎜)▼重量:590 |
【ワイヤレス・コンパクト】静音キーボード おすすめ
次は、ワイヤレスでコンパクトな静音キーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
iClever DK02
キーストロークは1.6㎜で軽いタイピング、無線2.4GHz・Bluetoothの両対応、USB-C充電式
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パンタグラフ方式を採用した製品で、キーストロークは1.6㎜とかなり浅めです。そのため、軽いタっちで静かな打鍵音となります。
そして、無線2.4GHzとBluetoothの両方に対応しているので、使用するデバイスによって使い分けができます。Bluetooth接続では、3台のマルチペアリングが可能です。電源は内蔵バッテリーで、USB-Cポートから充電します。
ただし、このコンパクトさのために enter 近くのキーは小さくなっています。
▼接続方式:無線2.4GHz、Bluetooth▼キースイッチ:パンタグラフ▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:1.6㎜▼バッテリー寿命:1回の充電で200時間使用可能▼外形寸法:W285×D117×H22㎜▼重量:327g |
エレコム TK-QT30DMBK
シリコンラバーによる静音設計、キーストロークは1.4㎜、オリジナルフォントを使用
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各キートップに装着したシリコンラバーにより、本格的な静音設計となっています(打鍵音を従来比で9割以上低減。メーカー)。また、キーストロークは1.4㎜となっているので、力を入れずにタイピングをすることができます。
キーの刻印には、スタイリッシュで見やすいオリジナルフォントを使用。また、複数のOS(Windows、ChromeOS、macOS)に対応しています。
▼接続方式:無線2.4GHz▼キースイッチ:メンブレン▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:1.4㎜▼電池寿命:単4形乾電池 2本 最長約12か月▼外形寸法:W372.6×D135.9×H22.1㎜ ※最薄部は11.5㎜▼重量:約380g(電池含まず) |
エレコム TK-FDM115SKTBK
各キートップにシリコンラバーで静音、安心・安全の抗菌仕様、排水構造を搭載
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前出の「エレコム TK-FFBM03SKBK」がコンパクトになったモデルです。同様に、各キートップに衝撃を吸収するシリコンラバーを装着し、タイピングの音を軽減しています。
キースイッチはメンブレンですが、キーストロークは浅めの2.0㎜なので疲れにくそうです。キートップの刻印にはオリジナルフォントを採用し、見やすさにも配慮。また、安心・安全の抗菌仕様で、排水構造も搭載しています。
▼接続方式:無線2.4GHz▼キースイッチ:メンブレン▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:2.0㎜▼電池寿命:単4形乾電池 2本、1.5年(1日8時間を想定)▼外形寸法:W361.6×D139.8×H26.3㎜ ※スタンド時はH34.8㎜▼重量:350g(電池含まず) |
【有線・フルサイズ】静音キーボード おすすめ
続きまして、有線(USBケーブル)接続でフルサイズの静音キーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
エレコム TK-FCM114SKBK
シリコンラバーによる静音仕様、安心・安全の抗菌仕様、見やすいオリジナルフォント、排水構造を搭載
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前出の「エレコム TK-FFBM03SKBK」が有線(USBケーブル)になったモデルです。同様に、各キートップにシリコンラバーが装着された静音仕様で、打鍵音が大幅に軽減されています。キーストロークは2.0㎜とメンブレンにしては浅めなので、軽くタイプできるでしょう。
そして、キートップの文字はオリジナルフォントで、見やすくなっています。さらに、安心・安全の抗菌仕様で、こぼした水を溜め込まない排水構造も有しています。
▼接続方式:有線(USBケーブル)▼キースイッチ:メンブレン▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:2.0㎜▼外形寸法:W442.8×D139.8×H26.8㎜ ※スタンド時はH35.3㎜▼重量:450g |
サンワサプライ SKB-SL37BK
薄型メンブレンで従来よりも格段に小さなタッチ音、耐久性の高いレーザー刻印
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薄型メンブレンを採用し、従来のメンブレンよりもキータッチ音が格段に小さくなった静音タイプの製品です。深夜のパソコン作業や公共施設に最適と言えるでしょう。
キートップの文字は、耐久性の高いレーザー刻印となっているので、長く使い続けられそうです。
▼接続方式:有線(USBケーブル)▼キースイッチ:メンブレン▼キーピッチ:18㎜▼キーストローク:3.2㎜▼外形寸法:W423×D122×H30㎜▼重量:440g |
【有線・コンパクト】静音キーボード おすすめ
最後に、有線(USBケーブル)接続でコンパクトな静音キーボードのおすすめ製品を紹介していきたいと思います。
サンワサプライ SKB-SL19BK
パンタグラに特殊グリスを注入した静音仕様、キータッチ音が約1/3(音響パワー換算)
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パンタグラフ方式のキーボードで、その機構部分に特殊なグリスを注入することで静粛性を高めています(そのため、長期間使用すると静音の効果が弱まる場合あり)。
従来のパンタグラフキーボードに比べて、キータッチ音が音響パワー換算で約1/3になっているとのことです(テスト条件下で、従来のキーボードが約31デシベルのところを、この製品は約25デシベル)。
▼接続方式:接続方式:有線(USBケーブル)▼キースイッチ:パンタグラフ▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:2.0±0.1㎜▼外形寸法:W345×D115×H19㎜▼重量:380g |
サンワサプライ SKB-SL20BK
パンタグラに特殊グリスを注入した静音仕様、キータッチ音が約1/3(音響パワー換算)
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前出の「サンワサプライ SKB-SL19BK」でテンキーがなくなったモデルです。同様に、パンタグラフ方式のキーボードで、その機構部分に特殊なグリスを注入することで静粛性を高めています(そのため、長期間使用すると静音の効果が弱まる場合あり)。
従来のパンタグラフキーボードに比べて、キータッチ音が音響パワー換算で約1/3になっているとのことです(テスト条件下で、従来のキーボードが約31デシベルのところを、この製品は約25デシベル)。
▼接続方式:接続方式:有線(USBケーブル)▼キースイッチ:パンタグラフ▼キーピッチ:19㎜▼キーストローク:2.0±0.1㎜▼外形寸法:W293×D115×H19㎜ W345×D115×H19㎜▼重量:330g |
おわりに
今回は、静音キーボードのおすすめを、ワイヤレス・有線(USBケーブル)それぞれでフルサイズとコンパクトに分けて紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
タイピングの音は、打っている本人は気にならなくても、周りの人はけっこう気になるもので、知らず知らずのうちに迷惑を掛けていることもあります。上記を参考にして静音キーボードを入手して、知らないうちに迷惑な人にならないようにしましょう。